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未来日記  作者: 秋華(秋山 華道)
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あんパンが食べたい

最近、同じタイトルのアニメが始まっていますが、全く関係がありませんw

書いたのは何年も前で、実は既に、下書きでは完結している話だったりします。

未来を書いて実現する日記ってネタと、魔女っ子ってネタの小説が書きたくなって、別々に書くのが面倒だったので一緒にした作品です。


つまらない。

毎日がつまらない。

楽しい事なんて何もない。

それなのに生きている事が、自分自身不思議だ。

死ねない理由は二つ。

一つは両親が悲しむから。

それが無ければ、はっきり言って死んでも良いと思ってる。

だけど、自分で死ぬのは怖い。

これが二つ目の理由だ。

だから俺は死ねないでいるわけだけど、正直生きているとも言えない。

何故なら俺は毎日、何もせずに過ごしているから。

世間ではニートと俺の事を言うらしい。

ニート?

格好いいじゃないか。

横文字だよ、横文字。

そんな格好いいニートから、俺は今日脱退する事を強要された。

「もうすぐ二十歳なんだから、自立しやがれこんちくしょう!」

なんて母親に言われてしまったのだ。

あんなに泣いている母親を見たのは初めてだったから、俺は動揺した。

そして言ってしまったんだ。

「おう!出ていってやるよこんな家!バーカ!」って。

そして俺は家を出て、今久しぶりに外というか表を歩いている訳だ。

まあ2年ほど前までは、一応毎日学校に通っていたわけだから、道は覚えているし、社会ルールもおそらくわかる。

これだけわかれば、たぶん2日くらいは意地をはれるだろう。

さて、今日の夜を過ごす公園でも探そうか。

って、それよりも腹が減ってきた。

家を飛び出して既に6時間、何も食ってねぇー!

もうダメだ。

とりあえずそこのベンチに座ろう。

ああ、俺はこのまま死ぬんだろうか。

歩けないし腹減るし、目の前には小さな魔法使いがいるし、間違いなく死ぬな。

俺は横になって目をとじる。

はぁ~眠い。

 誰か?「おーい!あんさん、私が見えるのかね?今目が合ったよね?」

なんだろう?

すぐ近くで女の子の声が聞こえる。

もしかして死神って、女の子なのかな?

てか俺、日頃の行いいいから、きっと天使だな。

うー眠。

 誰か?「だから、あんさん、私は死神でもなければ、天使でもないのだよ。起きてみてください。」

なんだ?

死神でも天使でも無い?

じゃあ一体なんだよ。

今日の朝飯残したから、もったいないお化けでも出たか?

 誰か?「だから目をあけて私をみてよ!こんな可愛いお化けがいるわけ無いデソ!」

全く五月蠅いなぁ~

ベンチで横になっている俺は、しかたなく目をあけた。

すると俺の顔のすぐ前に、ミニスカートの小さい女の子。

てかいかにも魔女。

まあこの角度で見てると、小さなスカートの中が丸見えなわけで。

うーむ。

 宗司「白だな。」

俺は色を指摘した。

まあやっぱり下着は白が一番だと思うのは、俺だけだろうか。

 魔女?「うわぁ~!何?何が白いのよ!」

魔女っぽい小さい女の子は、後ろの空中に飛び退いて、そのままの場所でスカートを押さえていた。

どう見ても、飛んでるよな。

俺は眠い目をこすりながら起きあがり、空中に停止している魔女っぽい女の子を見る。

 魔女?「な、なに?」

 宗司「小さい。」

 魔女?「えっ!?」

そうなんだ。

女の子だから小さいのはわかるけど、明らかに俺のキャパを越えて小さいのだけれど。

キャパを越えているのに小さいって、なんだか言葉としてはおかしい気がするけれど、この場合、俺の理解を超えていると考えて欲しい。

まあとにかく、普通の人間にはあるまじき小ささだ。

 宗司「ふむ。」

俺はその魔女っぽい女の子のサイズを、指を使って計ってみる。

 魔女?「変なところはさわらないでね。」

少し照れているらしい魔女っぽい女の子が、とても可愛いのですが、テイクアウトしてもよろしいでしょうか?

サイズは約5cm、ジャンガリアンハムスターくらいですかね?

