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サチコとマリコの時事ネタ漫才  作者: 藍埜佑


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第152話「トランプさん、南米で大暴れ!?~マドゥロ拘束と世界秩序の大混乱~」

マリコ「どうもー!サチコ・マリコでーす!」


サチコ「よろしくお願いしますー」


マリコ「いやー、サチコ、2026年始まったばっかりやのに、もうえらいこっちゃで」


サチコ「せやな、年明け早々とんでもないニュースが飛び込んできたな」


マリコ「1月3日やで。まだお正月気分で箱根駅伝見ながらおせち食べてる人もおるのに」


サチコ「青学が3連覇した日やな」


マリコ「そう!で、その同じ日にトランプさんが何したと思う?」


サチコ「ベネズエラに大規模軍事攻撃して、マドゥロ大統領夫妻を拘束したんや」


マリコ「せや!箱根駅伝のゴールテープ切るみたいに、外国の大統領を捕まえたんやで!」


サチコ「いや、全然違うやろ。規模も深刻さも!」


マリコ「でもな、私最初聞いたとき思ったんよ。マドゥロ大統領って誰やろって」


サチコ「おいおい、これまで散々時事漫才やっとるのに知らんかったんかいな」


マリコ「だって、マドゥロって聞いたら、なんかスペイン料理みたいやん」


サチコ「それマドリードや!スペインの首都!」


マリコ「あ、ほんなら、マドゥロはイタリア料理?」


サチコ「パスタちゃうわ!ニコラス・マドゥロ、ベネズエラの大統領や。元バス運転手から政治家になった人やで」


マリコ「バス運転手!?ほな、トランプさんに捕まった時、バスで逃げようとしたんちゃう?」


サチコ「してへんわ!米軍の特殊部隊デルタフォースに拘束されて、奥さんと一緒に航空機でニューヨークに連行されたんや」


マリコ「へえー、夫婦でニューヨーク旅行やん。ロマンチックやなぁ」


サチコ「全然ロマンチックちゃうわ!逮捕されて裁判にかけられるねんで。麻薬密売の罪でな」


マリコ「あ、そうなん。でもさ、ベネズエラってどこにあるん?」


サチコ「南米や。南アメリカ大陸の北の方。カリブ海に面してて、コロンビアとブラジルの隣にある国や」


マリコ「南米かぁ。遠いなぁ。飛行機で何時間?」


サチコ「日本からやと乗り継ぎ含めて20時間以上かかるわ」


マリコ「20時間!?機内食何回出るん?」


サチコ「そこちゃうやろ!あんたいつも食い物の話ばっかになるやん!問題は、なんでアメリカが他国の現職大統領を軍事攻撃して拘束したか、やろ」


マリコ「あー、それそれ。なんでなん?トランプさん、マドゥロさんに何か恨みでもあったん?」


サチコ「恨みとかそんな個人的な話ちゃうねん。トランプ政権は大きく分けて四つの理由を挙げとる」


マリコ「四つも!?私、三つまでしか数えられへんねんけど」


サチコ「嘘つけ。まず一つ目は、麻薬密輸対策や」


マリコ「麻薬?」


サチコ「せや。アメリカでは合成麻薬フェンタニルの蔓延が深刻な社会問題になっとって、トランプ政権はマドゥロ政権を麻薬カルテルの一部やと見なしとるんや」


マリコ「大統領が麻薬の売人やったん!?」


サチコ「まあ、アメリカ側の主張ではな。2020年に米司法省がマドゥロを麻薬密輸の共謀罪で起訴しとったんや」


マリコ「へー、6年前から目ぇつけられとったんや」


サチコ「二つ目は、不法移民問題や。ベネズエラの政治経済が崩壊して、約770万人が国外に逃げ出しとって、そのうち55万人がアメリカに不法入国しとるって言われとる」


