第四十五話 無念の欠場
プクーン
拓也「(何だ?ほっぺたがふくれたような気がする)」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
うぁーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あまりの激痛に叫んでしまう。
父と母が心配して起きてきた。
拓也「痛い、痛いよ」
母「病院に行こうか?」
拓也「うん」
病院に行った
医者「おたふくですね。一週間安静にしとくように」
拓也「(一週間?じゃあ県大会は?シアイニデラレナイノ?カラテハ?)」
苦痛の中で必死に考える。気づいたら大粒の涙が流れている
医者「相当痛いんだね。でも、もう少しでよくなるよ」
い
さい
るさい
うるさい
うるさーい!
拓也「お医者さんは偉いんでしょ。病気を治すのが仕事でしょ。今すぐ治してよ。僕は空手の試合があるんだ。県大会なんだ。これを逃したら次に出られるか分からないんだ。何のために僕はきつい練習にたえてきたんだ。お願いだよ、お願いします、おねが・・・い」
苦痛に耐えながらも拓也は必死に話す。
医者の服にしがみつく。
母「拓也。すみません。」
医者「拓也君。気持ちは分かる。でも、今は安静にしなさい」
拓也はただひたすら泣くことしか出来なかった…