第三十五話 少年大会 個人戦編
拓也が集中力を欠いている。何故かは分からないが。
雅弘と和人は長い付き合いなのでそれに気づいていた。
ヒソヒソ
和人「ねぇ、雅弘どうしよう?拓ちゃんが変だよ」
雅弘「どうするか」
拓也「(桜ちゃんのことが気になる)」
雅弘「拓也」
拓也「何?」
雅弘「お前負けるぞ」
拓也「何で?それは確かに僕はまだ一回も勝ててないけど」
雅弘「何があったかは知らないが試合に集中しろ!!じゃないと負けるぞ」
和人「拓ちゃん、何かあったんなら僕達に話してよ。試合前に悩んでたらいい型なんて出来ないよ。僕達友達でしょ」
拓也「ありがとう。(いけないいけない。今は試合に集中しなきゃ。桜ちゃんが誰と話してたって関係ないじゃないか。でも、何で気になるんだろう)大丈夫だよ」
和人「ならいいけど」
雅弘「お前が元気なきゃこっちまで調子狂うぜ」
和人「僕達三人で立教の黄金トリオでしょ」
拓也「ごめん。二人とも。僕がどうかしてたよ。二人とも僕に気合いをいれてくれ」
雅弘「ああ。いくぞ拓也!!歯くいしばれ」
ばちーん
雅弘が拓也に気合いを入れる。
和人「行くよ拓ちゃん」
ばちーん
和人もまた拓也に気合いを入れる。
拓也「いてて。お陰で目が覚めたよ」
雅弘「じゃあ今度はオレにも気合いをいれてくれ」
和人「拓ちゃん、僕にも。拓ちゃんだけ痛い思いをするのは無しだよ」
拓也「二人とも。よし行くよ」
拓也も二人に気合いを入れる。
雅弘「よし。やってやろうぜ」
二人「おー」
三人は拳を合わせる。