マリコ「770万人!?それ、大阪の人口より多いやん!」


サチコ「せやねん。ベネズエラの人口が約2800万人やから、国民の4分の1以上が国を出ていったことになる」


マリコ「えー、そんなに?なんでそんな逃げ出すん?」


サチコ「経済が完全に崩壊しとるからや。ハイパーインフレで、GDPは2014年から2020年で74%も減少。国民の77%が1日1.9ドル未満で生活しとる」


マリコ「1日1.9ドル!?300円もないやん!牛丼も喰われへん!」


サチコ「そういうレベルの貧困や。だから国民が逃げ出して、その一部がアメリカに流れ込んどる」


マリコ「なるほどなぁ。で、三つ目は?」


サチコ「三つ目は、西半球戦略や。アメリカは昔からモンロー主義っていうて、南北アメリカ大陸をアメリカの勢力圏として守ろうとする考え方があるんや」


マリコ「モンロー?マリリン・モンロー?」


サチコ「ちゃうわ!1823年にジェームズ・モンロー大統領が提唱した外交方針や。ヨーロッパ諸国は西半球に手を出すな、ここはアメリカの庭やぞ、っていう考え方」


マリコ「200年前の話やん!古すぎひん?」


サチコ「でもトランプ政権はこれを復活させとるんや。特にベネズエラは世界最大の原油埋蔵量を持っとって、しかも中国やロシアと仲良くしとった」


マリコ「あー、それでアメリカは気に入らへんかったんや」


サチコ「せやねん。中国はベネズエラに600億ドルから900億ドルもの融資をしてて、石油を担保に取っとった」


マリコ「600億ドル!?日本円で9兆円!?すごい金額やな」


サチコ「トランプからしたら、自分の裏庭で中国が好き勝手しとるのが許せへんかったんやろな」


マリコ「で、四つ目は?」


サチコ「四つ目は石油資源の確保や。さっき言うたように、ベネズエラは世界最大の原油埋蔵量を持っとる。その推定価値は17兆ドル、2600兆円相当や」


マリコ「2600兆円!?日本の国家予算の20年分以上やん!」


サチコ「せやから、トランプは記者会見で堂々と言うとった。米企業がベネズエラの石油インフラを再建して、石油を流通させるって」


マリコ「えー、それってつまり、石油欲しいから攻撃したってこと?」


サチコ「まあ、本音はそうやろな。トランプ自身も安全で適切な政権移行が実現するまで、われわれがこの国を運営するって宣言しとる」


マリコ「運営って、ベネズエラ株式会社の社長になるみたいやな」


サチコ「実質そういうことや。で、今回の軍事作戦の詳細やけど、1月3日の未明にカラカスで複数の爆発と停電が発生してな。米軍は空爆と特殊部隊による急襲作戦を同時に実施して、軍事施設を破壊しながらマドゥロ夫妻を拘束したんや」


マリコ「すごいなぁ。まるで映画みたいや」


サチコ「トランプは記者会見で、米軍の軍事力と能力を示す最も衝撃的で効果的、強力な行動の一つやったって自画自賛しとった」


マリコ「自画自賛が得意やもんなぁ、トランプさん」


サチコ「で、マドゥロ大統領は米海軍の強襲揚陸艦イオージマに乗せられて、ニューヨークに向かったらしい」


マリコ「硫黄島!?太平洋戦争の?」


サチコ「発音は同じやけど、アメリカの艦船の名前や。太平洋戦争の激戦地にちなんで名付けられたんやろな」


マリコ「ほな、マドゥロさん今どうなっとるん?」


サチコ「ニューヨーク州に到着して、これから裁判にかけられる予定や。ボンディ司法長官は、マドゥロ氏と妻は米国の裁判所で間もなく、米国の正義の全面的な裁きを受けることになるって言うとる」


