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サチコとマリコの時事ネタ漫才  作者: 藍埜佑


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13/32

第163話「AIが国会にやってきた!?~結党9ヶ月で11議席、チームみらいの正体と日本の未来~」

マリコ「どうもー!サチコ・マリコでーす!」


サチコ「よろしくお願いしますー」


マリコ「サチコ、私な、今日はちょっとサチコに言いたいことがある」


サチコ「何やの急に。改まって」


マリコ「前回の漫才で衆院選の話したやん」


サチコ「ああ、自民党が316議席取った話な」


マリコ「あの時さ、サチコは自民の話ばっかりしてたやん」


サチコ「まあ、圧勝やったからな」


マリコ「でもな、私、選挙の日にな、テレビの開票速報見てたらびっくりしたことがあってん」


サチコ「何に?」


マリコ「なんか聞いたことない政党がめっちゃ議席取っとってん」


サチコ「聞いたことない政党?」


マリコ「チームみらい」


サチコ「...お。マリコ、チームみらい知っとるんや」


マリコ「知ってるも何も、開票速報で次々と当確出るからびっくりしたわ」


サチコ「ほー。マリコが自分からニュースの話題持ってくるなんて珍しいな」


マリコ「失礼な。私かて選挙くらい見るわ。で、チームみらいってなんなん?」


サチコ「2025年5月に結党した新しい政党や。今回の衆院選が初めての衆議院選挙」


マリコ「初めて!?初出場でいきなり11議席って、高校野球で言うたら初出場で甲子園ベスト4くらいの快挙やん」


サチコ「いい例えやな。しかも目標は5議席やったのに、倍以上取ってもうた」


マリコ「目標の倍!?テストで50点目標やったのに、100点取ったみたいなもんか」


サチコ「まあそういうことや。比例代表で381万票、得票率6.66%」


マリコ「381万票!?大阪市の人口より多いやん」


サチコ「おー、マリコ。今日は例えがいちいち的確やな。どうしたん?」


マリコ「実はな...」


サチコ「実は?」


マリコ「うちのマネージャーがチームみらいに投票したらしくてな、楽屋でずっと語ってきてん」


サチコ「ああ、そういうことか」


マリコ「もう耳にタコができるくらい聞かされたわ。だからな、今日は私がサチコに教えたるわ」


サチコ「マリコが教える側?怖いわ」


マリコ「何が怖いねん。ええか、チームみらいの代表はな、安野貴博さんっていう人や」


サチコ「せやな。35歳のAIエンジニア」


マリコ「開成高校出て東大工学部出て、松尾豊先生の研究室におったんやで」


サチコ「...マリコ、松尾豊って知っとるん?」


マリコ「AIの偉い先生やろ。マネージャーが22回くらい言うてたわ」


サチコ「22回...マネージャー、相当入れ込んどるな」


マリコ「で、安野さんはBCGっていう外資のコンサル会社に入って、そのあとAIのスタートアップを2つ起業してん」


サチコ「BEDORE、今のPKSHA Communicationと、MNTSQやな」


マリコ「そうそう。しかもな、SF小説も書いてんねんて」


サチコ「ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞や。なかなかの経歴やろ」


マリコ「AIエンジニアで起業家でSF作家で政治家。もう何個草鞋履いとんねんって話やわ」


サチコ「三足やなくて四足の草鞋やな」


マリコ「足りひんわ。で、この安野さんがな、最初に注目されたのは2024年の都知事選やねん」


サチコ「15万票取って5位やったな」


マリコ「その時に始めたのが、なんとかリスニングっていうやつ」


サチコ「ブロードリスニングな」


マリコ「それそれ。AIを使ってSNSとかネットの声を集めて分析して、マニフェストに反映するやつ」


サチコ「ほー、ちゃんと理解しとるやん」


マリコ「まあな。でもサチコ、ここからがすごいねん」


サチコ「何が?」


マリコ「この人な、都知事選の後にな、デジタル民主主義2030とかいうプロジェクト立ち上げて、2025年5月にチームみらいを結党して、7月の参院選で当選して、参議院議員になったんや」


