第173話:「36%の首位打者と無限のハッタリ~分断されたアメリカ、ねじれる議会、そしてZ世代男子の奇妙な熱狂~」
マリコ: (舞台中央でバットを構えるポーズをして) カキーン!見たかサチコ!この特大ホームラン!
サチコ: (冷静に) 何が見えたんや。あんたバット持ってへんやろ。
マリコ: 気分の問題や!いやー、トランプさんってすごいバッターやな!打率3割6分やで!イチロー超えとるがな!首位打者間違いなしや!
サチコ: ...はあ。のっけから盛大な勘違いありがとうさん。それ、打率ちゃうわ。支持率やで。
マリコ: え?支持率?
サチコ: CNNの最新調査や。トランプ大統領の支持率が36%まで落ち込んだっていうニュースや。打率やったら神様やけど、大統領の支持率としては「落第点」ギリギリやで。
マリコ: えー!36%って低いの!?クラスの3分の1以上が味方って思ったら、結構人気者ちゃう?私の高校時代なんか、支持率2%くらいやったで。
サチコ: あんたの悲しい青春時代はどうでもええねん!大統領やぞ?半分以上の国民から「あかん」言われてるんや。特に「無党派層」の離反が深刻やねん。
マリコ: 無党派層?どっちの味方でもない人ら?
サチコ: そう。その人らの支持率が26%まで落ちてんねん。一年前は41%あったのに、15ポイントも急落や。
マリコ: うわあ、フリーのお客様がごっそり帰ってもうた感じか。なんでそんな嫌われたん?
サチコ: そら、戦争やろ。イラン攻撃や。あれで「また戦争かよ」「インフレ止まらんやんか」って、普通の感覚の人らがドン引きしたんや。
マリコ: なるほどなぁ。ドン引きして26%。残りの74%は「もう顔も見たくない」ってこと?
サチコ: 不支持が62%やからな。ほぼそんな感じや。でもな、マリコ。ここからがアメリカの恐ろしいところや。
マリコ: 何が恐ろしいん?
サチコ: 全体の数字だけ見てたら見誤るんや。中身を見たら、国が真っ二つに割れてるのが分かる。
マリコ: 真っ二つ?スイカ割りみたいに?
サチコ: もっと綺麗に割れとるわ。共和党支持者のトランプ支持率は、なんと87%や。
マリコ: 87%!?ほぼ全員やん!北朝鮮の選挙か!
サチコ: 一方で、民主党支持者のトランプ支持率は...なんぼやと思う?
マリコ: うーん、喧嘩してる相手やからな...20%くらい?
サチコ: 2%や。
マリコ: 2%!?消費税より低いがな!誤差の範囲やん!
サチコ: 不支持が97%や。つまりな、共和党員にとっては「神様」、民主党員にとっては「悪魔」。同じ人間を見てるはずやのに、見えてるもんが全く違うんや。
マリコ: 同じ映画見てるのに、「最高のアクション映画やった!」って言う人と「最低のホラー映画やった!」って言う人がおるみたいなもんか。
サチコ: うまい譬えやな。まさに「認知の分断」や。さらに言えば、性別でも割れてる。
マリコ: 男と女で?
サチコ: 男性は支持46%、不支持49%で、まあ五分五分や。でも女性は支持32%、不支持64%。ダブルスコアで嫌われとる。
マリコ: 女性に嫌われるタイプか...。まあ、あの言動見てたら「生理的に無理」ってなる人も多そうやもんな。
サチコ: 学歴でも差があるで。大学院卒の高学歴層になると、支持率は27%、不支持が70%や。勉強すればするほど、トランプさんが嫌いになる傾向がある。
マリコ: 勉強したら嫌いになるんか...。ほな、私は勉強してへんからトランプさんのこと好きになれる素質あるな!
サチコ: 喜ぶとこちゃうわ!アホの自慢すな!
マリコ: でもサチコ、なんか最近、若い男の子の間でトランプ人気があるって聞かへん?