マリコ「へー、外国の大統領をアメリカで裁判するんや。それって普通のこと?」


サチコ「いや、全然普通ちゃうわ!外国の現職元首を軍事攻撃して拘束するなんて、極めて異例中の異例や」


マリコ「前例あるん?」


サチコ「近いのは1989年のパナマ侵攻やな。あの時もアメリカはノリエガ将軍を麻薬密売の罪で拘束して、アメリカで裁判にかけた」


マリコ「ノリエガ!?ノリタマの親戚?」


サチコ「ふりかけちゃうわ!マヌエル・ノリエガ、パナマの独裁者や」


マリコ「あー、なんか似たようなことやっとるんやな、アメリカは」


サチコ「せやねん。でも今回はもっと規模が大きいし、国際的な反発もすごいんや」


マリコ「国際社会はどう反応しとるん?」


サチコ「まず中国は強く非難しとる。国際法に著しく違反し、ベネズエラの主権を侵害するものやって」


マリコ「中国が怒っとるんや」


サチコ「ロシアもおんなじや。国際法による独立国家の主権の侵害やって非難しとる」


マリコ「ロシアが主権侵害を非難!?ウクライナ攻めとるのに!?」


サチコ「そこ突っ込みたくなるよな。でもこれが国際政治のダブルスタンダードや」


マリコ「ほんまダブスタやなぁ」


サチコ「キューバは卑劣な行為って言うとるし、イランも強く非難しとる。国連事務総長は危険な前例になると懸念を表明して、国際法が順守されていないと言うとる」


マリコ「じゃあ、みんな反対なん?」


サチコ「いや、支持しとる国もある。アルゼンチンのミレイ大統領はアメリカの軍事攻撃を支持しとる」


マリコ「ミレイって、あのチェーンソー持って大統領になった人?」


サチコ「せやせや。財政削減のためにチェーンソーで予算切りまくるって公約した人な」


マリコ「チェーンソー大統領が支持しとるんか。なんか怖いな」


サチコ「あと、イスラエルとウクライナも支持寄りや」


マリコ「あれ?ウクライナって、自分がロシアに侵略されて怒っとったやん。なんで他国への侵略を支持するん?」


サチコ「ええ質問やな。ウクライナはアメリカの支援に頼っとるから、トランプ政権に逆らいにくいんやろ」


マリコ「はあ、複雑やなぁ、国際関係って」


サチコ「せやねん。で、一番注目すべきは、ベネズエラの野党指導者マリア・コリーナ・マチャドさんの反応や」


マリコ「マチャド!?抹茶ドーナツ?」


サチコ「スイーツちゃうわ!ええ加減食い物から離れぇ!2025年のノーベル平和賞受賞者や。彼女はベネズエラは自由になる!って喜びを表明しとる」


マリコ「ノーベル平和賞の人が、軍事攻撃を歓迎しとるん?」


サチコ「複雑やろ?彼女からしたら、マドゥロは不正選挙で権力にしがみついとった独裁者やから、排除されて嬉しいんやろ」


マリコ「不正選挙?」


サチコ「せや。2024年の大統領選挙で、野党候補のエドムンド・ゴンサレスさんが圧倒的な票を集めたのに、選挙管理委員会がマドゥロの勝利を発表したんや。大規模な選挙不正があったと言われとる」


マリコ「えー、それはあかんやん」


サチコ「せやから、ベネズエラ国内では民主化を望む声もあるんや。ただ、その実現方法が外国による軍事侵攻でええんか、っていう問題があるわけで」


マリコ「確かになぁ。でもさ、日本はどうしとるん?」


サチコ「日本政府は外務省内に中南米局長をトップとする連絡室を設置して、国家安全保障会議の開催も検討しとる」


マリコ「連絡室!?それだけ?」


サチコ「まあ、立場が難しいんやろな。日本はずっと力による一方的な現状変更を世界のどこでも認めないって言うてきたから」


マリコ「あー、それロシアのウクライナ侵攻の時にも言うとったやつやな」


サチコ「せやねん。その論理からすると、アメリカのベネズエラ攻撃も批判せなあかんはずやけど、相手は同盟国アメリカやろ」


マリコ「板挟みやなぁ」


サチコ「日本のSNSでも力による現状変更とか常任理事国とか主権侵害とか何も言えないとかいうワードが急上昇しとる」


マリコ「国民も困惑しとるんやな」


サチコ「せやねん。で、ここからはベネズエラの今後について考えてみよか」


マリコ「今後どうなるん?」


サチコ「いくつかのシナリオが考えられるんやけど、大きく分けて三つや」


マリコ「お、三つなら私でも数えられるわ!」


サチコ「一つ目は、野党主導の民主化シナリオ。マチャドさんやゴンサレスさんが主導して、国際監視の下で自由選挙を実施。経済制裁が解除されて投資が増えて、経済が復興するっていう楽観的なシナリオや」