サチコ「都知事選から参院選まで、わずか1年やな」


マリコ「で、参院選では全国で151万票」


サチコ「それが今回の衆院選では381万票。2.5倍に増えとる」


マリコ「2.5倍!ポテトのサイズで言うたらSがLになったようなもんや」


サチコ「ポテトに例えんな、食い意地はりすぎや。で、マリコ。なんでそんなに票が増えたか分かる?」


マリコ「分かるで。マネージャーが37回言うてたもん」


サチコ「37回...もうええて」


マリコ「消費税や」


サチコ「お、ええとこ突くな」


マリコ「今回の選挙、自民党も中道改革連合もれいわも参政党も、みーんな消費税減税って言うてたやん」


サチコ「国民民主もな。もう猫も杓子も消費税減税や」


マリコ「でもチームみらいだけは消費税は今のまま据え置きって言うたんやろ」


サチコ「そこがポイントやねん。安野さんは、消費税減税に反対する人の受け皿になった側面がある、って自分で分析しとる」


マリコ「受け皿。つまり、みんなが減税減税って叫んどる中で、一人だけ冷静に立っとったわけか」


サチコ「運動会で全員が右に走っとるのに、一人だけ左に走って独走ゴールしたようなもんやな」


マリコ「逆張りで勝ったんか」


サチコ「でも単なる逆張りやない。消費税の代わりに社会保険料の引き下げを訴えたんや」


マリコ「社会保険料?」


サチコ「あんた、毎月の給料明細見たことある?」


マリコ「あるで。悲しくなるから最近見てへんけど」


サチコ「給料から引かれる社会保険料、結構多いやろ」


マリコ「多いわ。なんでこんなに引かれるん思うて毎回泣いとる」


サチコ「実はな、消費税と社会保険料を比べたら、現役世代にとっては社会保険料の方がはるかに負担が大きいねん」


マリコ「えっ、そうなん?」


サチコ「消費税は使った時だけかかるけど、社会保険料は給料から毎月確実に引かれる。しかも年々上がっとる」


マリコ「知らんかった。私、消費税ばっかり気にしてたわ」


サチコ「多くの人がそうやねん。だからチームみらいは、消費税減税の財源があるんやったら、まず社会保険料を5兆円規模で引き下げろ、って主張した」


マリコ「5兆円!?5兆円って...えーっと...」


サチコ「計算すな。とにかくめっちゃでかい金額や」


マリコ「手取りが増えるってことやろ」


サチコ「そう。可処分所得の改善。働いとる人が実感できる形でお金が手元に残る」


マリコ「なるほどなぁ。消費税下げますって言うより、あんたの手取り増やしますって言われた方がグッとくるもんな」


サチコ「せやねん。特に20代から40代の都市部の有権者に刺さった」


マリコ「でもさ、社会保険料下げたら財源どうすんの?」


サチコ「おっ、マリコ。今日は鋭いこと聞くやん」


マリコ「マネージャーが42回目の説明で言うてた」


サチコ「...あんたのマネージャーの情熱がすごいな。チームみらいは高齢者の医療費の窓口負担を原則3割に引き上げることを財源の一つに挙げとる」


マリコ「今は1割とか2割の人がおるんやったっけ?」


サチコ「75歳以上は原則1割、一定所得以上で2割、現役並み所得で3割。これを全員3割にする」


