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サチコとマリコの時事ネタ漫才  作者: 藍埜佑


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11/32

第161話「5兆ウォンの喪失!~韓国が8年で駆け抜ける日本の35年、圧縮された絶望の未来予測~」

マリコ「どうもー!サチコ・マリコでーす!」


サチコ「よろしくお願いしますー」


マリコ「サチコ、私な、最近すごいニュース読んでん」


サチコ「ほう、珍しいな。何読んだん?」


マリコ「韓国の若者が部屋に引きこもってるって話」


サチコ「お、韓国の引きこもり問題か。よう知っとるやん」


マリコ「53万8000人もおるねんて。19歳から34歳までで」


サチコ「数字まで覚えとるやんけ。えらいな」


マリコ「でな、その経済的な損失が年間5兆3000億ウォンやって」


サチコ「5兆3000億ウォン...日本円で約5639億円や。ちゃんと調べたんやな」


マリコ「私も成長したやろ」


サチコ「感心したで。で、何がそんなに気になったん?」


マリコ「5兆3000億ウォンって、めっちゃ大金やん。それで引きこもり1人あたり年間983万ウォンの損失やって」


サチコ「日本円で約104万円やな」


マリコ「私の年収やん」


サチコ「あんたの年収104万円なん!?それ、生活できへんやろ」


マリコ「いや、違う違う。比喩や、比喩」


サチコ「比喩になってへんわ。で、この問題の何が深刻なんや?」


マリコ「引きこもり率がな、2022年は2.4%やったのに、2024年には5.2%になってん」


サチコ「2年で倍増しとるやんか」


マリコ「倍増!私の体重みたいやな」


サチコ「あんた、2年で体重倍になったん?」


マリコ「いや、なってへん。比喩や」


サチコ「せやからそれは比喩になってへん、って言うてるやろ!でもな、これは日本の就職氷河期問題と似とるけど、もっと急激なんや」


マリコ「急激?どれくらい?」


サチコ「韓国の高齢化速度はな、高齢社会から超高齢社会への移行が約8年や」


マリコ「8年?短いな」


サチコ「日本は35年かかってんねん」


マリコ「35年!?4倍以上やん」


サチコ「せや。フランスは154年、ドイツは76年かかっとる」


マリコ「154年!?江戸時代から昭和くらいの長さやん」


サチコ「江戸時代は1603年から始まるから、もっと長いけどな」


マリコ「まあ、とにかく長いってことや。で、韓国は8年でそれを経験するん?」


サチコ「せや。日本が30年以上かけてゆっくり経験した変化を、韓国は8年で一気に駆け抜けようとしとる」


マリコ「それ、ジェットコースターみたいやな」


サチコ「社会変化のジェットコースターや。若者はシートベルトも締める暇ないまま、急降下しとる」


マリコ「怖いな...でもさ、なんで韓国の若者は引きこもるん?」


サチコ「一番の理由は就職難や。引きこもりの理由で一番多いんが職業関連の困難で32.8%」


マリコ「3割!?名前忘れたけど、誰かが言うてたな。就職できへんから引きこもるって」


サチコ「誰や、その誰かって」


マリコ「忘れた」


サチコ「最初から知らんのやろ。でもな、もっと恐ろしいデータがあってな」


マリコ「何?」


サチコ「失業期間が長引くほど、引きこもりになる確率が跳ね上がるんや」


マリコ「どれくらい?」


サチコ「求職活動が14カ月続くと、引きこもり確率が24.1%」


マリコ「4人に1人やん」


サチコ「42カ月、つまり3年半を超えると、50%を超える」


マリコ「半分!?2人に1人が引きこもりになるん?」


サチコ「そういうことや。3年半仕事探して見つからんかったら、半分以上の人が社会から撤退する」


マリコ「それ、ロシアンルーレットより確率高いやん」


サチコ「ロシアンルーレットは6分の1やからな。こっちは2分の1や」


マリコ「なんでそんなに引きこもるん?」


サチコ「韓国の雇用構造が極端やからや。大企業と中小企業の給料格差が約1.5倍から2倍ある」


マリコ「2倍!?どういうこと?」


サチコ「大企業の初任給が平均3800万ウォン、中小企業は2500万ウォンや」


マリコ「日本円でどれくらい?」


サチコ「大企業が約400万円、中小企業が約260万円くらいや」


マリコ「140万円も違うん!?私の年収より多い差やん」


サチコ「だからあんたの年収はいくらやねん」


マリコ「それはトップシークレットや」


サチコ「まあ、ええわ。でな、サムスンとかSKとか10大財閥企業の初任給は4200万ウォンから5300万ウォンや」


マリコ「5300万ウォン!?それ、日本円で?」


サチコ「約560万円や」


マリコ「初任給で560万円!?私、10年働いてもそんなにもらってへんで」


サチコ「それ、マジで言うてるんか?」


マリコ「冗談や、冗談。でも、すごい金額やな」


サチコ「しかもな、この10大財閥の初任給は、中小企業の課長クラスより高いんや」


マリコ「課長より高い!?新入社員が課長より稼ぐん?」


サチコ「せや。だから若者は必死で大企業に入ろうとする」


マリコ「そらそうや。私かて、新入社員で課長の給料もらえるなら、死ぬ気で頑張るわ」


サチコ「でも、大企業で働けるんは韓国人の14%だけや」


マリコ「14%!?少なっ」