マリコ「ハッピーエンドやな」


サチコ「二つ目は、長期的な不安定化シナリオ。権力の空白を埋めようとする勢力が争って、内戦状態に陥る。イラクやアフガニスタンみたいに米軍が長期駐留を強いられて、泥沼化するっていう」


マリコ「それは最悪やな」


サチコ「三つ目は、新たな反米政権の台頭シナリオ。抵抗運動が成功して、もっと過激な反米政権ができる。中国やロシアの影響力がさらに拡大して、中南米全体が反米化するっていう」


マリコ「それもあかんやん。で、どれが一番ありそうなん?」


サチコ「正直、二つ目の長期的不安定化が一番可能性高いって言われとる」


マリコ「えー、なんで?」


サチコ「1989年のパナマ侵攻と今回は状況が違うからや。当時は冷戦終結直後で、アメリカの一極支配が確立しとった。でも今は中国やロシアっていう対抗勢力がおるし、国際世論も厳しい」


マリコ「確かに、中国とロシアが黙ってへんやろな」


サチコ「せやねん。それに、ベネズエラの社会は複雑で、外から簡単に民主化できるもんちゃうんや」


マリコ「でもさ、一番の問題は何なん?」


サチコ「権力の空白をどう埋めるかや。トランプは安全で適切な政権移行が実現するまで、われわれがこの国を運営するって言うとるけど、具体的にどうするかは全然わからへん」


マリコ「えー、ノープランで攻め込んだん?」


サチコ「少なくとも詳細な計画は公表されてへんな。で、副大統領のデルシー・ロドリゲスさんが一応後継者になるはずやけど、彼女はマドゥロを唯一の大統領やって言うて、協力を拒否しとるみたいや」


マリコ「ほな、誰が国を回すん?」


サチコ「そこが問題なんや。野党のマチャドさんは、2024年の選挙で勝ったゴンサレスさんが大統領になるべきやって主張しとる。でもトランプは、マチャドさんは指導者になることは難しい、国内で支持も尊敬も得ていないって言うとった」


マリコ「えー、せっかくの民主化のチャンスなのに、野党を排除するん?」


サチコ「どうもトランプは本気で民主化したいわけちゃうみたいなんや。石油利権を確保して、言うこと聞く政権を作りたいだけかもしれへん」


マリコ「えー。それって、侵略やん!」


サチコ「まあ、国際法的にはそう解釈される可能性が高いな。国連憲章第2条4項は武力による威嚇や武力の行使を禁止しとるんやけど、今回の行動はそれに違反しとる可能性がある」


マリコ「でも、アメリカは自衛権って言えへんの?」


サチコ「自衛権を主張するには、相手からの武力攻撃が前提になるんやけど、ベネズエラがアメリカを攻撃した事実はないからな」


マリコ「麻薬は武力攻撃ちゃうん?」


サチコ「国際法上、麻薬密売は武力攻撃とは見なされへんねん。だから法的根拠が弱いんや」


マリコ「ほな、トランプさんは何を根拠に?」


サチコ「ケル=フリスビー・ドクトリンっていうアメリカの刑事司法の考え方を適用しとるらしい。マドゥロは正統な国家元首やない、国際犯罪組織のトップやから、外交問題やなくて刑事司法の問題として処理できるって論理や」


マリコ「えー、それって自分に都合ええ解釈やん」


サチコ「せやから、国際法学者からはボロクソに批判されとるんや」


マリコ「でもさ、ベネズエラの国民はどう思っとるん?」


サチコ「複雑やろな。長年の経済苦境で疲弊しとる国民からしたら、マドゥロがおらんなったら良くなるかもって期待もあるやろ。でも、外国軍に国を占領されるのは屈辱やし、不安もあるやろな」