わからない。

こんな小さな女の子の生き物なんて、俺のスーパーコンピュータには未登録だ。

これはいかん。

ちゃんと登録しないと。

 宗司「なあ、君はなんて生き物?」

人間語が通用するかどうかは、先ほど何となく話したところでわかっている。

つまり通用するはずだ。

 魔女?「んー宇宙人?」

ふむ。

そうか。

だから空も飛べるんだ。

納得納得。

 宗司「じゃあ、名前は?」

 魔女?「それで納得するんだ?別にいいけど。名前は・・・みかん。」

んー、美味しそうには見えないけど、本人がみかんだと言うんだから、きっとそうなのだろう。

つうことは、これは宇宙みかんって事だな。

これはきっと、神が俺に与えたもうた今日の食料。

感謝していただこう。

俺は空を飛ぶ宇宙みかんをつかんだ。

 みかん「痛いいたいよー!はなしてー!」

これを食べる?

なんとなく罪悪感があるんだけど、きっとこれは鶏を食べるのと同じだ。

 宗司「あーん!」

俺は宇宙みかんを口に入れた。

 みかん「なにしとんじゃわれー!!」

ボフッ!

口の中で宇宙みかんが爆発して、口から飛び出してきた。

 宗司「あれ?俺は一体何をしてたんだ?」

なんだか寝ぼけていたようなんだけど、目が覚めたぞ?

 みかん「あのー?」

 宗司「うわーー!!お前なんだ?!」

 みかん「だから、みかんだって言ってるよ。」

 宗司「いや、どう見てもみかんじゃ無いし。」

さっきのは夢ではないようだ。

 みかん「だから、私はあなたがたの言葉で言うと、UMAとか未確認生物とか、そんな感じなわけよ。わかる?」

 宗司「まあ、見たこと無いし、未確認生物と言われればそうだけど、問題は何故俺に話かけてるんだって事だよ。」

そうそう、話しかけてきたのは、その、みかんだ。

だからきっと、みかんは俺に用があるに違いない。

 みかん「んー、用って言うか、私が見えるんだよね?」

そらさっきからつかんだり食べたりしてるわけだから、もちろん見えるだろう。

俺は頷く。

 みかん「だから、私のご主人様は、あなたに決定したわけなのさ。」

 宗司「ふむ。俺がご主人様か。では、これからは俺に仕える、そう考えていいのか?」

なにやら怪しいにおいがしてきたぞ。

ふっふっふ!

 みかん「仕えるって言うか、監視?かな。」

・・・

それは却下だな。

 宗司「監視禁止。何故にみかんに見張られにゃならんのだ?」

監視されるいわれはない。

 みかん「そうそう、渡すの忘れてたね。これこれ。」

みかんはそう言いながら、一冊のノートをとりだした。

って、そんなでかい物を何処からだしたんだ?

 みかん「ところであなた、名前なんて言うの?」

 宗司「尾北宗司だけど?」

新撰組の彼と同じ読みだけど、漢字は全く違う。

 みかん「ふむふむ。尾北宗司ね・・・」

みかんはそう言いながら、ノートの後ろに名前を書いた。

漢字を言ってないのに、すぐに書ける奴なんて初めて見た。

 宗司「なんで漢字がわかった?」

 みかん「ご主人様の心は読めるからね。」

だったら、俺に名前を聞く必要がどこにあったんだろう。

みかんは俺にそのノートを渡してくる。

俺は受け取る。

 みかん「契約成立ね。」

 宗司「何が契約成立なんだ?ノートなんか買わんぞ!」

 みかん「違うよ。お金じゃなく、未来を貰うから。」

未来?

どういう事だ?

 宗司「意味がわからんぞ!わかりやすく申せ!」

 みかん「そのノートに書いた事は、現実になる。それを達成したら、私にエナジーが供給されるわけなのさ。」

うーむ。

よくわからんが、昔漫画で読んだウイングマンのドリムノートみたいなもんか?

 宗司「じゃあココに、隣の五月蠅いババァ死ぬって書いたら死ぬのか?」

 みかん「死ぬね。」

もしかして、デスノート?

いや、そんなもの貰っても、俺は神にもなれないし、エルにも勝てないぞ?