サチコ: おっ、よう知っとるな。Z世代の男性やな。
マリコ: そうそう。Z世代!ゼット!マジンガーZ!
サチコ: 古いねん!18歳から20代くらいの若者や。全体としてはトランプ不支持が多いんやけど、男性に限ると支持がじわじわ上がってきてるんや。
マリコ: なんで?トランプさんって、おじいちゃんやん。若者のカリスマなん?
サチコ: 「強さ」への憧れやろな。経済の先行きが見えへん、将来が不安、リベラルな説教にはうんざり...そんな中で、トランプさんの「俺についてこい!全部ぶっ壊してやる!」っていうマッチョな姿勢が、一部の若者に刺さってるんや。
マリコ: あー、ヤンキー漫画の最強キャラに憧れる感じか。「俺の拳が法律だ!」みたいな。
サチコ: そんな感じやな。あと、インフレで生活苦しいから「トランプの頃は景気良かった」っていう記憶も美化されてる。
マリコ: 美化された記憶と、マッチョへの憧れ。それが36%の中身なんやな。
サチコ: せや。で、このまま行くと今年11月の中間選挙はどうなるか。
マリコ: 選挙!また選挙か!
サチコ: 予測では「ねじれ」が濃厚や。
マリコ: ねじれ?ドーナツみたいに?
サチコ: それはツイストや!議会のねじれや!下院は民主党が過半数を奪還する可能性が高い。歴史的にも、大統領の政党は中間選挙で負けやすいし、今の支持率なら民主党が有利や。
マリコ: 下院は民主党が取るんか。じゃあトランプさん、好き勝手できへんようになるな。
サチコ: そう。でも上院は共和党が維持する公算が高い。
マリコ: 上は共和党、下は民主党。上半身と下半身が別の方向に歩き出すんか。
サチコ: どんな歩き方やねん!でも政治的にはそういうことや。法案が通らへん、予算が決まらへん、何も決められへん「分割政府」になる。
マリコ: うわぁ、停滞するなぁ。でも、暴走も止まるんちゃう?
サチコ: それが狙いかもしれんけど、国際情勢がこれだけ緊迫してる時に、アメリカの政治が麻痺するのはリスクやで。
マリコ: 確かに。イランと戦争してる最中に「予算ないからミサイル撃てません」とかなったらシャレにならん。
サチコ: その戦争の話やけどな。トランプさん、「我々の戦力は事実上無限だ」「永遠に戦える」って豪語してるやろ。
マリコ: 言うてた!「無限」って!ジャンプの悪役か!フリーザ様か!
サチコ: でも、これおかしいと思わへんか?トランプさんって、昔「イラク戦争は無駄やった」「中東から撤退する」って言うてた人やで。
マリコ: せやな!「世界の警察やめる」って言うてたはずやのに、なんでまた戦争始めてんの?矛盾してへん?
サチコ: そこがトランプ流の「戦争哲学」やねん。
マリコ: 哲学?
サチコ: 彼は「イラク戦争の失敗」を「戦争したこと」やなくて、「占領して国作りをしようとしたこと」やと思ってるんや。
マリコ: 国作りが失敗やったと。
サチコ: せやから今回は「占領なき破壊」や。地上軍を送って統治する気はない。空から徹底的に叩いて、指導部の首をふっ飛ばして、あとは「知らん、お前らで何とかせえ」って帰るつもりなんや。
マリコ: えー!ピンポンダッシュの爆撃版みたいなもん!?
サチコ: 質が悪いけど、まあそういうことや。「責任は取らんけど、敵は倒す」。これならアメリカ兵の死者は出にくいし、コストも安い。
マリコ: 安上がりな戦争か...。でも、そんなん上手くいくん?
サチコ: いかんやろな。相手はイランやで。代理勢力を使って、世界中でテロとかサイバー攻撃とか、泥沼の報復合戦になるリスクが高い。
マリコ: ほな、「無限の戦力」って嘘なん?
サチコ: ハッタリや。「マッドマン・セオリー(狂人理論)」ってやつや。
マリコ: マッドマン?狂った男?
