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未来日記  作者: 秋華(秋山 華道)
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15/22

駆け引き

次の日の朝のテレビは、更に大変な事になっていた。

まずは、これをテロと捕らえて、アメリカをはじめ、全世界が注目していた。

未来日記のあるホストがある国、南サファリ共和国へ、アクセスログデータを要求する国々が騒ぐ。

南サファリって国名だったのね。

日本以外では概ね騒ぎはそんな感じだ。

日本では、未来日記の内容に注目が集まっていた。

株価が全て予想どおりに、いや、予告どおりに動いている不思議、更には他の事柄でも全て的中している。

日付が全てずれているんじゃないかとも言われたが、前々からこのサイトを観覧している人が、証人としてテレビに出ていた。

魔女と言う言葉が書かれている事から、これが魔法だと騒ぐ番組もあった。

そして魔法を使い、金儲けをした後、ゲーム感覚で人を殺し始めたと考える人も多かった。

突拍子もない推測ではあるが、そうでも言わないと説明できない事が多いようだ。

警察も一応、この株価の推移にあわせた取引をしている人を割り出すために、各証券会社に協力を依頼していた。

それで見つかればいいけど、サファリ国のサーバを使っている人だ。

無駄だと思った。

 宗司「無駄?」

少し引っかかった。

俺も、この予告どおりに金を稼いで、そして今動き出したと思っていた。

でもそれを日本でやっていれば、ある程度個人を特定できる。

海外だとしても、かなりの国が、今回の事に注目してるんだ。

いずれ割り出されるのではないか?

だとすると、株取引はしていない?

もしくは、別の人に代わりにさせている?

もし、していなかったなら、カズオは元々、総理を殺害できるだけの権力や金を持っていた事になるのでは?

まあそれがわかったところで、俺には割り出せないだろう。

でも確信が持てれば、突破口に使えるかもしれない。

俺は一応記憶しておく事にした。

さて、今回の事件を、面白おかしくと言ったら語弊があるけど、それに近い放送をしているテレビ局へと、チャンネルを変えた。

この局だけは、未来日記と、俺が立ち上げた未来日記を取り上げていた。

俺の未来日記サイトは、新未来日記と呼んでいた。

未来日記には、昨日書いたのであろう日記が書かれている。

「未来日記?魔女の主人か?返事を望む。」

今日の日記はそれだけだった。

今日は未来への予告は無い。

俺に対しての質問だけ。

どうやら、俺のサイトを気にしてくれているようだ。

俺は、とりあえずPCを立ち上げて、未来日記に繋ぐ。

ココにはやはり書き込めない。

未来計画のシステムで、俺の身元は隠されてはいるけど、誰かのコンピュータから繋いでいるんだ。

間違ったら、その人に迷惑がかかる。

今更だけど、できるかぎりの事はしよう。

俺は自分のサイトに繋ぎなおした。

さて、どう返事すればいいか。

それともしないほうがいいか。

返事を希望したのは、コメントからIPアドレスを割り出す為。

こちらに書く分には、おそらくは大丈夫だろうが。

おっと、危ない。

今書いたら、時間から割り出される可能性がある。

アクセスログはとってるだろうからな。

俺はブラウザをとじた。


今日はまず、未来ちゃんに、カズオが何処の誰だか割り出す為に、必要な要項を調べて貰う。

あらゆる流れをシミュレートしていれば、何かあるはずだ。

俺達は善意のつもりの行動からだけど、これは悪意。

いずれ殺さなければならない人の身元を、調べているのだから。

だから簡単にはいかない。

おそらく向こうも同じように考えているんだろう。

それでもおそらく、向こうの方が簡単なはずだ。

何もかもが向こうが上だから。

こちらの利点は、三人いることだけ。

未来ちゃんの裁量では、カズオを割り出す術がみつからなかった。

とにかく無茶な要求をいくつもこなさないと、個人を特定する事も不可能らしい。

おそらく華ちゃんも無理だろう。

 宗司「じゃあ、俺もやってみる。」

心の中で、結果を創造する。

こちらの情報を一切漏らす事なく、更にはそれにつながる痕跡も残さない。

それでいて敵を知る術。

やはり無理だ。

こちらにも悪意がある以上、簡単では無い。

しかも俺はまだレベル2だ。

いろいろな状況を考える事は不可能。

俺は思う。

このままでは、絶対に俺達より先に、向こうが俺を見つけだす。

悪意がある事を、あれだけ実現してるんだから。

 宗司「あっ!」

 みかん「どうしたのさ?」

俺は気がついた。

これだけ難しい事。

株価の上下だけでも、それは難しいはずだ。

それを簡単にやっていた。

それはすでに、それだけの力を持っていたって事だ。

株の予告はフェイクだ。

あれで金を儲けているなんて、あり得ない。

すでに金は余る程の金持ち。

そして、株価操作できるだけの力を持ち、それを行った人物こそ、カズオだ。

 宗司「よし、今日も華ちゃんはレベルあげ、未来ちゃんは俺達の安全確保。これでよろしく。」

 みかん「宗司何かやるつもりなのさ。」

 華「危険な事は控えてよぉ~」

 ゆず「うん、焦りは禁物だよ。」

 宗司「ああ、俺もレベル上げだ。ただ、ネットに少し書こうと思ってね。警察に情報を流す。」

身元は、俺達が見つけるよりも、警察に任せた方が安全だ。

俺はパーツを探して、それを提供する。

まだ時間はあるはずだ。

この日俺は、一つの日記を行動し、夜に自分の未来日記に書き込みをした。

「未来日記管理者は、日本人であり、古くからの金持ちであり権力者である。株価上下の予告は、管理者の裁量で可能な範囲だ。」

これで、株価操作をした人が見つかれば、カズオにつながるかもしれない。

そしてもう一文。

「未来日記管理者は、昨日赤坂見附近辺にいた。」

結局のところ、この二文は、既に皆承知している事かもしれない。

しかし、政府には安心感を与えるだろう。

この文で、魔法の力が無くても、起こり得る事だったと思えるはずだ。

既に、俺は魔法だなんて思ってないけど。

あえて言うなら、無駄な努力と不安をかき消す魔法。

善意だと完全に魔法だと言えるけどね。

 宗司「疲れた・・・」

 みかん「気を張りつめ続けてるからなのだ。」

そういえば最近、最初にココで目覚めた時のような、爽やかな目覚めをしていない事に気がついた。

頭の傷はいつの間にか治っているけど、あの時の目覚めが恋しくなった。

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