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サチコとマリコの時事ネタ漫才  作者: 藍埜佑


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第180話「どうやったら戦争はなくなるねん!~ガザもウクライナもイランも、2400年前のギリシャ人と縄文のおじさんが知ってた答え~」

マリコ:(両手を広げて、神父か坊主のような大仰なポーズで登場)めでたし、めでたし……いや、全然めでたくない!!


サチコ:何がやねん。そのポーズはなんや、バチカン市国か。


マリコ:サチコ、私な、毎朝目が覚めたら世界のどこかで戦争してるんや。もうお腹いっぱいや!スマホ見るたびに火ぃついてるんや!


サチコ:まあ、それは否定できへんな。今この瞬間も、イラン、ガザ、ウクライナ、アフリカ……世界中で人が死んでる。


マリコ:せやねん!ガザではパレスチナの人が6万7000人以上亡くなって、イスラエルとアメリカがイランを空爆して、ウクライナではもう4年も戦争続いて、スーダンやコンゴでは誰も注目せえへんのに何十万人が死んでる!


サチコ:おっ、マリコ。ちゃんとニュース見てるやないか。


マリコ:見てる見てる!もうサチコ、私な、舞台出る前にデカい声で叫んできてん!「どうやったら戦争なくなるねーん!」って!


サチコ:住宅街で叫んできたんか。通報されるで。


マリコ:ご近所さんが窓から「知らんがな!」って怒鳴ってきたわ。


サチコ:当然や。でも、「どうやったら戦争はなくなるか」は、人類が何千年も問い続けてきた最大の問いやねん。今日はそれを一緒に考えたいと思うわ。


マリコ:よっしゃ!じゃあ早速、私の結論を言うわ。「みんながコーンスープを飲めば戦争はなくなる」!


サチコ:なんでやねん!なんでコーンスープが出てくるんや!


マリコ:だって、温かいコーンスープ飲んでる時って穏やかな気持ちになるやん。プーチンもネタニヤフもコーンスープ飲んだら「まあ、ちょっと落ち着いて話し合おか」ってなるんちゃう?


サチコ:ならへんわ!核ミサイルとコーンスープは関係ない!


マリコ:じゃあ、たこ焼きは?


サチコ:食べ物で解決しようとすな!まず基本的なところから整理しよ。そもそも、人はなんで戦争するんやと思う?


マリコ:うーん……「私の方が正しいから」ちゃうか?


サチコ:それも大きな理由やけど、2400年前にギリシャのトゥキュディデスっていうおじさんが、もう答えを出してんねん。


マリコ:2400年前!?ソクラテスとかプラトンとかそのへんの時代か。みんなトーガ着てブドウ食べてた人らや。


サチコ:そう、そのへんな。そのおじさんが「戦争の理由は三つだ」って言うたんや。「恐怖」「名誉」「利益」。この三つが重なった時に戦争が起きる。


マリコ:「恐怖・名誉・利益」。なんかファンタジーのラスボスでもいけそうな名前やな。「お前たちはこの三幹部を倒さないと私には勝てない!」みたいな。


サチコ:(笑いを堪えながら)まあ、ラスボスやと思ったら分かりやすいかもな。


マリコ:じゃあ今の戦争で当てはめてみよ。ロシアのウクライナ侵攻は?


サチコ:「恐怖」がNATOの東方拡大、「名誉」がロシア帝国の復活、「利益」がウクライナの資源や港湾や農地。三つ全部揃っとる。


マリコ:コンプリートやん。ガチャで言うたらSSRのラスボスが引けた状態や。


サチコ:ガチャで例えんな戦争を。イスラエルのガザ侵攻もそうや。「恐怖」がハマスのテロへの恐れ、「名誉」がイスラエルの建国以来の安全保障の正当性、「利益」がガザの地下資源の話もある。


マリコ:ガザか。2023年の10月7日にハマスが音楽フェスを襲撃して1195人殺して、それへの報復でイスラエルがガザを攻撃して……もう6万7000人以上が亡くなったって。


サチコ:死者の多くが民間人や。病院は燃料と薬を断たれて、5世帯に1世帯は毎日1食しか食べられてへん。


マリコ:…………ほんまに、言葉が出えへんな。


サチコ:そして今年2月、アメリカとイスラエルはイランを空爆した。「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」とか「ロアリング・ライオン(咆哮する獅子)」とかいう、映画みたいな作戦名つけて。


マリコ:なんかゲームの必殺技みたいな名前やな。「くらえ!壮絶な怒りスペシャル!」みたいな。でもこれ、現実の爆弾で現実の人が死んでるんやろ。


サチコ:そうや。イランの各地が攻撃された。今もイランがどう反撃するか、中東が固唾を飲んでる状況や。


マリコ:で、ウクライナは?


