第三十六話 成長
拓也達は試合の組合わせを見に行った。
和人「拓ちゃん、雅弘。あれ」
雅弘「あれは米嶋と大和」
拓也「二人とも茶色帯になっている」
雅弘「今年こそは」
雅弘は去年の米嶋に負けた時のことを思い出していた。
和人「雅弘」
雅弘「今年こそオレがかつんだ」
拓也「雅弘君。早く組合わせを見ようよ」
雅弘「そうだな」
組合わせ表に目を通す
雅弘はAブロック。
順調に行けば米嶋と当たる
和人はBブロック。
順調に行けば大和と当たる
拓也「(僕はDブロック。でも、どうせ、一回戦で負けるから関係ないけどね。誰と当たるかも見なくていいや)」
雅弘「和人と当たるとしたら準決勝。拓也と当たるとしたら、決勝だな」
拓也「ははは」
和人「頑張ろう」
そして、試合が始まる
雅弘は順調に勝ち進み、ベスト4をかけて、米嶋と戦うことになった。
和人も拓也も自分のブロックを見ずに、そっちに集中している。
雅弘「(去年、オレはこいつにストレート負けした。悔しかった。圧倒的な差を感じた。でも、去年のオレとはもう違う。行くぞ米嶋)」
主審「満月の型用意、始め」
拓也「(満月の型。とっても難しい型。雅弘君も苦手だと言っていた。)」
和人「(でも、去年、米嶋に負けてからはずっと練習してきたんだ。負けないよ雅弘は)」
雅弘「え〜い」
雅弘の気合いが会場に響く
米嶋「えいやー」
米嶋の独特の気合いも響く
二人ともすごい試合をしている。
拓也「(形勢は分からないな)」
和人「(でも、僕達は雅弘を信じたい。きっと拓ちゃんもそう思っているはずだ)」
雅弘「(型の途中だからよく見えないけど、米嶋に去年ほどの力を感じない)」
雅弘は余裕が出てきたのかいつも以上の型をしていた。
そして、型が終わり主審の判定を待つ。
ちなみに雅弘が赤、米嶋が白である。
主審「判定」
パサッ
旗があがる
主審「白3、赤1。白の勝ち」
雅弘が負けた。
雅弘「また、オレの負けか」
悔しそうにする雅弘
しかし、いつも、ストレート勝ちをしてきた米嶋が唯一ストレート勝ち出来なかった。これは誇れることだろう。
拓也、和人「雅弘(君)」
そして、雅弘は二人の男に火をつけた。
奮起した拓也と和人
和人はベスト8をかけて大和と戦い、ストレートで負けた、しかし、和人も自身初のベスト16
拓也「(二人ともすごい。どうしよう、また僕だけ負けちゃうのは嫌だ。頑張ろう」
???「拓也君」
拓也はふと後ろを振りかえってみた。
拓也「茜先輩」
茜「久しぶりね。和人君も雅弘君もすごいね。でも、拓也君今のままじゃ、あなたまた負けるよ」
拓也「え?」
茜「去年、私が言ったこと覚えてる!?勝ちを意識したじてんであなたの負けよ。去年の繰返しをしたいの」
拓也「嫌です」
茜「だったら、いつも通りやりなさい」
拓也「分かりました。ありがとうございました」
拓也は試合に向かう
一回戦の相手は拓也と同じ緑帯。
主審「拳雷の型用意始め」
拓也「(拳雷の型は去年Aチームに選ばれた時から死ぬほど練習してきたんだ、負けない)」
慶太「拓也のやつ、余計な力が抜けていい型になってるな。お前のアドバイスが聞いたな」
茜「私はちょっと手伝ったにすぎないよ。拓也君だけじゃない、雅弘君も和人君もこの一年で比べ物にならないくらい強くなってる。私達があまり行けなくなってる間に何があったのかしらね」
慶太「さあな。あの、新しくきた先生がすごいんだろ。てか、オレ達は2、3回くらいからしか言ってないしな。だから茜がおとなしく見てようって言ったのに、アドバイスに行きやがって」
茜「私が行かなかったら慶太君が行ってたくせに」
慶太「まあな」
茜「判定が始まるよ」
主審「白3、赤1。白の勝ち」
拓也が公式戦個人戦初勝利をあげたのだ。
人というものは波に乗れば力以上の実力をだせるものである。
拓也は波に乗り、ベスト16まで勝ち進んだ。
ベスト8をかけて拓也と戦うのは