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未来日記  作者: 秋華(秋山 華道)
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13/22

展開と行動

みかんとゆずのレベルが2に上がっていた。

ココまで来るのに一ヶ月を要した。

思っていたよりも早かったが、喜んでばかりもいられなかった。

俺達は今日、朝早くから河崎邸の俺の部屋に集まっていた。

昨日の日記でどうしても見過ごせない事が書いてあったから。

「日本国総理大臣、皆川昇氏の死。」

いよいよ、未来日記が本格的に動き出すのか。

皆川総理大臣なんて、俺は正直死んでもかまわないと思っている。

ここ二年総理を続けていて、なかなか人気の総理大臣だけど、冷静に見れば、結局何もしていない。

税金を上げない。

これだけの事で、国民は皆支持するんだ。

他にもまああるけど、日本の腐った部分に手を付ける事はない。

政治家全てとは言わないが、選挙で勝つ事と、金を儲ける事が最優先なのだ。

国を良くするなんて事を思っている政治家は、もう俺には見えない。

政治家なんて、俺は国民の使いっぱで良いと思っている。

ボランティアでも国を良くしたいと思う人の集まりであるべきだ。

まあ、俺一人が何か言っても、もうどうにもならない世の中だけど。

学生運動とか、大規模なデモなんか、本当はもっとあっても然るべきだと思う。

日本人は平和ボケしたもんだ。

 宗司「平和は、良いことなんだけどなぁ。」

 華「やっぱり平和がいいよねぇ~」

いろいろ政治家批判してみたが、平和である事で、きっと全てが許されているんだ。

平和は、何ものにも代え難い、大切な事だから。

ココだけは、俺も政治家に感謝しないといけないだろう。

 宗司「ところで、未来ちゃん、こんな朝早くから悪いね。」

俺は、朝一の電車でココまで来てくれた未来ちゃんにお礼を言う。

 未来「い、いえ、私は、みんなと、一緒の方が、良いですから。」

確かに、俺達三人のうち一人が、離れた所に住んでるのは、いろいろと面倒だ。

 華「じゃあ、ココに住んだらぁ~?」

・・・やけにあっさりだな。

金持ちとは実に心が大きい。

でも、俺は金持ちを否定してきた。

華ちゃんの両親も、俺が嫌いな金持ちなんだろうか?

この世は金持ちが金持ちになる世界だ。

資金があれば、いくらでも増やす事が可能。

もちろんリスクもあるけど、慎重にやればいけるだろう。

それなのに、金持ちは更に金を欲する。

会社の上層部は、最下層の人達が、どれだけ苦しんでいるかしらない。

もしくは、知っていても、助けるどころか更にその身を削る。

いやだいやだ。

そんな嫌な金持ちの傘の下、俺はノウノウと暮らしている。

やはり、この事にけりをつけたら、俺はココを出るべきだろうな。

 未来「う、うん。でも、いいの?」

 華「いいよぉ~。大歓迎だよぉ~」

 未来「じゃ、じゃあ、お願い、します。」

どうやら、未来ちゃんも、この河崎邸に住む事になったようだ。

自分が住む事は、今否定していたのに、未来ちゃんが住む事には、肯定の気持ちになっていた。

未来ちゃんの家は、あまり裕福ではない。

金持ちがそういった人の生活を助ける。

良い事じゃないか。

勝手な事を思う自分に、苦笑いがでた。

さて、俺は本題を話す事にした。

 宗司「今日集まって貰ったのは、もちろん未来日記の事だ。」

皆真剣に、息をのんで俺を見る。

 宗司「見過ごせない、事が、とうとう書かれた。今日、総理大臣を殺すそうだ。」

 みかん「総理大臣は、日本のボスなのさ。」

何故、日本の総理大臣を殺すのかはわからない。

もしかしたら、俺と同じように、政治に不満があるのかもしれない。

それでも、殺しはダメだ。

カズオが、日本人である事は既に予想できる。

ブログが日本語で書かれているから。

 華「怖い・・・」

 未来「う、うん。」

 ゆず「止めるのですか?」

・・・

どうするべきか。

 宗司「それを今から、話し合いたい。」

 すもも「危険やで。動いたら、うちらの存在がばれる可能性あるからな。」

そう、一度動いてしまっては、もう衝突は避けられないかもしれない。

しかし、人が一人殺されるのを、黙って見ていて良いのだろうか?