マリコ「それって...お年寄りから反発くるんちゃう?」


サチコ「当然くる。でもチームみらいは、世代間の公平性を重視しとるねん。現役世代が社会保険料で苦しんどるのに、高齢者の負担が軽いままでは持続可能やない、と」


マリコ「うーん...難しい問題やな」


サチコ「簡単に受けのいいことだけ言わへんところが、逆に信頼を集めたんかもしれんな」


マリコ「ポピュリズムに流されへんってことか」


サチコ「マリコ、ポピュリズムって言葉知っとったんか」


マリコ「知っとるわ!大衆迎合主義やろ。マネージャーの51回目の説明で出てきた」


サチコ「もうマネージャー、チームみらいの広報担当やんけ」


マリコ「ほんまやわ。で、サチコ。消費税の話以外にもあるんやろ」


サチコ「あるある。チームみらいの政策は大きく3本柱や。未来への成長投資、今の生活支援、それとテクノロジーによる行政改革」


マリコ「3本柱。焼き鳥屋みたいやな」


サチコ「例えが台無しや。まず成長投資の話からいくで。チームみらいは子育て減税っていうのを掲げとる」


マリコ「子育て減税?児童手当とはちゃうん?」


サチコ「ちゃう。児童手当はお金をもらう方やけど、子育て減税は所得税を軽くする方や。子どもの数に応じて親の所得税率を段階的に下げるねん」


マリコ「へー。子ども多いほど税金が安くなるってこと?」


サチコ「そういうことや。子育てにお金かかるのは皆分かっとるのに、税制でサポートする仕組みがあんまりないやろ」


マリコ「確かに。私の先輩芸人、子ども3人おるけど、毎月カツカツ言うてるわ」


サチコ「そういう人にとっては、所得税が段階的に下がるのは大きいやろな」


マリコ「ほんでさ、成長投資ってことは、他にもあるんやろ」


サチコ「AI、ロボット、自動運転。ここに集中的に投資するって言うとる」


マリコ「自動運転!それ実現したら私、免許取らんでええやん」


サチコ「あんた免許持ってへんのか」


マリコ「教習所で3回落ちて諦めた」


サチコ「3回...まあええわ。チームみらいは10年以内に全国どこでも自動運転って言うとる」


マリコ「10年!?私が教習所通い直すより早いかもしれん」


サチコ「あと、大学と高専への投資も大きな柱や」


マリコ「高専?」


サチコ「高等専門学校。技術者を育てる学校やな。チームみらいはここに初期投資200億円、年間75億円をつぎ込む計画や」


マリコ「200億!?高専がディズニーランドになるんか」


サチコ「ならんわ。クリーンルームを5拠点に設置して、全高専にGPUサーバーを配備して、トップ技術者100人を教員として招聘するんや」


マリコ「GPUサーバーって何?」


サチコ「AIの計算に必要なめっちゃ速いコンピューターや」


マリコ「へー。私のスマホより速い?」


サチコ「あんたのスマホと比べんな。桁がちゃう」


マリコ「でもさ、なんで高専なん?大学やないの?」


サチコ「大学にもちゃんと投資するで。運営費交付金を2000億円増やして、2004年の水準に戻す計画や。でも高専は実践的な技術者を育てる場所として、AIや半導体の人材育成のハブにしたいんやな」