しかし、この魔女ッ子が嘘を言っている可能性もある。

 宗司「試してみていいか?」

一応聞いてみる。

笑顔で頷く。

うむ、魔女ッ子のくせして微妙に可愛いじゃねぇか。

俺は書くためにノートを開く。

・・・

ペンが無い事に気がついた。

ドリムノートなら、ドリムペンがあったような・・・

 宗司「おい!ペンは無いのか?」

聞いてみた。

 みかん「仕方ないなぁ。今日だけだぞ。」

みかんはそう言うと、何処からともなくペンを取り出す。

百円ショップで、五本セットで売っているボールペンだ。

まあ、こんな安っぽいノートにはお似合いのペンだな。

俺は、ページの最初に、「あんパンが食べたい」と書いた。

別に何も起こらない。

 宗司「何もおこらんぞ?」

俺はみかんを睨む。

 みかん「それは、日記だよ?食べたいって書いても、食べたくなるだけなのさ。」

ふむ、なるほど。

そう言えば、別に何でもいいから食べたいと思っていた食べ物が、あんパンでなくては納得いかない気持ちになっている。

これは意地でもあんパンを食べるぞ。

今度は、「俺はあんパンを食べる」と書いた。

何もおこらない。

 宗司「どういう事だ?何もおこらないぞ?」

俺はみかんをこづく。

 みかん「痛いよもう。えっと、そのノートは、1ページで一回になってて、最初に書いてもあまり意味がないのさ。」

 宗司「そういう事は最初に言え!」

俺は再びノートの真ん中に、「俺はあんパンを食べる」と書いた。

すると少しして、あんパンを食べると書いたところまで、文字が埋めてゆく。

 宗司「なっ!なんだ?」

 みかん「あんパンを食べるまでの行動が出てきたね。それをその通り行動する事で、あんパンを食べる事が実行可能になるのさ。」

ややこしいノートだ。

 みかん「まあ何かの希望を叶える為には、それ相応の苦労が必要って事。でもやれば確実に叶うから、無駄な努力はしなくてすむのだ。」

なんだか偉そうに話すな。

まあいい。

少し面白そうだ。

 宗司「何々?公園を出た俺は、商店街に向かって歩く。商店街入り口で、転けそうになる老人をかばい自分が転ける。

    その時、自動販売機の下の100円をみつけ拾う。そのままコンビニに入りあんパンを購入。俺はあんパンを食べる。」

微妙な感じだが、何か良いことをしろって事だろうか?

まあいい、俺はあんパンが食べたいのだ。

やるしかないだろう。

俺は公園を出て商店街を目指した。

後ろからみかんが飛んでついてきていたが、まあほうっておこう。

商店街が見えてきた。

さて、老人はどこだろう?

いないな。

まあいい。

どこかにきっと隠れてるんだろう。

俺はかまわず歩く。

すると商店街入り口のところの建物から、老人がでてきた。

そしてすぐ転けそうになる。

 宗司「あっ!危ない!」

俺のからだは勝手に反応していた。

・・・

老人は転ける事なく、そのままスタスタ歩いていった。

なんだ?助けるんじゃないのか?

 みかん「ちゃんと助かったよ。宗司がいなかったら、きっと転けてたのだ。」

ふーん、そうなんだ。

 宗司「おっ!100円落ちてる!ラッキー!!って、ノートに書いてあったとおりじゃん。」

俺は100円を拾って立ち上がった。

 みかん「後はコンビニに入って、あんパンを買うだけだね。」

なんだか、微妙なノートだけど、一応ノートに書いた事が本当になるんだな。

 宗司「ちなみに、この100円を警察に届けたらどうなるんだ?」

まあ、きっとあんパンは食べられないんだろうけど。

 みかん「日記どおりに行動出来なかった場合、基本的にはその後の事は無効だね。でも、先に望みを叶える場合もあるから、その場合はつらい事が強制されるよ。」

なるほど。

って事は、最初にあまり大きな事を書いてはいけないって事だな。

グー・・・お腹が鳴った。

やたらとあんパンが食べたくなってきた。

 宗司「くっ!あんパンが恋しくなってきた。」

俺はすぐ近くにあったコンビニに入った。

あんパンを探す。

あった。

俺はあんパンを一つつかんで、レジにもっていった。

あんパンと一緒に、さっき拾った100円を出す。

 レジの人「このままでよろしいですか?」

いちいち五月蠅い奴だ。

そんな事は聞かずに勝手にやってくれ。

 宗司「ああ、このままでよろしいですよ。」

ほら、日本語が変になってしまったじゃないか。

俺は今すぐ食いたいんだよ。

あんパンの袋にシールをはられ、そのまま差し出された。

なんだかあんパンが、超豪華料理に見えてくるんですが。

俺は大事にあんパンを手に取ると、コンビニを出た。

外では魔女ッ子みかんが空中で待っていた。

 みかん「後は食べるだけなのさ。」

・・・

 宗司「やらんぞ!」

 みかん「ふ、ふん!いらないモン。」

俺は袋を開けて、あんパンにかじりついた。

 宗司「う、う、うんめぇ~!ホントはみかんも食いたいんだろ?」

 みかん「うー・・・」

なんだこの美味さは。

味を説明したら、パンとゴマとあんこの味なんだけど、メチャメチャ美味しい。

もしかして、これがいつも我が母君が言っているあれなのだろうか?