おかしいな。

少し前の俺だったら、明らかにこんな考えは無かったはずだ。

逆に、カズオを応援していたかもしれない。

考え方とは、ふとした事で、180度変わるもんなんだな。

 宗司「そこで、まず、未来ちゃんに、その未来を変える最良の未来を調べてほしいんだ。」

未来ちゃんの能力は、既にレベル3、カズオと同等の力を持っているんだ。

そしてそれ以外に、俺と華ちゃんもいる。

こっちの方が有利のはずだ。

 未来「ちょっと、まって、ください。」

未来ちゃんが目をとじて、頭の中で日記を編集してゆく。

ちなみにココ一ヶ月、善意と悪意の日記を、色々とシミュレートしてもらった。

それでわかった事は、善意なら全てを知らずとも、目的を達成する事が可能。

今回の場合はこうなる。

 未来「えっと、17時32分33秒に、赤坂見附駅前246の信号を渡る。これだけで良いみたいです。」

意味が分からなくても、それで達成する事ができる。

これがもし、殺す立場だったら、おそらく皆川総理の予定を把握するのはもちろん、他にもかなりの情報や力が必要だ。

未来ちゃんに、誰かを殺すシミュレートをしてもらっても、実際に実現できそうな事は全く無かったから。

それでも、知ってる俺を殺すシミュレートなら、難しいものの、不可能では無かった。

 宗司「なるほど。未来ちゃんがそこの信号を渡る事によって起こる何か、それによって向こうの計画が崩れるんだな。」

しかし、そんな事を未来ちゃん自ら行っては、かなり危険だ。

 宗司「じゃあ、次は華ちゃん、日記を想像してみて。」

今度は華ちゃんにシミュレートさせる。

おそらくはかなり難しい事になると思うけど、これと未来ちゃん、そして俺のをあわせれば、具体的に何が必要なのかわかるかもしれない。

 華「えっとぉ~、まず、私は赤坂見附に遊びにいくよぉ~。友達を連れてってなってる。で~、カラオケで4時間歌うんだってぇ~」

赤坂見附。

共通している。

 華「歌い終わった後、友達と別れて、渋谷に歩いて向かうんだってぇ~。で、楓屋で、予約していたCD買ってぇ~、あ~そうだぁ~私予約してたんだぁ~」

渋谷まで行ってしまうのか。

 華「後は家に帰って~、ニュースで、総理大臣が出てて、生きてる事を確認して、命が助かった事を知るみたいだよぉ~」

・・・

うむむ。

確か赤坂見附から渋谷まで、国道246号があるんだよな。

もしかしたらその途中で何かがあるのだろうか?

 宗司「じゃあ、俺もやってみる。」

俺がやった場合も、華ちゃんと概ね同じ感じだった。

俺の場合は、渋谷から赤坂見附の方へ、走っているだけ。

おそらくこの間で何かが起こるに違いない。

 みかん「どうするのさ?」

 宗司「ココは、俺だけで行く。」

三人一緒の行動は、おそらくまずいだろう。

それに今回のミッションは、さほど難しくはない。

なんせ、渋谷から赤坂見附まで走るだけだ。

 華「大丈夫かなぁ~?」

 未来「宗司さん、だけ、危険にあうかも・・・」

 宗司「だから、未来ちゃんと華ちゃんは、みんなが無事生き残るように、行動して欲しい。」

そう、たとえ俺が危険な状況になったとしても、二人が生き残れるよう未来日記を作れば、俺は助かるのだから。

 未来「とりあえず、無事に、帰って、来る事は、簡単に、できそうです。」

未来ちゃんがそう言うなら、おそらくは無事戻ってこれるだろう。

少し安心した。

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