マリコ「日本の技術力を底上げするってことか」


サチコ「そう。論文の影響力ランキングでも日本は4位から13位に落ちとる。研究者が研究に集中できる環境を作らなあかんのや」


マリコ「13位って...学級委員選挙で13位みたいなもんか」


サチコ「学級委員選挙にそんなに候補者おらんやろ。まあ、要するにヤバいってことや」


マリコ「で、2本目の柱。今の生活支援ってのは?」


サチコ「さっき言うた社会保険料の引き下げもそうやし、プッシュ型行政ってのもある」


マリコ「プッシュ型?押すの?」


サチコ「今の行政サービスは、自分で申請せなアカンやろ。補助金とか給付金とか」


マリコ「ああ、書類いっぱい書いて提出するやつ」


サチコ「チームみらいは、それを逆にしたいんや。行政の方から、あなたはこの支援を受けられますよ、って自動的に届ける仕組み」


マリコ「えっ、そんなことできるん?」


サチコ「マイナンバーとかデータ連携で技術的には可能や。もらえるはずの支援を知らんかった、申請忘れた、っていう人がめっちゃ多いんや」


マリコ「あっ、私もそれあるわ。去年、なんか給付金もらえたらしいんやけど、申請期限過ぎてた」


サチコ「それや。そういう人を無くすのがプッシュ型行政。必要な人に必要な支援が自動的に届く」


マリコ「それはありがたいなぁ。でも、個人情報とか大丈夫なん?」


サチコ「おっ。マリコがまともな心配しとる」


マリコ「まともて言うな。当然の疑問やろ」


サチコ「実際その通りで、デジタルデバイド、つまり技術格差の問題とか、プライバシー保護の問題はついてまわる。チームみらい自身の課題でもあるな」


マリコ「で、3本目の柱。テクノロジーで行政改革ってやつ」


サチコ「ここがチームみらいの真骨頂やな。まず、政治資金の完全透明化」


マリコ「あー、お金の話」


サチコ「2025年10月に、みらいまる見え政治資金っていうツールを開発して公開してん」


マリコ「まる見え?全部見えるん?」


サチコ「銀行口座とクレジットカードのデータを会計ソフトと自動連携させて、収入も支出もリアルタイムで公開しとる」


マリコ「リアルタイム!?いま安野さんがコンビニでおにぎり買ったら、それも分かるん?」


サチコ「政治資金の話やから、私的な買い物は含まれへんと思うけど、まあそれくらいの透明度を目指しとるってことや」


マリコ「すごいな。うちの家計簿もそれ使いたいわ」


サチコ「あんた家計簿つけてへんやろ」


マリコ「つけてへんから自動でやってほしいねん」


サチコ「どうでもええから話を戻すで。国会DXっていうのもある」


マリコ「DX?デラックス?」


サチコ「デジタルトランスフォーメーション。国会のやり方をデジタル化するってことや」


マリコ「国会ってデジタルちゃうの?」


サチコ「全然ちゃう。国会にパソコン持ち込むことすら品位がないって言われる世界やで」


マリコ「えっ。令和やで。令和」


サチコ「せやろ。チームみらいは、みい議会っていう国会審議のオープン化ツールも開発しとる。さらに政党内に10人規模のソフトウェアエンジニアチームを抱えとる」


マリコ「政党の中にエンジニア!?」


サチコ「永田町エンジニアチームって呼んどる。普通の政党には秘書とか政策スタッフはおるけど、プログラマーがおる政党は聞いたことないやろ」


マリコ「確かに。永田町にエンジニアって、お寿司屋さんにプログラマーがおるみたいな違和感あるな」


サチコ「でも、それが今の時代に必要やっていう主張やねん」


マリコ「なるほどなぁ。ところでサチコ、チームみらいの候補者ってどんな人がおるん?」


サチコ「平均年齢39.3歳。全政党で最年少」


マリコ「39.3歳!他の政党ってどれくらいなん」


サチコ「自民党とか60代が中心やろ。チームみらいは東大卒、京大卒、ゴールドマン・サックス出身者とかが並んどる」


マリコ「ゴールドマン・サックス!?なんかRPGのパーティーみたいやな。全員ステータスが高い」


サチコ「逆に言えば、そこが課題でもあるねん」


マリコ「課題?」


サチコ「高学歴のエリート集団やから、地方のおじいちゃんおばあちゃんとか、低所得層には遠い存在に見えるかもしれん」


マリコ「ああ、タワーマンションに住んどる人の政党みたいに思われるってことか」


サチコ「実際、支持が強いのは東京の中央区とか、武蔵小杉のタワマンエリアとか、つくばの研究都市とか。ITリテラシーの高い都市部の層に偏っとる」


マリコ「うちの地元の商店街のおっちゃんらは知らんやろなぁ」


サチコ「そこをどう広げるかが今後のチームみらいの生命線やな」