サチコ:2022年2月からロシアが侵攻して、もう4年以上や。トランプさんが停戦の仲介に動いてるけど、ロシアは占領した土地の承認を要求して、ウクライナは主権と安全の保証を要求して、なかなか前に進まへん。


マリコ:それぞれの言い分があって、どっちも正義やと思ってるんやな。


サチコ:まさにそれが戦争の怖いところで、「自分たちの暴力は防衛や正義、相手の暴力は侵略や蛮行」って、どっちの側も同じように主張する。


マリコ:裁判で双方が「私が正しい!」って言い合ってる状態が、ずっと続いてるんか。


サチコ:しかもな、その裁判長がおらへんのが問題やねん。国内では警察も裁判所もあるやろ?でも国家と国家の間には、究極的に「強制的にやめさせる力」を持つ存在がおらへん。国連の安全保障理事会も、中国かロシアがおれば拒否権で止まってまう。機能不全やねん。


マリコ:常任理事国が「嫌や!」って言ったらチャラになるんやろ。なんそれ、ジャンケンで「やり直し!」て言い続けるいじわるな子どもやんか。


サチコ:まさにそれや。そこで17世紀のカントさんっていう哲学者が言ったんが「永遠平和のために」って考え方や。


マリコ:「永遠平和のために」!甘いな~。まるでチョコレートの名前みたいやな。明治かロッテか、どっかのメーカーが出しそうやん。


サチコ:出さへんて!カントは「民主主義の国同士は戦争しない」「国際的な法と組織があれば平和が作れる」って言うたんや。実際、ヨーロッパでは何百年も戦争ばかりしてた国が、今はEUを作って共通通貨まで使ってるやろ。


マリコ:フランスとドイツがかつては何度も殺し合いして、今は「一緒にパンとチーズを食べよ」ってなってんのか。確かにすごいな。


サチコ:「相互依存」って言ってな。「あなたが滅んだら私も困る」っていう関係を作ることで、戦争の動機が薄れるんや。


マリコ:でも今、その相互依存がガタガタやんな。アメリカが関税かけて「我々だけが豊かになる」って言い出して、中国は台湾狙ってて、ロシアは暴れ回って。


サチコ:そうやねん。「グローバル化が平和を作る」っていう楽観論が揺らいでる時代や。


マリコ:ほな、アフリカはどうなってるん?なんか報道が少なすぎて、私あんまりよく知らんのやけど。


サチコ:これも深刻やで。スーダンでは2023年から国軍と準軍事組織が内戦してて、死者が数万人、難民が1000万人近い。コンゴ民主共和国では東部でM23っていう反政府武装勢力との戦いが続いてる。


