第十四話 チーム編成
拓也「(良君、あれからどれくらいたったかな)」
拓也はふと授業中に良のことを考えていた。
拓也「(いけないちゃんと授業に集中しなきゃ)」
拓也は授業中だということを思いだし、集中する。
拓也が周りを見回すとみんなが拓也を見ている。
中山「内田君、答えはさっきからずっと考え込んでるけど」
どうやら拓也はあてられたみたいだ
拓也「(黒板を見る限りでは算数の授業中みたいだなえ〜と答えは・・・分からないどうしよう)」
拓也の反応を見て察したのか幸穂が答えを先生にばれないように、拓也の机に書く。
拓也「(ありがとう。幸穂ちゃん)答えは3です。」
中山「正解。よくできました」
拓也が答えた直後、
きーんこーんかーんこーん
チャイムが鳴った。
中山「今日の授業はここまで、みんな、帰る準備して」
みんなは帰る準備を済ませて席につく。
中山「それでは、帰りのあいさつをしましょう」
みんな「先生、さようなら、皆さん、さようなら」
中山「はい、さようなら」そう言って中山は教室から出ていった。
拓也「幸穂ちゃん、さっきはありがとう。助かったよ」
幸穂「ありがとうじゃないよ。たぁーくんはいつもぼんやりしてるんだから、さっきの問題の解き方もわかってないでしょ。ノート出して」
幸穂は丁寧に拓也にさっきの授業を説明していく。
???「幸穂って内田君のお母さんみたいだね」
幸穂「あ、真希。そうなのよ。たぁーくんがしっかりしないから私が教えなきゃ」
高木 真希。幸穂の友達で長い髪をしている。
拓也はあまり、勉強ができない。でも、テストでは80以上はとる。それはさっきのように幸穂が丁寧に教えてくれるからだ。幸穂がいなければ拓也は授業についていけないだろう。
真希「内田君もちゃんと幸穂に感謝しなさいよ」
拓也「幸穂ちゃん、いつもありがとうね」
幸穂「ちゃんと家でも勉強してよ」
拓也「うん。僕、空手があるから帰るね。じゃあね」
幸穂「バイバイ」
真希「またね」
拓也は家に帰って、空手に行った。
雅弘「拓也、今日も頑張ろうぜ」
拓也「うん、頑張ろう」
和人「雅弘、たくちゃん、今日も頑張ろう」
いつも元気な拓也、雅弘、和人。
慶太「うちの一年生トリオは元気だなぁ〜」
???「そうですね、僕らも頑張りましょう」
慶太「智宏かそうだながんばるか」
中野 智宏小学四年生。礼儀正しい。後輩にも、君、さんをつける。髪型は坊っちゃん刈り。
神宮「これから練習を始める。今日は少年大会の団体戦のメンバーを決めたいと思う」
団体戦とは五人組一チームで行い三勝した方の勝ちである。
ちなみに学年基準は
先鋒、一年〜二年
次鋒、二年〜三年
中堅、三年〜四年
副将、四年〜六年
大将、六年〜中三
となっている。
神宮「団体の型は拳雷の型だ。みんな並べ」
前から、黒、茶色、紫、緑、黄色、白帯と並んだ。
神宮「自然体、拳雷の型始め」
みんなが拳雷の型をはじめる
神宮「雅弘、雪江、光、力也、茜、こっちで見ておけ」
慶太「(なるほど。今呼ばれたメンバーはおそらくAチーム。うちは毎年、Dチームまで作るから残りは15人。これはサバイバルだな)」
神宮「次、いくぞ。始め。」
みんな、さっきよりも気合いが入る
そして、
神宮「和人、智宏、幸輔、慶太、こっちに来い」
拓也「(雅弘君に和人君も僕も頑張らなきゃ)」
神宮「次、いくぞ」
こうして、拳雷の型を5回した。
拓也の名前が呼ばれることはなかった。
拓也「(悔しい)」
神宮「これから15分休憩にする」
雅弘「拓也、まだ後一人残ってるし分からないよ」
和人「そうだよたくちゃん」
拓也「二人ともありがとう」
そのころ神宮は団体戦のメンバー決めに悩んでいた。
慶太「先生、どうしたんですか」
神宮「慶太かちょっと悩んでてな」
慶太「次鋒ですか」神宮「さすが慶太だな。その通り。Bチームの次鋒が見つからなくてな、次鋒は大事なところだからな」
次鋒=二番目
仮に先鋒が負けたとしたら流れは敵に行く。次鋒が踏ん張って流れを戻さなければならない。今の立教支部に次鋒をはれるやつはいない。
慶太「そのこと何ですが・・・・・」
神宮「お前もそう思うか。オレもそう思っていた。慶太、もちろんお前はBチームの大将だからな。頼んだぞ」
慶太「はい。(今年のBチームはおもしろくなりそうだな)
神宮「これより団体戦のメンバーを発表する。」
みんな「ドキドキ」
神宮「まずはAチーム、先鋒、雅弘。次鋒、雪江。中堅、光。副将、力也、大将、茜」
慶太「(やはり、Aチームは予想通りだな)」
神宮「続いてBチーム、先鋒和人、次鋒、拓也、中堅智宏、副将、幸輔、大将、慶太」
拓也「え〜」
拓也はあまりの驚きに声を出してしまった。
雅弘「拓也、やったな」
和人「たくちゃん、すごいよ一年生で次鋒なんて」
拓也「でも、一年生で次鋒っていないんじゃない」
慶太「確かに、基本は二年〜三年生だけど、一年生は出てはだめというルールはない」
拓也「でも」
慶太「拓也、先生はお前を信じて任せたんだ、そしてオレもな。信頼には信頼でこたえるだろ」
拓也「(先輩)はい、頑張ります」
拓也達が話している間にCチームとDチームの発表が終わっていた。
神宮「今日の練習はここまで。選ばれた者は選ばれなかった者の分まで頑張るように。選ばれなかった者は悔しさを個人戦にぶつけてくれ。以上だ」
全員「ありがとうございました」
茜「慶太君、拓也君を先生に推薦したでしょ」
慶太「まあな。でも、先生も同じことを考えてたみたいだぜ。そこら辺のやつにやらせるよりは拓也に任せた方がいいと思ったんだ。」
茜「そっか。まあいいや。それより来週からは各チーム同士で試合だって」
慶太「らしいな」
茜「負けないよ慶太君」
慶太「オレだって負けない」
茜「じゃあね」
そのころ拓也は
拓也「どうしよう」
一人あたふたしている拓也だった。