第十話 デート後編
第十話デート後編
優は考えていた。
優「確かアスレチックマウンテンの頂上は左からの方が近道だった気がする。はやく頂上について心の準備をしとこう」
拓也「優ちゃん???」
いつもと違う優に拓也は気づき声をかけた
優「たぁーくんは右からで優は左からで競争ね。スタート」
そして優は走っていった。
拓也「優ちゃんってあんなに走るの早かったっけ何か今日はすごいやる気だなまぁ僕はゆったり行こ」そして、拓也も行った。
優はというとものすごい勢いで走った後、長い長〜いトンネルに苦戦していた
優「暗いのこわいよ近道は右だったかなくよくよしてても仕方ないいくぞぉ」
優は懸命にどんどん進んで行った。
優の推測どおり近道は右だった。優の方は上級者向けだった。
一方、拓也はというと
拓也「頂上は気持ちいいな」
拓也はすでに頂上についていた。
拓也の方は初心者用ということも会ったが拓也の家族は登山好きなのでかなり山を登っている
拓也も三歳の頃から山に登っており近いうちに富士山も登る予定だ。
だから拓也は
通称「薩摩富士」と呼ばれる開門岳を何回も登って鍛えてきた。
拓也にとってはアスレチックマウンテンに登ることなど難しいことではなかった。
拓也「上から眺める景色はきれいだなぁ」
拓也は頂上の景色を見ながら考えごとをしていた
拓也「そういえば僕ってさくらちゃんとまともに話したことなかったな。今度話してみようかな」
そう考えてた矢先景色を眺めていると
拓也「ああれはさくらちゃんだ」
なんという偶然桜も健康公園にきていた。
桜は一人でブランコにのっていた。
拓也「さくらちゃん一人で来たのかな」
拓也がそう思って見ていると桜の前に一人の男が現れた。歳は拓也達と同じくらいである。桜は満面の笑みで男をむかえている。
拓也「なんだろうこの気持ちはよくわからないけどあまりいい気分ではないな。それになんでさくらちゃんのあの笑顔を見たとき胸がドキドキしたんだろう」
この時拓也は思っていたこの笑顔が自分に向けられているものならどんなにいいものだろうかと。
拓也はずっと桜達を見ていた。そう
???「くん」 「ーくん」
「ぁーくん」
「たぁーくん」
「たぁーくんてば」
「た〜〜〜〜く〜〜〜〜や〜〜〜〜」
拓也「あ優ちゃん」
優「あ優ちゃんじゃないよさっきからずっーとぼっ〜としてさ。心配して何回も呼んでるのに反応しないし」
拓也「ごめんごめん。ちょっと考え事してたから」
そう拓也は周りの声も聞こえないほどに集中して桜達を見ていたのだった
その間に優が頂上についていたのだった。
優「考え事何かあったの」
拓也「何でもないよ。それよりこれからどうする」
優「とりあえずもう少しここでゆったりしてから昼ごはんを食べよう(たぁーくんがこの状態じゃなぁ)」
拓也「分かった」
そうして二人は景色を楽しんだ後アスレチックマウンテンを降り、芝生に敷物をしいて昼ごはんを食べていた。
拓也達はお互いの幼稚園での話しなどで盛り上がっていた
拓也はふと何かを思いだしたかなのように話しを変えた
拓也「そういえばさっき優ちゃんロープウェーで何かいいかけてなかった」
優「えーと、そのたぁーくんと話すの楽しいなぁーって」
すると拓也の表情が真面目になり
拓也「優ちゃん」
優「な、何(もしかして今ので気づいちゃた)」
拓也「トイレに行ってくる」
優「・・・・・・分かった」
この時優はカラスがアホーアホーと言っている気がした
優「(たぁーくんのバカ〜)」
心の中で思う優だった。
一方拓也はトイレに行くというのは口実で本当の目的は桜を探すことだった
拓也「なんでか分からないけどさくらちゃんのことがすごく気になる」
懸命に探す拓也だったがあきらめて帰ってきた
優「お帰りたぁーくん。フリスビーしない」
拓也「うん。いいよ。」
そうして二人はフリスビーを始めた。
優「えい」
ビュー
パシッ
拓也が捕る
優「ナイスキャッチ」
拓也「もう何回投げたかもわからないや。えあれってさくらちゃん」
ドカ
拓也の顔面に直撃した
拓也「痛い」
優「ごめん。たぁーくん。大丈夫」
拓也「うん。ごめん。ぼーっとしてた(まてよさくらちゃんの方に飛ばして拾いに行って話してみよう。話せばこの気持ち分かるかも)行くよ。」ビシュ
優「っとこんな高いの捕れないよ」
フリスビーは拓也の思惑通りに桜の方に
拓也「ねらいどおり」
のはずだったが
ククッ
拓也「そんな馬鹿な」
フリスビーは弧を描いて拓也のもとへと返ってきた
優「たぁーくんすごい」
拓也「ハハハ。あっちのベンチで少し休もう」
優「うん」
拓也は黙ってベンチに座っていた。
優は心配して拓也に話しかけたが反応をしない
優もとうとう我慢できずに拓也の頬にビンタした
拓也は何がおこったかわからかった
優「たぁーくんなんかもう知らない。たぁーくんなんて大嫌い」
そう言って優は走りだした
拓也はどうすればいいか分からなかったが冷静に考え
拓也「優ちゃんと遊びに来たのにさくらちゃんのことはがり考えてた優ちゃんが怒るのも無理はない探さなきゃ」
そうして拓也は優を探す
拓也「あれから何時間くらい探したらだろう。もうすぐ暗くなる。急がなきゃ」
拓也は懸命に優を探す
そして。やっと優を見つけた。優は大きな犬に追いかけられていた。
拓也は優の前に立ち犬を睨み付けた。
犬は逃げていった
優「たぁーくんありがとう」
拓也「優ちゃん、ごめん。僕、せっかく優ちゃんと遊びに来たのにつまらなくしちゃって」
優「ううん。優の方こそ叩いちゃてごめん。さっきのたぁーくんかっこよかったよ。たぁーくんのこと大嫌いって言っちゃたけど本当は優、たぁーくんのこと大好きだよ(言っちゃた)」
するとその時パアッと辺りが光りだした。
健康公園はよるのイルミネーションでも有名である。
優「(このタイミングでまるでよくやったって言ってるみたい)」
拓也「僕も優ちゃん好きだよ」
優「(やった)」
話しは最後まで聞くものである
拓也「だから、これからもいい友達でいようね」
優「うん。(今はこれでいいや。でもいつか)そうだたぁーくんこれ」
そう言って優はポケットから何か取り出した。
拓也「これって僕」
優から渡された物は空手着をきた人形だった
優「うん。そうだよ。」
拓也「黒帯なんだぁ」
優「うん。ずっとたぁーくんに持ってて欲しいから」
拓也「ありがとう。大事にする」
優「優のこと絶対に忘れないでね。」
拓也「当たり前だよ」
優「そろそろ帰ろうか」
優は携帯で優の母に電話して迎えにきてもらった。
一週間後
優は引っ越していった。
優「たぁーくん気づいてくれるかなあの人形の秘密」
あの人形には
小さく相合い傘でお互いの名前が書かれていた。