マリコ:コンゴって、あの鉱物資源がめちゃくちゃ豊かな国やんか。スマホのバッテリーとかに使うコバルトがいっぱい採れるんやろ。


サチコ:おっ、よく知ってるな。その「豊かすぎる資源」が呪いになってんねん。「奪う価値のある富」があるから、武装集団が群がって、外国も介入して、戦争が終わらへん。


マリコ:うわぁ、「マルクスの帝国主義論」やん。資本主義が資源を求めて外に出ていった結果が戦争や、ってやつやろ。私マルクスは読んでへんけどなんか聞いたことある。


サチコ:(本当に驚いて)マリコ、お前今日どうした。なんか知識量が増えてるで。


マリコ:この前、スーパーのポイントカードをもらおうとして並んでる間に、隣のおじさんがブツブツ説明してくれてん。「マルクスによってな……」って。


サチコ:謎の情報ルートや!でもその通りで、アメリカも「コンゴの鉱物資源をよこせばコンゴ東部を安定させてやる」って取引したって報道もある。


マリコ:鉱物と平和のバーター取引か。「平和の値段」がコバルト何トンか、って話やな。


サチコ:しかも、トランプ政権はUSAIDっていうアメリカの国際援助機関を解体して、アフリカへの人道支援をバッサリ切ったんや。


マリコ:えっ、援助切ったら、苦しんでる人がもっと苦しむやんか。


サチコ:「金にならない支出は無駄や」っていうトランプ流の計算や。でもその結果、現地の紛争がさらに悪化する懸念がある。


マリコ:「利益にならないことはやらない」。それがトゥキュディデスの「利益」やな。でも、人道支援を「利益」で考えたらあかんと思うんやけど。


サチコ:そこやねん。「全部を損得で計算する政治」と「人の命と尊厳は価格がつかへん」という考え方が、今まさにぶつかってる。


マリコ:(しんみりして)なんかさ、サチコ、考えたら考えるほど絶望的やな。2400年前から「恐怖・名誉・利益」で戦争してて、賢い哲学者がいっぱい解決策考えて、それでもまだ戦争してるんやろ。


サチコ:そこで、ちょっと視点を変えてみよ。実は、人類には1万年以上にわたってほとんど戦争をしなかった時代と場所があるんや。


マリコ:えっ!?どこそこ!?北欧とか!?みんなが「ヒュッゲ」してた時代か!?


サチコ:ヒュッゲはデンマークの概念やし北欧は普通にバイキングが暴れてたわ。日本やで。縄文時代や。


マリコ:縄文!土器とドングリの時代か!


サチコ:学術的な研究によると、縄文時代を通じて暴力による死亡率はわずか1.82%やった。同時代の世界の他の地域では、暴力による死亡率が12%から14%あったのに。


マリコ:12%と1.82%って、全然違うやんか!「縄文、平和すぎてヒマやった」ってことか。


サチコ:しかも、縄文の初期から中期、約5000年以上にわたって、暴力の痕跡がある人骨は一体も発見されてへんのや。


マリコ:5000年!日本列島の人らが5000年も戦争なしで生きてたんか!ヤバすぎるやん!今の世界が5000日と持たへんのに!


サチコ:ほんまにヤバいな。研究者たちが「なんで縄文は平和やったんか」を分析してんねんけど、理由が面白いんや。


マリコ:教えて教えて!やっぱコーンスープやった?


サチコ:コーンスープちゃうわ!一番の理由が「蓄積できる富がなかった」こと。狩猟採集やから、獲物を獲って今日みんなで食べる。余りが出ても保存できへん。だから「奪う価値のある富」がそもそも存在せえへんかってん。


マリコ:なるほど!「奪っても意味ないから戦争する理由がない」か!コンゴのコバルトと真逆やな。


サチコ:二つ目の理由が「戦争を命令できる偉い人がいなかった」こと。縄文社会は比較的平等で、「俺の言うことを聞いて隣の村を攻めろ!」って命令できる王様がおらへんかった。


マリコ:上司がいないから、誰も「残業して戦争せえ」って言えへんのか。


サチコ:「戦争という残業命令を出せる権力構造がなかった」と言ってくれ。三つ目が地理的条件。海に囲まれた島国やから、外からゴリゴリ攻め込んでくる勢力がなかった。


マリコ:確かに、ユーラシア大陸やと「遊牧民がワーッと来た!」ってなるもんな。海があって助かったんや。


サチコ:四つ目が、広域の交易ネットワーク。黒曜石とか翡翠とか、遠くの土地のものを交換し合ってた。交易してる相手は「敵」にはなりにくいやろ。


マリコ:「ウチの黒曜石とあなたの翡翠を交換しましょ」って仲やったら、攻めにくいよな。


サチコ:そうやねん。現代のEUの原型みたいなもんが、縄文時代の日本列島にあったんや。


マリコ:縄文人、天才やん!土器とドングリだけやと思ってたのに、EUの精神を持ってたんか!


サチコ:でも、これをそのままユートピアとして理想化したらあかんで。縄文時代の平均寿命は10代前半で、30歳まで生きられた人は2割程度やったって研究もある。


マリコ:えっ、ほな20歳になる前に死んでる人が大半か。平和やけど命が短すぎる。


サチコ:「戦争で死ぬ前に病気や出産や栄養不足で死んでしまう」とも言えるな。じゃあ縄文から学べることと、現代に必要なこと、両方まとめて言うてみ。


マリコ:えっ、私が?