マリコ「で、サチコ。選挙の話に戻るけど、チームみらいの選挙の仕方も変わっとるんやろ?」


サチコ「せやねん。まず、AIあんのっていうAIアバターがおる」


マリコ「AIアバター?安野さんのAI版?」


サチコ「そう。24時間、有権者の質問に答えるAIや」


マリコ「24時間!?安野さん本人より働いとるやん」


サチコ「AIやからな。寝えへんし、疲れへん」


マリコ「私もAIマリコ作ってもらおうかな。舞台に代わりに立ってもらって」


サチコ「それはサボりや」


マリコ「効率化って言うてくれ」


サチコ「言わんわ。あと、YouTubeの登録者増加数が全政党中2位やったり、ひろゆきとコラボ配信したり」


マリコ「ひろゆき!あの、それってあなたの感想ですよね、の人?」


サチコ「それは彼の決め台詞やけど、まあそうや。SNSでの拡散力がすごかったんやな」


マリコ「でもさ、ポスターとかあんまり見いひんかったって話やけど」


サチコ「そこが面白いとこで、ポスターの少なさや目立たない活動が、逆に失点を減らしたって分析もある」


マリコ「存在感がないのが強みって、なんか矛盾しとらん?」


サチコ「選挙って、目立つほど敵も作るからな。ステルス戦略って呼ばれとる」


マリコ「忍者か」


サチコ「忍者っていうか、他の政党が消費税減税で激しく争っとる横で、静かに比例票を集めていった感じやな」


マリコ「漁夫の利ってやつか」


サチコ「実際、自民党が比例代表で候補者が足りんくて14議席を他党に譲った影響で、チームみらいは2議席プラスになっとる」


マリコ「自民党が勝ちすぎて、チームみらいも得したんか。皮肉やな」


サチコ「政治は何が起こるか分からんな」


マリコ「で、サチコ。チームみらいの一番の売りって結局なんなん?」


サチコ「分断しない政治やろな」


マリコ「分断しない?」


サチコ「安野さんは、あおらない、おとしめない、決めつけない、っていう三つのポリシーを貫いとる」


マリコ「それ、私の漫才と正反対やな。私はあおるし、おとしめるし、決めつける」


サチコ「あんたの自己分析が正確すぎて逆に怖いわ」


マリコ「自覚はあるねん」


サチコ「他の政党を敵にせえへん。データと事実で語る。批判より提案。これがSNSでの炎上合戦に疲れた有権者に響いたんや」


マリコ「確かに、X(旧・ツイッター)とか見てたら政治の話って喧嘩ばっかりやもんな」


サチコ「しかもチームみらいは、他の政党も日本の未来をつくる仲間、っていう姿勢を取っとる」


マリコ「仲間!?少年漫画か」


サチコ「右でも左でもなく、前を見る。イデオロギーの対立を超えて実務とテクノロジーで課題を解決する。ポストイデオロギー政治とも呼ばれとる」


マリコ「ポストイデオロギー。ポストに手紙入れるやつちゃうよな」


サチコ「ちゃうわ。イデオロギー、つまり思想的な対立を乗り越えた後の政治っていう意味や」


マリコ「なるほどなぁ。ところでサチコ、チームみらいのデジタル民主主義って何なん?マネージャーが67回目の説明で力説してたけど、私にはよう分からんかった」


サチコ「67回説明されて分からんって、マネージャーかわいそうやな」


マリコ「だってAIがどうとかデータがどうとか言われても」


サチコ「簡単に言うとな、今の民主主義って選挙の時だけ声を届けるやろ」


マリコ「投票の時だけ、ってこと?」


サチコ「そう。でもデジタル民主主義は、選挙以外の時も常に国民の声を集めて、政策に反映する仕組みを作ろうっていう考え方や」


マリコ「常にって、毎日アンケートするん?」


サチコ「アンケートっていうより、AIで膨大な数の意見を分析して集約するんや。ブロードリスニングっていう手法でな」


マリコ「へー。でもそれって、ネットの声ばっかり拾うことにならへん?おじいちゃんおばあちゃんの声は?」


サチコ「...マリコ、今日はほんまに鋭いな」


マリコ「いつも鋭いで」


サチコ「いつもはボケ倒しとるやろ。でもその指摘は正しい。デジタルデバイド、情報格差の問題はチームみらい自身が認識しとる課題や」


マリコ「やっぱりな。テクノロジーは便利やけど、使えん人はどうすんねんっていう」


サチコ「ただ、チームみらいの言うデジタル民主主義は、国会をネット投票に変えるとか、AIが政治家の代わりに決めるとかいう話やないねん」


マリコ「えっ、ちゃうの?」


サチコ「ちゃう。今の代議制民主主義はそのままで、その上にデジタルの参加層を重ねるイメージや。国民の声を集めて、見えるようにして、政策の検証に使う。でも最終的に決めるのは国会議員」