サチコ: 「あいつは何をするか分からん」「核でも何でも撃ってくるかもしれん」って相手に思わせて、恐怖で動けなくさせる戦略や。
マリコ: あー!お化け屋敷で「出るぞ出るぞ」って言われてビビって動けへんようになるやつか!
サチコ: 規模がちゃちいけど、心理的な効果は似てる。「アメリカは本気や、無限にミサイル持ってる」と信じ込ませて、イランの戦意をくじこうとしてる。
マリコ: でも実際は無限ちゃうんやろ?
サチコ: 有限や。当たり前やんけ。予算も弾薬も限りがある。でも「無限や」と言い切ることで、国内の支持者には「強いリーダー」をアピールできるし、株式市場には「経済への影響はない」って安心感を与えられる。
マリコ: 全部計算づくの演技なんやな。役者やなぁ。
サチコ: でもな、マリコ。その「強がり」が通じへん相手もおる。
マリコ: 誰?
サチコ: さっき言うた「無党派層」や。彼らは冷静に見てる。「無限とか言うてるけど、ガソリン代上がってるやん」「戦争のせいで株価乱高下してるやん」って。
マリコ: 現実生活に響いてるもんな。トイレットペーパー買い占め騒動もあったし。
サチコ: そう。生活の実感が「トランプの物語」を侵食し始めてる。だから支持率が36%に落ちたんや。
マリコ: 夢から覚め始めたんか。
サチコ: でも、共和党の87%はまだ夢の中や。この温度差が、アメリカを分断し続けてる。
マリコ: 夢見てる人と、現実見てる人が同じ国に住んでるって、しんどいな。
サチコ: しんどいで。しかも、これから中間選挙に向けて、トランプさんはもっと過激になるはずや。支持率を上げるために、なりふり構わず「敵」を作って攻撃する。
マリコ: また怒鳴るんか。「国の恥だ!」とか。
サチコ: そう。国内の敵、国外の敵、メディア、裁判所、全部攻撃して「俺だけが正義だ」って叫び続ける。
マリコ: 疲れるなぁ...。もうええわ、そんなん。
サチコ: 私らも疲れるけど、世界中がその「劇場」に付き合わされてるんや。
マリコ: サチコ、私な、思ったんやけど。
サチコ: 何や?
マリコ: トランプさんの「無限の戦力」に対抗できるもん、私持ってるわ。
サチコ: 何やそれ。あんたに何があるんや。
マリコ: 「無限の食欲」や!
サチコ: ...はあ?
マリコ: トランプさんがどんだけミサイル撃っても、私がどんだけ食べても、お互いキリがない。これは「無限対無限」の戦いや!
サチコ: 意味が分からんわ!あんたの食欲で戦争止まるんか!
マリコ: 止まらんけど、平和にはなるかもしれん。世界中の指導者を大阪に集めて、無限にたこ焼き食べさせるねん。
サチコ: またたこ焼きか!
マリコ: 口の中にたこ焼き入ってたら、怒鳴られへんやろ?「ハフハフ」しか言われへん。
サチコ: ...まあ、物理的にはそうやけど。
マリコ: 「お前はクビだ!」って言おうとしても「お前は...ハフッ...熱ッ...」ってなる。これや!
サチコ: 平和的解決策が「口内火傷」かよ!
マリコ: 熱々のたこ焼きこそが、分断された世界をつなぐ「無限の兵器」や!ソースは二度づけ禁止でな!
サチコ: たこ焼きは二度漬け関係ないやろ!まあ、36%の支持率を気にするより、ソースの残りを気にする方が平和かもしれんな。
マリコ: せやろ!トランプさんもZ世代の男子も、みんなでハフハフしたらええねん!
サチコ: ほんまにそうなったらええけどな。とりあえず、あんたはダイエットしなさい。
マリコ: 無限の食欲にダイエットは通用せえへん!
サチコ: はいはい。ほな、終わろか。
マリコ・サチコ: どうもありがとうございましたー!