「自分で稼いだお金で飯食べやがれ!」って、いつも言ってるもんな。

この感動を俺に知ってもらう為に、あんな憎まれ口を・・・

ありがとう、母さん。

 みかん「あのぉ~。感動中悪いんですけど~、私にも少しくれませんか?」

みかんがあんパンを食いたいと?

さっきいらないとか言っていたような気もするが、今俺は母の愛に感動している。

苦しゅうないぞ。

それに上目遣いのみかんが、微妙に可愛いから、俺はあんパンを目の前の魔女ッ子につきだした。

 宗司「ほら、食えよ。」

 みかん「わーい!」

みかんは子供のようにあんパンにかぶりつく。

まあ、子供だから子供のようで当然なんだけどな。

顔にいっぱいあんこをつけて食べる姿が可愛い。

うむうむ、なんだか泣けてきた。

ん?なんだ?

俺はふと周りを見た。

 通りすがりのおばちゃん「さっきからあんパンに話かけてるのよ。」

 立ち止まるおばちゃん「可哀相に。まだ若いのに。」

 犬「く~ん・・・」

なんだ?どうした?

俺があんパンに話しかけてる?

 通りすがらなかったおばちゃん「それにさっき、みかんも食べたいって。」

 立ち止まりまくるおばちゃん「そうとう悲しい食生活なのね。」

 犬「く~ん・・・」

もしかして、この魔女ッ子が見えない?

あら、そう言えばさっき公園で、私が見えるからご主人様とかなんとか言ってたような。

俺は、あんパンを食べるみかんに顔を近づける。

 宗司「おい、お前って、他の人からは見えないんだっけ?」

俺はできるだけ小さな声で聞いた。

 みかん「う、うん。じぇんじぇん見えないよ。全く見えないよ。しかも触る事も感じる事も無いよ。」

てことは、こいつと人前で喋ると、俺は危ない人になってしまうって事か?

 通り過ぎようとしていたけど、止まったおばちゃん「あら、今度はあんパンにささやいてるよ。」

 座り込むおばちゃん「愛の告白の練習でもしてるのかしら?」

 犬「く~ん・・・」

てか、犬の鳴き声は、何か意味があるのか?

とにかくこのままではやばい。

戦線離脱だ。

 宗司「うおーーーーー!!!!」

 みかん「きゃあぁ!急にどうしたのさ!」

俺は風になった。

とにかく商店街から離れた。

戻ってきてた、公園に。

 宗司「ふぅ~!」

俺はさっき座っていたベンチに再び座る。

 みかん「つか、どうしたのさ?急に走り出して。」

んー・・・どうしたんだろう?

 宗司「俺とお前が話してるところを、他の人が見たら、どう思うと思う?」

さっきのおばちゃん達は、独り言を喋る変な青年とでも思っていたように見えたが。

 みかん「んー。嫌らしい目で、可愛い女の子をくどくおっさん?」

そんな風に見られるのか?

それはひどい。

 宗司「でも、お前の事、他の人は見えないんだよな。」

 みかん「だね。」

良かった~

最悪の結論だけは免れた。

 宗司「じゃあ、あんパンに話しかける可哀相な人に見えるって事か?」

 みかん「あー!あんパンもっとちょうだい!」

俺は手に持ったままの、半分くらいになってるあんパンを差し出した。

みかんは再び美味しそうに食べ始めた。

ふむ。

なんかどうでも良くなってきた。

とりあえず、こいつと話す時は、誰かの視線を気にする事にしよう。

俺は残りのあんパンを、みかんと一緒に食べた。

なんで俺、こんな不思議な奴と普通に馴染んでるんだ?なんて思いもしたが、まあ可愛いしいいか。

結局夜10時には家に帰った。

両親には軽く嫌みを言われたが、今日は機嫌が良かったから、別になんとも思わなかった。

むしろニヤニヤしている俺を見て、両親が不快な気持ちになったようで、嫌みも軽かった。

日付が変わる頃、みかんと一緒に布団に入って寝た。

もちろん抱きしめて。

 みかん「んなわけあるかぁ!!適当に机の上にポイッとかしやがって、怒畜生だよ!」

勝手に俺の心の日記、読まないでくれる?

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