マリコ「補助的な役割ってこと?」


サチコ「そう。民主主義のバージョン2.0。アップデートやな」


マリコ「なるほど。革命やなくて、アップデートか」


サチコ「そこが賢いとこやねん。憲法改正も要らんし、今の制度を壊す必要もない。むしろ戦後の民主主義が手つかずやった国民参加の部分を補完するんや」


マリコ「うまいこと考えとるなぁ」


サチコ「実はな、日本は意外とデジタル民主主義に向いとるとも言われとる」


マリコ「え、日本が?IT後進国って言われてへん?」


サチコ「行政のIT化は遅れとるけど、国民性として極端な分断が少ない、中間的な意見が多い、合意形成の文化がある。それにネット利用率も高い」


マリコ「ああ、確かに。アメリカみたいに右と左で殺し合いみたいにはなっとらんもんな」


サチコ「声が届かへんだけで、みんなちゃんと考えとる。その声を可視化するのがデジタル民主主義の本質や」


マリコ「ふーん...ちょっと感心したわ」


サチコ「マリコが感心するなんて珍しいな」


マリコ「でもさ、サチコ。11議席って、実際なんかできるん?」


サチコ「正直、11議席では法案を単独で提出する権限もないんや」


マリコ「あかんやん」


サチコ「でもな、チームみらいの本当の武器は議席の数やなくて、影響力やと思う」


マリコ「影響力?」


サチコ「安野さんは既に内閣官房デジタル行財政改革戦略チームの構成員やし、東京都のAI戦略会議の委員もやっとる。政府との協力関係は結党前から築いとる」


マリコ「なるほど。中から変えていく作戦か」


サチコ「しかも高市政権とは意外な親和性があるねん」


マリコ「高市さんと?保守の権化みたいな人と?」


サチコ「AIとか半導体への投資重視は共通してる。デジタル化の推進もそう。ただし社会政策は全然ちゃうけど」


マリコ「共通点あるけど、違うとこもあると。同じ電車に乗ってるけど降りる駅がちゃうみたいなもんか」


サチコ「うまいこと言うやん。技術政策では協力できるけど、高齢者の医療費負担の話になったら対立するやろな」


マリコ「政治は複雑やなぁ」


サチコ「で、チームみらいの将来について、いくつかシナリオが考えられるねん」


マリコ「シナリオ?映画みたいに?」


サチコ「楽観シナリオやと、2028年の参院選でさらに躍進して衆参で20から30議席を確保。キャスティングボートを握る存在になる」


マリコ「キャスティングボート?」


サチコ「法案が通るか通らんかを左右できるポジションや。公明党がずっとやってた役割やな」


マリコ「第二の公明党か」


サチコ「現実的なシナリオでは、15から20議席を維持して、デジタルとかAIの分野で影響力を発揮する安定した小政党」


マリコ「まあ、それでもすごいけどな」


サチコ「悲観シナリオでは...」


マリコ「あかんパターンもあるんか」


サチコ「専門性が高すぎて大衆性が欠ける。政策の実現に時間がかかって支持者が失望する。維新とか国民民主に票を奪われる」


マリコ「うーん...」


サチコ「最悪、他の党に吸収される可能性もある」


マリコ「吸収!?合併みたいに?」


サチコ「日本の政治史を見たら、新党ができては消えてきたからな。チームみらいが例外になれるかどうか」


マリコ「それは安野さんの腕次第ってことか」


サチコ「安野さんだけやなくて、支持者と党員の力もやな。組織基盤がまだ弱いのは事実やし」