サチコ:せや。これまでの話を聞いてきたマリコが、自分の言葉で言うてみ。


マリコ:……ええっと。まず「奪い合う構造をなくすこと」かな。資源の独り占めをなくして、エネルギーや食料を多くの国が公平に使える仕組みを作る。コンゴのコバルトが呪いにならんようにするには、採掘の利益を現地の人に公平に配分することやろな。


サチコ:おお、ええやんか。続けてみぃ。


マリコ:次に「命令できる権力を暴走させない仕組み」。三権分立とか文民統制とか、誰かが「開戦ボタンを押す」前に「ちょっと待ちや!」ってツッコめる制度や。


サチコ:その通りや。アメリカ最高裁がトランプの関税に「アカンで!」って言ったのと同じ発想が、軍事にも必要や。


マリコ:そして「相手を取引相手として見ること」。縄文人がやってた黒曜石と翡翠の交換。「あの国がなくなったら私の経済も回らへん」って関係になれば、攻める動機が薄まる。EUがそれや。


サチコ:ここまでは教科書通りの答えやな。でも、今日一番難しい問いを聞くで。それが全部分かってて、2400年前から賢い人たちが提案し続けてきた。なのに、今もガザで子どもが死んでて、ウクライナで砲弾が飛んで、スーダンで難民が出てる。なんでやと思う?


マリコ:…………。


サチコ:難しいやろ。


マリコ:……一個思ったんやけど。トゥキュディデスの「恐怖・名誉・利益」のうち、「名誉」ってのが一番ズルいと思うねん。


サチコ:どういうこと?


マリコ:「恐怖」と「利益」は、話し合いでなんとかなる場合がある。「お前が怖いなら安全保障の約束をしよ」「利益が欲しいなら金で解決しよ」って言えるやんか。でも「名誉」って言い出したら、交渉できへん。「我々の民族の誇りが!」「神が与えた土地が!」「歴史が!」ってなったら、物理的な解決策がない。


サチコ:マリコ……それ、めちゃくちゃ鋭い指摘やで。ハンナ・アーレントっていう哲学者が「人間の危険性は怪物的な悪意じゃなく、思考停止から生まれる」って言ったんやけど。「名誉」とか「物語」の中に取り込まれて、思考をやめた時に一番残酷になれるのが人間なんかもしれん。


マリコ:「俺は正義のために戦ってる」って思った瞬間に、ブレーキが外れるんやな。自分の側の暴力は「防衛」で、相手の暴力は「侵略」で。


サチコ:それが双方で同時に成立するのが戦争の恐ろしさや。


マリコ:ガザでもそうやな。イスラエルの人からしたら「テロリストへの自衛」で、パレスチナの人からしたら「占領に対する抵抗」で。どっちも「俺が正義」と思ってる。


サチコ:そうや。そして、その「物語の乗り換え」が唯一の希望でもある。ハンナ・アーレントはまた、「人間には思考する能力がある、だからこそ暴力の連鎖を止められる」とも言った。


マリコ:つまり「立ち止まって考えること」か。


サチコ:そうや。「相手も同じように恐れを持ち、子どもがいて、ご飯を食べたくて、普通に生きたいだけかもしれへん」って想像すること。ピンカーっていう学者が言ったんやけど、「共感の拡大」が長期的に人類の暴力を減らしてきた最大の要因やって。


マリコ:ペンギンの子育てのドキュメンタリー見て泣いた、みたいな感覚が、人間同士にも向けられるかどうかやな。


サチコ:うまいこと言うな。文学、映画、音楽、そして漫才みたいな、人の感情に直接触れるものが「共感の拡大装置」として働くんや。


マリコ:……私ら、漫才で戦争止められるんかな。


サチコ:(少し間を置いて)止められへんかもしれん。でも、「止めようとすること」はできる。


マリコ:ここで話をまとめてもええか?


