第174話「傷ついた龍は火を噴くか?~全人代2026が描く『ロボット大陸』と消えた将軍たちの謎~」
マリコ「どうもー!サチコ・マリコでーす!」
サチコ「よろしくお願いしますー」
マリコ「サチコ、私な、最近『引き算の美学』に目覚めてん」
サチコ「...はあ? また急やな。何の影響や」
マリコ「いや、世の中なんでも『もっともっと』って増やせばええもんちゃうやろ。時には減らすことも勇気やと思うねん。だから私、今月の目標を『現状維持』にしてん」
サチコ「あんたの『現状維持』はただのサボりやろ! でもな、奇遇やな。中国も今、まさにその『引き算』というか、ギアチェンジに苦しんでる最中や」
マリコ「えっ、中国が? あの『イケイケドンドン』の中国が?」
サチコ「そうや。3月5日に開幕した全人代、つまり中国の国会でな、今年の経済成長率の目標が発表されたんやけど、これが『4.5パーセントから5.0パーセント』やったんや」
マリコ「4.5パーセント...。え、それって低いの? 日本の金利に比べたら夢みたいな数字やけど」
サチコ「日本と比べたらあかん。中国にとっては、これは1991年以来、最も低い水準の目標やねん。今まで『5パーセント前後!』って強気やったのが、ちょっと弱気になったんや」
マリコ「あらま。龍がちょっと風邪引いたん?」
サチコ「風邪どころやない。不動産バブルが弾けて、地方政府は借金まみれ、若者は仕事がない。内憂外患や。だから『無理して数字を作るのはやめよう』『量より質や』って言い出したんや」
マリコ「量より質! ええ言葉やん。私も『漫才の数は減らすけど質は上げる』って事務所に言おうかな」
サチコ「あんたは数を減らしたら単純に存在消えんで! で、中国が言う『質』っていうのが何かわかるか?」
マリコ「うーん...。中華料理の具材を豪華にするとか?」
サチコ「ちゃうわ! 『新質生産力』っていう新しいスローガンや」
マリコ「新質生産力...? なんか舌噛みそうな名前やな。早口言葉か?」
サチコ「簡単に言うたら、ハイテクや。AI、ロボット、EV、宇宙。今までみたいにビル建てて道路作って稼ぐんやなくて、最先端技術で稼ぐ国になるんや!っていう宣言や」
マリコ「なるほど! 土建屋からIT社長にジョブチェンジするわけか」
サチコ「まあそういうことや。特に注目されてるんが『ロボット』や。中国は今、猛烈な勢いで『人間をロボットに置き換える』計画を進めてる」
マリコ「ええっ!? 人間クビにしてロボット雇うん?」
サチコ「そうせざるを得ぇへんねん。中国はもう人口が減り始めてる。2025年も300万人くらい減った。労働力が足りなくなるから、工場も介護も全部ロボットに任せる『フィジカルAI国家』を目指してるんや」
マリコ「フィジカルAI...。なんか強そうやな。そのうち全人代の出席者も半分くらいロボットになったりして」
サチコ「『賛成のロボットは挙手を』『ウィーン、ガシャン』ってか。笑い事やないで。世界の産業用ロボットの2台に1台はもう中国で動いてるんやから」
マリコ「マジか! 世界一のロボット大国か...。でもサチコ、経済がしんどいんやったら、節約せなあかんのちゃうの?」
サチコ「そこが今回の全人代の一番怖いとこやねん」
マリコ「怖い?」
サチコ「経済成長の目標は下げたのに、軍事費は7.2パーセントも増やしたんや」
マリコ「えっ!? 稼ぎは減りそうなのに、武器代は増やすん?」
サチコ「そうや。日本円で約43兆円や。日本の防衛費の数倍やで」
マリコ「43兆円! お父さんが『給料下がったから晩御飯のおかず減らすな』って言いながら、隠れて高級な日本刀買ってるようなもんやん!」
サチコ「...まあ、そのたとえは家庭内暴力の予感しかせえへんけど、当たらずとも遠からずやな。経済が悪くなっても、軍事力だけは絶対に落とさへんという意志表示やな」
マリコ「なんでそんなに武器がいるん? 誰と喧嘩する気なん?」
サチコ「メインは台湾、そしてその後ろにいるアメリカや。習近平さんは軍に対して『戦争の準備をせよ』ってハッパをかけてる」
マリコ「戦争の準備...。嫌な響きやなぁ」
サチコ「でもな、マリコ。ここでミステリーが起きとるんや」
マリコ「ミステリー? 名探偵サチコの出番か?」
サチコ「今回の全人代の直前に、軍のトップクラスが大量に消えたんや」
マリコ「消えた!? 神隠し?」
サチコ「ちゃう。粛清や。特に『ロケット軍』っていう、核ミサイルを扱う一番大事な部隊の司令官たちが、次々と捕まった」
マリコ「えーっ! 一番大事な人らが? なんで?」
サチコ「汚職や。噂によると、ミサイルの燃料タンクに燃料じゃなくて水が入ってたとか、ミサイルの格納庫の蓋が動かなかったとか」
マリコ「水!? ミサイルに水!? 水鉄砲か!」
サチコ「笑い話みたいやけど、深刻な話やで。予算を中抜きして、使い物にならんミサイルを作ってた疑惑がある」
マリコ「それ、撃とうとしたら『ポチョン』ってなるやつやん! コントやん! うちらの漫才よりおもろいやん!」
サチコ「せやから習近平さんは激怒して、自分が引き上げた側近たちを片っ端からクビにしたんや。これを専門家は『習近平は軍を信じられなくなってる』って分析してる」