マリコ「公明党には創価学会があって、国民民主には連合があるけど、チームみらいにはそういうのがないと」


サチコ「せや。SNSとネットのコミュニティが支持基盤の中心やから、それが強みでもあり弱みでもある」


マリコ「なるほどなぁ。サチコ、最後にさ」


サチコ「ん?」


マリコ「私、今日の漫才やりながらずっと思っとったんやけど」


サチコ「何を?」


マリコ「チームみらいって、漫才で言うたら今までにないスタイルの新人やんな」


サチコ「ほう。どういうこと?」


マリコ「正統派でもないし、ゲテモノ芸でもない。テクノロジーっていう武器を持って、今までの漫才界にはおらんかったタイプ」


サチコ「漫才に例えるのは新しいな」


マリコ「でもな、新しいスタイルが定着するかどうかは、結局お客さんが笑うかどうかやねん」


サチコ「お客さんっていうのは有権者のことやな」


マリコ「そう。理念がどんなに正しくても、暮らしが良くならんかったら、お客さんは離れていく」


サチコ「...マリコ。今日のあんた、どうしたん。めっちゃ深いやんけ」


マリコ「だって67回もマネージャーに説明されたら、嫌でも考えるわ」


サチコ「67回の洗礼を受けたマリコは一味ちゃうな」


マリコ「でもな、私はチームみらいに一つだけ言いたいことがある」


サチコ「何?」


マリコ「AIで何でも効率化するのはええけど、漫才だけはAIに任せんといてほしい」


サチコ「なんで?」


マリコ「だってAIが漫才やったら、私ら失業やんけ」


サチコ「...それは心配せんでええと思うで」


マリコ「なんで」


サチコ「AIにマリコのボケは再現でけへんやろ。あんたのボケは人間にしか出せん味やわ」


マリコ「えっ、サチコ...それ褒めてるん?」


サチコ「褒めてるかどうかは微妙やけどな」


マリコ「微妙て言うな!ほな最後に、私からチームみらいに提案がある」


サチコ「嫌な予感がするな」


マリコ「永田町エンジニアチームに、お笑い担当を入れてほしい」


サチコ「お笑い担当?」


マリコ「政治に笑いは必要やろ。国会がつまらんから誰も見えへんのや。国会中継の視聴率を上げるために、各委員会に一人ずつ漫才師を配置する」


サチコ「配置するな。国会は劇場やないんや」


マリコ「でも安野さんはSF作家でもあるんやろ?創造力のある人やん。漫才の台本くらい書けるんちゃう?」


サチコ「政治家にそんな仕事させるな」


マリコ「ほな、AIあんのに漫才やらせよう。24時間漫才できるAI。名付けてAI漫才トランスフォーメーション。AMTX」


サチコ「何の略やねん。もうええわ」


マリコ「あ、最後にもう一個」


サチコ「まだあるんか」


マリコ「マネージャーが言うてたんやけど、チームみらいのスローガンが未来は明るいと信じられる国へ、やって」


サチコ「せやな」


マリコ「私もそう思うわ。どの政党を応援するかは人それぞれやけど、未来が明るいって信じたい気持ちは、みんな一緒やもんな」


サチコ「...マリコ。今日の最後はええこと言うやんけ」


マリコ「まあな。67回聞いた甲斐があったわ」


サチコ「で、マネージャーには何て言うたん?」


マリコ「68回目の説明はもうええって言うた」


サチコ「ほんまにもうええわ!」


マリコ・サチコ「どうも、ありがとうございましたー!」


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