マリコ「確かに、自分の国の大統領が外国に連れ去られたら、複雑な気持ちになるわな」


サチコ「あと心配なんは、難民問題がさらに悪化する可能性や」


マリコ「もっと増えるん?」


サチコ「権力移行がスムーズにいかへんかったら、さらに200万から300万人の難民が発生するって予測もある」


マリコ「そんなに!?周りの国、パンクするやん」


サチコ「せやねん。コロンビアはすでに280万人、ペルーは160万人、ブラジルは68万人のベネズエラ難民を受け入れとる。これ以上増えたら、地域全体が不安定になる」


マリコ「大変やなぁ」


サチコ「で、経済面でも注目すべきことがある。ベネズエラの石油や」


マリコ「さっき言うてた2600兆円の石油やな」


サチコ「せや。ただ、この石油を掘り出すのは簡単ちゃうねん。ベネズエラの石油は超重質油っていって、そのままでは使えへん。希釈材を混ぜて軽くせなあかんのや」


マリコ「希釈材?薄めるん?」


サチコ「そういうことや。でも経済制裁で希釈材の輸入がでけへんし、精製施設も老朽化しとる。技術者も海外に逃げ出してもうとんねん」


マリコ「ほな、石油あっても掘り出せへんやん」


サチコ「せやから、石油産業を復興させるには80億から100億ドル、1兆5000億円くらいの投資が必要やって言われとる」


マリコ「1兆5000億円!?誰が出すん?」


サチコ「トランプは米企業に出させるって言うとるけど、現実的には難しいやろな」


マリコ「ほな、トランプさんの計算狂うやん」


サチコ「まあ、トランプはもともと細かい計算より、ディール、つまり取引を重視する人やからな。やってみてから考えるタイプや」


マリコ「えー、国の運命かかっとるのに、やってみてからって。迷惑なおっさんやなあ」


サチコ「せやから心配されとるんや。イラクやアフガニスタンの二の舞になるんちゃうかって」


マリコ「確かに、イラク戦争もアフガニスタン戦争も、入ったはええけど出るの大変やったもんな」


サチコ「20年かかってもうたからな」


マリコ「20年!?トランプさん、その頃まだ大統領しとるん?」


サチコ「いや、任期は2029年までやから、問題を次の大統領に丸投げする可能性もある」


マリコ「丸投げはあかんやろ」


サチコ「でも、それが一番ありそうなシナリオなんや」


マリコ「うーん、なんか暗い話ばっかりやな。明るい話はないん?」


サチコ「まあ、楽観的に見れば、制裁が解除されて国際支援が入れば、ベネズエラ経済は回復する可能性はある。石油があるから、ちゃんと管理できれば豊かになれるポテンシャルはあんねん」