マリコ「そらそうやろ。いざ戦争しようと思ってボタン押して水が出たら、私でも人間不信になるわ」
サチコ「だからこそ、逆に危ないんや。軍を完全に自分の支配下に置いて、裏切り者がいないように締め付けてる。これは『戦争を諦めた』んじゃなくて、『本気で戦える軍隊に作り直そうとしてる』ってことやからな」
マリコ「うわぁ...。不良品を直して、本気で使えるようにしてるんか。余計怖いやん」
サチコ「そうや。2027年が中国軍の建軍100周年で、そこまでに台湾侵攻の能力を持つのが目標やと言われてる。今回の人事は、そのための『大掃除』かもしれん」
マリコ「大掃除にしては血生臭すぎるわ...。でもサチコ、中国の人らは怒らへんの? 景気悪いのに軍事費ばっかり使いやがって!って」
サチコ「そこを抑え込むのが『統制』や。今回の全人代でも、社会の監視とか治安維持にめちゃくちゃ力入れるって言うてる。AIカメラとか顔認証とか使ってな」
マリコ「ロボットで働かせて、AIで監視して、文句言うたら捕まる...。なんかSF映画のディストピアみたいになってきたな」
サチコ「『安全保障』が全てに優先される国になろうとしてるんや。経済の豊かさよりも、共産党支配の安全、国家の安全。それを守るためなら多少の経済減速は我慢しろ、とな」
マリコ「なんか、夢がないなぁ。昔は『頑張ったら金持ちになれる!』みたいな勢いがあったんちゃうん?」
サチコ「それが『チャイナ・ドリーム』やったんやけどな。今は『共同富裕』とか言いながら、実際は引き締めがキツくなってる。若者の失業率も高いし、寝そべり族も増えるわな(※詳しくは「第92話「中国の若者がヤバい!?~寝そべる!腐る!絶望の国のハッピーライフ!?~」」を見てな!)」
マリコ「寝そべり族! それ私の得意技やん! 中国で師匠になれるかも」
サチコ「あんたはどこ行っても寝そべるやろ! でもな、これからの中国は、アメリカとの対立がもっと激しくなる。アメリカは半導体とかのハイテク部品を中国に売らへんようにしてるし、中国は自前で作ろうと必死や」
マリコ「意地と意地のぶつかり合いやな」
サチコ「世界が真っ二つに割れていくかもしれん。アメリカ・日本・ヨーロッパのチームと、中国・ロシア・イランのチーム」
マリコ「大運動会の綱引きみたいやな。真ん中の縄がちぎれそうや」
サチコ「その真ん中におるんが、グローバルサウスって呼ばれる途上国や。中国はそっちにどんどんアプローチしてる。『アメリカよりウチの方が安くてええもん作るで』って」
マリコ「EVとかスマホとか売り込みに行くんか」
サチコ「そう。日本もうかうかしてられへんで。中国のEVとか太陽光パネルは、過剰生産で余りまくってるから、世界中に安値で流れ込んでくる。『デフレの輸出』って言われてるんや」
マリコ「安く買えるならええんちゃうの?」
サチコ「消費者は嬉しいけど、日本のメーカーはたまったもんやないで。価格競争で負けて潰れてまうかもしれん」
マリコ「うわっ、それは困る! 私の好きな日本のお菓子メーカーとか潰れたら泣くで!」
サチコ「お菓子の話はしてへんけど、自動車産業とかはほんまに正念場や。だから今回の全人代は、日本にとっても他人事やないんや」
マリコ「なるほどなぁ...。遠い国の会議やと思ってたけど、巡り巡って私の生活にも関わってくるんやな」
サチコ「そうや。中国は今、『傷ついた龍』かもしれんけど、傷ついてるからこそ攻撃的になる可能性もある。経済がダメなら、軍事的な成果で国民の目をそらそうとするかもしれんしな」
マリコ「それ一番あかんやつやん! 『仕事うまくいかへんからパチンコで取り返す!』っていうダメ親父の発想や!」
サチコ「スケールは違うけど、構造は似てるかもしれんな。だからこそ、日本は冷静に付き合わなあかん。経済では付き合うけど、安全保障ではしっかりガードを上げる。『政冷経熱』どころか『政冷経冷』になりつつあるけど、対話の窓口だけは閉じたらいかん」
マリコ「難しい顔して睨み合うんじゃなくて、たまには一緒に笑えるような関係になれたらええのになぁ」
サチコ「そうやな。ロボット同士が喧嘩する未来より、人間同士が話し合う未来の方がええわな」
マリコ「せや! 私が中国行って、習近平さんに漫才見せたるわ! 笑わせて肩の力抜いてもらうねん!」
サチコ「あんたの漫才で笑うかなぁ...。『不謹慎だ』って拘束されるのがオチやぞ」
マリコ「そん時はサチコ、助けに来てや!」
サチコ「嫌やわ! ロボットに行かせるわ!」
マリコ「冷たいなぁ! そこは人間が来てえな!」
サチコ「まあ、とにかく2026年の中国は『我慢と準備の年』になりそうや。世界中がその動きを固唾を飲んで見守ってる」
マリコ「私らも、寝そべってばかりおらんと、しっかりニュース見なあかんな」
サチコ「おっ、たまにはええこと言うやん」
マリコ「そやろ? ニュース見て、ヤバそうやったらすぐに逃げる準備するねん」
サチコ「結局逃げるんかい! 立ち向かえよ!」
マリコ「逃げるが勝ちや! ほな、今日はここまで!」
サチコ「ありがとうございましたー!」
マリコ・サチコ「せーの、再見!」