サチコ:ええで。


マリコ:「戦争はなくせるか」って問いに、「すぐには無理」って答えが正直なところやと思う。でも「なくなるわけない、人間の本性やから」っていう諦めとは違う。縄文人が1万年でそれに近いことをやったんやから、条件が揃えば人間は平和に生きられる。


サチコ:その通りや。


マリコ:「奪い合う構造を減らすこと」「権力が暴走できない仕組みを守ること」「相互依存のネットワークを大切にすること」「そして、相手も同じ人間やって想像する共感を失わないこと」。この4つが揃ったとき、戦争は起きにくくなる。


サチコ:それは2400年前にトゥキュディデスが整理して、カントが設計図を描いて、縄文人が実践して、今も世界中の平和研究者たちが積み上げてきた知恵の結論や。


マリコ:難しいけど「到達点」やなくて「終わらない営み」なんやな。人類が「やめろ」と言い続けることに意味がある、って。


サチコ:おっ、マリコ。今日一番かっこいいこと言うたな。


マリコ:せやろ?たまに覚醒するねん。で、ここで私からの最終提案なんやけど。


サチコ:なんや。


マリコ:世界の首脳を全員、大阪のたこ焼き屋に集めるんや。カウンターで隣に座って、アツアツのたこ焼き食べながら「ほんで、ほんで?」って話したら、なんか上手くいく気がする。


サチコ:さっきのかっこいい話、みずから全部台無しにしたな。


マリコ:だって熱いたこ焼き食べてる時って、喧嘩できへんやんか。口の中がアツくて「アツっ!アツっ!」ってしか言えへんもん。


サチコ:「アツっ!アツっ!」で外交するな!でも、まあ……一緒にメシ食うことが平和の第一歩っていうのは、あながち間違いでもないかもしれへんな。


マリコ:せやろ。縄文人かって黒曜石交換して、一緒にドングリ食べてたんやろ。今なら「とりあえずたこ焼き食べよ」でええやんか。


サチコ:外交をたこ焼きで語るな。でもな、マリコ。今日の話で一番大事やと思うことを最後に言うてええか。


マリコ:ええで。


サチコ:「どうやったら戦争はなくなるか」って聞くこと自体が、すでに平和への一歩やと思う。問い続けることをやめた瞬間に、暴力に慣れて、思考が止まる。


マリコ:「これが当たり前や」って受け入れた瞬間に負けなんやな。


サチコ:ガザで子どもが亡くなっても、スーダンで人が難民になっても、「遠い国の話や」で終わらせず、「なんでや」「どうしたらよかったんや」って問い続けること。その積み重ねが、2400年後の縄文みたいな世界を作るかもしれへん。


マリコ:……サチコ、私、今日のこの話、舞台降りてからも考え続けるわ。


サチコ:それで十分や。


マリコ:よっしゃ!じゃあ私は今日から、世界の首脳にたこ焼きを郵送する活動を始めるわ!「これ食べて落ち着いてください」って手紙つけて!


サチコ:外交郵便でたこ焼き送んな!爆発物と間違われてテロ扱いされるわ!っていうか着く頃には腐ってるわ!


マリコ:「タコの力で世界平和を!」!


サチコ:スローガンの意味がわからんわ!


マリコ:でもな、私がたこ焼きを焼いて、世界のどこかの偉い人が、そのたこ焼きを食べる夢を見て、「そういえばあの国にもお腹を空かせた子どもがいたな」って思い出したら、それが共感の始まりかもしれへんやん。


サチコ:……いや、それはないと思うけど。でもその「あったらええな」っていう想像を持ち続けることが、たぶん人間に唯一できることやな。


マリコ:縄文人も毎日ドングリ拾いながら、「明日も隣の村と仲良くしよ」って思ってたんやろな。


サチコ:きっとそうや。


マリコ:よっしゃ!じゃあ私は今から縄文人になるわ!(土器を抱えるパントマイム)ドングリ拾って黒曜石交換して、戦争せえへんで!


サチコ:現代で縄文人になろうとすんな!スーパーで普通に買い物せえ!


マリコ:戦争をなくすために私たちができること、それは「問い続けること」「想像すること」「笑い続けること」!三本の矢や!


サチコ:「笑い続けること」を三本目に持ってくるのが漫才師らしいな。


マリコ:漫才師やから当然やろ!世界がどれだけ燃えても、アホなこと言うて笑える時間がある限り、人間はまだやれるで!


サチコ:ほんまにそうやな。


マリコ:ということで!次回は「たこ焼きで解決する世界の紛争10選」をお届けします!


サチコ:そんな漫才するか!もうええわ!


マリコ・サチコ:どうもありがとうございましたー!


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