マリコ「ポテンシャルはあるんや」


サチコ「あと、逃げ出した770万人の国民が戻ってくれば、人材も確保できる」


マリコ「帰ってくるんかなぁ、あたしやったらいややけどなあ」


サチコ「それは状況次第やな。安全で安定した国になったら、戻りたいって人は多いやろ」


マリコ「なるほどなぁ。でもさ、サチコ、結局この事件って何が一番の問題なん?」


サチコ「一言で言えば、国際秩序の崩壊や」


マリコ「国際秩序?」


サチコ「第二次世界大戦後、国際社会はルールに基づく秩序を作ってきた。武力で他国を侵略したらあかん、国家主権は尊重せなあかんっていうルールや」


マリコ「国連憲章とかやな」


サチコ「せや。でも今回、アメリカがそのルールを破ったわけや。世界最強の国が、自分の都合でルールを無視したら、他の国も真似するやろ」


マリコ「中国とかロシアとか」


サチコ「せやねん。実際、中国やロシアは、ほら見たことか、西側諸国はダブルスタンダードやって言い始めとる」


マリコ「確かに、説得力なくなるわな」


サチコ「これが一番怖いんや。ルールがなくなって、力が正義の世界になったら、弱い国は生きていかれへん」


マリコ「日本も他人事ちゃうな」


サチコ「全然他人事ちゃうで。日本は軍事力では中国やロシアに敵わへん。ルールに基づく国際秩序があるからこそ、安全でおられるんや」


マリコ「それがなくなったら」


サチコ「力の論理で、大国に好き勝手されてしまう可能性がある」


マリコ「うわー、怖いな」


サチコ「せやから、今回の事件は遠い南米の話やなくて、世界全体の問題なんや」


マリコ「なるほどなぁ。でもさ、私たち一般市民にできることあるん?」


サチコ「まずは正確な情報を知ること。SNSには色んなデマや偏った情報が飛び交っとるから、信頼できる複数のソースから情報を集めることが大事や」


マリコ「確かに、第三次世界大戦とかいうワードも飛び交っとったもんな」


サチコ「そういう煽りに乗らんと、冷静に事実を見ることや。あと、この問題に関心を持ち続けること」


マリコ「忘れたらあかんってこと?」


サチコ「せや。ニュースサイクルが早くて、すぐ次の話題に移りがちやけど、ベネズエラの問題は長期化する。継続的に注目することが大事や」


マリコ「わかった。でもさ、サチコ、私思いついたんやけど」


サチコ「なんや急に」


マリコ「こういう国際紛争を解決するために、世界統一漫才大会を開催したらどうやろ」


サチコ「は?」


マリコ「各国の代表が漫才で対決するんや。一番面白かった国が勝ち。戦争より漫才で決着つけたら、誰も死なへんやろ」


サチコ「いや、無理やろ。トランプさんに漫才やらせるん?」


マリコ「トランプさん、自分の話長いから、ボケ役にぴったりやと思うねんけど」


サチコ「ツッコミ不在で漫才成立せえへんわ」


マリコ「ほな、プーチンさんとコンビ組ませたら?」


サチコ「その二人が組んだら、観客全員強制収容所送りやろ」


マリコ「あ、それはあかんな」


サチコ「あかんに決まっとるやろ」


マリコ「じゃあさ、国際紛争解決AIを作ったらどうやろ。AIが公平に判定してくれるねん」


サチコ「AIにそんな判断させるんかいな」


マリコ「AIやったら感情に左右されへんやろ」


サチコ「でもAIの学習データに偏りがあったら、偏った判断になるで」


マリコ「あ、そっか。じゃあ、ベネズエラ産の石油で動くAIを作って」


サチコ「それ、利害関係モロにあるやん」


マリコ「あかんか」


サチコ「あかんに決まっとるやろ!もう、ええわ、そのパターン」


マリコ「あ、出た。いつものやつ」


サチコ「もうちょっと現実的なこと考えてくれ」


マリコ「現実的なことかぁ。ほな、ベネズエラに観光に行って経済支援する?」


サチコ「今、行ったら帰ってこれへんやろ」


マリコ「じゃあ、ベネズエラ料理を食べて応援?」


サチコ「それは、まあ、アリかもしれへんけど」


マリコ「アレパとか、パベジョン・クリオージョとか」


サチコ「なんや、急に詳しいな」


マリコ「さっきググった」


サチコ「即席の知識かい」


マリコ「でも、食べて応援は万国共通やろ?」


サチコ「まあ、文化を知ることは大事やな。敵対する相手も、同じ人間やってことを忘れたらあかん」


マリコ「そうそう。トランプさんもマドゥロさんも、お腹空いたらご飯食べるし、眠くなったら寝るやろ」


サチコ「当たり前や」


マリコ「その当たり前を忘れたら、人を人として見れへんようになる」


サチコ「おっ、たまにはええこと言うやん」


マリコ「たまにはって何や!いつもええこと言うとるやろ!」


サチコ「いや、いつもはボケばっかりやんか」


マリコ「ボケにも真実があるんや!」


サチコ「ほう、ほな聞かせてもらおか」


マリコ「あのな、サチコ。今回の事件で一番かわいそうなんは誰やと思う?」


サチコ「うーん、ベネズエラ国民かな」


マリコ「それもそうやけど、うちは子供たちやと思うねん」


サチコ「子供?」


マリコ「ベネズエラの子供たち、もう10年以上まともな教育も医療も受けられへんねんで。逃げ出した家族の子供は、異国で言葉も通じへん中で必死に生きとる」


サチコ「確かにな」


マリコ「で、今回の戦争で、また子供が傷つくやろ。爆撃で怪我したり、親を失ったり、家を失ったり」


サチコ「戦争の一番の被害者は、いつも弱い立場の人やからな」


マリコ「その子らが大人になった時、世界をどう見るやろ。アメリカを、日本を、国際社会を」


サチコ「恨むかもしれへんな」


マリコ「そうや。恨みは連鎖するんや。今日の被害者が、明日の加害者になることもある」


サチコ「深いな」


マリコ「せやから、私らができることは、せめてその連鎖を断ち切る努力をすることやと思うねん」


サチコ「どうやって?」


マリコ「知ること、忘れへんこと、そして、もし機会があれば、傷ついた人に手を差し伸べること」


サチコ「国際情勢の話から、えらい人間的な話になってきたな」


マリコ「だって、国際情勢って言うても、結局は人間の話やろ?政治家も軍人も難民も、みんな誰かの子供で、誰かの親で、誰かの友達なんや」


サチコ「せやな。数字やニュースで見ると忘れがちやけど、一人一人に人生があるんや。あんたたまにはええこと言うやん」


マリコ「せやせや。マドゥロさんにも家族がおって、トランプさんにも孫がおる。その人たちのことを考えたら、戦争なんかしたないはずやねんけどな」


サチコ「でも、権力とか金とか、色んなものが絡んで、人間は間違った選択をしてしまうんやろな」


マリコ「悲しいことやな」


サチコ「せやな。でも、だからこそ、私らみたいな一般人が声を上げることが大事なんかもしれへん」


マリコ「おっ、サチコもええこと言うやん」


サチコ「いつもええこと言うとるわ」


マリコ「私の真似すなよ」


サチコ「お前が先に真似したんやろ」


マリコ「まあまあ。で、サチコ、最後にまとめてくれへん?」


サチコ「せやな。2026年1月3日、トランプ大統領はベネズエラに大規模軍事攻撃を実施して、マドゥロ大統領夫妻を拘束した。これは1989年のパナマ侵攻以来、中南米への最大級の米軍介入や」


マリコ「うんうん」


サチコ「表向きの理由は麻薬対策やけど、実際は石油資源の確保と、中国・ロシアの影響力排除が目的やと見られとる。国際社会は反応が分かれていて、中露は強く非難、一部の国は支持しとる」


マリコ「日本は?」


サチコ「日本は板挟み状態や。力による現状変更を認めないって言うてきたけど、同盟国アメリカの行動を批判しにくい」


マリコ「難しいな」


サチコ「ベネズエラの今後は不透明で、最悪の場合、長期的な不安定化や内戦のリスクもある。770万人の難民がさらに増える可能性もあって、地域全体への影響が心配される」


マリコ「うわぁ」


サチコ「そして何より、この事件は国際秩序の根幹を揺るがす出来事や。ルールに基づく秩序が崩れたら、力が正義の世界になってしまう。それは日本にとっても他人事やない」


マリコ「怖いな」


サチコ「せやから、私らは正確な情報を知って、関心を持ち続けて、できることをしていかなあかん」


マリコ「できること、かぁ」


サチコ「小さなことでもええねん。知ること、考えること、話し合うこと。そういう積み重ねが、いつか世界を変える力になるかもしれへん」


マリコ「サチコ、熱いな!」


サチコ「時事漫才やってるからには、伝えなあかんことがあるやろ」


マリコ「せやな。笑いながらも、大事なことは伝えていきたいな」


サチコ「せや。笑いは人の心を開く鍵やからな」


マリコ「ほな、今日の最後に一つだけ」


サチコ「なんや」


マリコ「ベネズエラの平和を祈って、アレパ食べに行こ」


サチコ「どこにあるん、そんな店」


マリコ「知らん」


サチコ「知らんのかい!」


マリコ「でも、探したら見つかるやろ」


サチコ「その楽観主義だけは見習いたいわ」


マリコ「せやろ?ほな、お時間です」


サチコ「ありがとうございましたー」


マリコ「どうもー!」


二人「サチコ・マリコでしたー!」


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