サチコ「アメリカは58%が大企業で働いとるのに、韓国は14%や」


マリコ「ほな、86%の人は中小企業か」


サチコ「せや。で、中小企業は給料半分や。そらみんな大企業入りたいわな」


マリコ「入られへんかったら?」


サチコ「諦めるか、浪人するか、引きこもるか」


マリコ「人生ハードモードやな」


サチコ「しかもな、韓国は4大財閥だけで、全上場企業の売上の50%、純利益の60%を占めとる」


マリコ「4つの会社で60%!?」


サチコ「GDP の77%を上位30社が占めとる。アメリカのトップ500社が66%占めとるのに、韓国は30社で77%や」


マリコ「完全に財閥経済やん」


サチコ「せや。だから勝者総取りの社会って呼ばれとる」


マリコ「勝者総取り...私、総取りしたことないわ」


サチコ「誰もあんたの話してへん。でもな、この構造が若者を追い詰めとるんや」


マリコ「どう追い詰めるん?」


サチコ「大企業に入れなければ、生涯庶民確定や。努力しても報われへん」


マリコ「努力は報われるって、昔の人が言うてたやん」


サチコ「それは建前や。現実は厳しい」


マリコ「でもさ、サチコ」


サチコ「なんや」


マリコ「韓国って受験戦争もすごいんやろ?」


サチコ「よう知っとるな。韓国の高校生は週65時間勉強しとる」


マリコ「65時間!?1週間168時間のうち、65時間勉強?」


サチコ「せや。日本は32時間、アメリカは33時間、フィンランドは30時間や」


マリコ「倍やん!睡眠時間どうなっとんの?」


サチコ「小学生でも1日平均6時間49分勉強して、余暇は49分しかない」


マリコ「余暇49分!?私、昼寝だけで1時間使うのに」


サチコ「あんたは昼寝しすぎや。でもな、そこまで勉強しても、名門大学出ても、就職できへんのが現実や」


マリコ「それ、詐欺やん」


サチコ「詐欺やないけど、社会構造の問題や」


マリコ「ほな、勉強する意味ないやん」


サチコ「意味はあるけど、期待値と現実のギャップが大きすぎるんや」


マリコ「なんか、気の毒やな」


サチコ「気の毒どころやない。この構造が、金のスプーンって言葉まで生んどる」


マリコ「金のスプーン?」


サチコ「富裕層の家に生まれた人のことや。金のスプーンを持って生まれてきたって意味」


マリコ「あー、日本でも親ガチャって言うやつか」


サチコ「せや。韓国の若者も、金のスプーンを持ってる人と自分を比べて、絶望するんや」


マリコ「私、銀のスプーンも持ってへんわ。プラスチックのスプーンや」


サチコ「コンビニでもらうやつか。でもな、韓国にはもう一つ大きな問題がある」


マリコ「何?」


サチコ「徴兵制度や」


マリコ「徴兵!男の人は軍隊行かなあかんやつ」


サチコ「せや。20代の約2年間、兵役に行かなあかん」


マリコ「2年間!?その間、仕事できへんやん」


サチコ「できへん。で、兵役終わって戻ってきたら、同級生は2年先に進んどる」


マリコ「追いつくん大変やな」


サチコ「追いつけへん人も多い。就職でも不利になるし、恋愛でも不利や」


マリコ「恋愛も!?なんで?」


サチコ「年齢が上がるやろ。韓国では新入社員の平均年齢が1998年は25.1歳やったのに、2020年には31歳になっとる」


マリコ「31歳!?新入社員で31歳って、日本やったら中堅やん」


サチコ「そこに徴兵の2年が加わるから、男性はさらに遅れる」


マリコ「これ、人生のタイムスケジュールがめちゃくちゃやな」


サチコ「せや。で、失敗したら這い上がれへん」


マリコ「這い上がれへんの?」


サチコ「韓国は日本以上に年功序列が強いし、一度レールから外れたら戻れへん社会や」


マリコ「一発勝負やん」


サチコ「せや。で、負けた人はどうするか」


マリコ「引きこもる!」


サチコ「正解や」


マリコ「でもさ、引きこもったら、その人らどうしてるん?」


サチコ「調査によるとな、OTTで動画見てるんが23.2%、ネット活動が15.6%や」


マリコ「OTTって何?」


サチコ「NetflixとかYouTubeとか、インターネット経由の動画配信サービスや」


マリコ「あー、私もよう見るわ」


サチコ「あんたは引きこもりやないやろ」


マリコ「ちゃうちゃう。でも、1日中動画見てるだけって、寂しないん?」


サチコ「寂しいやろな。調査では、この2週間で交流した人が誰もいないって答えた人が24.1%おった」


マリコ「4人に1人が誰とも喋ってへんってこと?」


サチコ「せや。引きこもりの平均交流人数は2.71人で、ソウル市の青年全体の平均8.77人の3分の1以下や」


マリコ「3分の1...孤独やな」


サチコ「もっと深刻なんはな、自殺を考えたことがある人が75.4%おるんや」


マリコ「75.4%!?4人に3人やん」


サチコ「せや。実際に自殺を試みた人も26.7%や」


マリコ「4人に1人が実際に試みとるん?」


サチコ「そういうことや。2020年、韓国の自殺率はOECD諸国で最も高かった」


マリコ「最も高い...」


サチコ「10代の自殺率は9.4%上昇、20代は12.8%上昇しとる」


マリコ「なんでそこまで追い詰められるん?」


サチコ「希望がないからや。頑張っても報われへん、失敗したら終わり、親にも迷惑かける」


マリコ「三重苦やん」


サチコ「三重苦どころやない。五重苦、六重苦や」


マリコ「数えきれへんくらいの苦しみがあるんやな」


サチコ「せやねん。で、その苦しみは、さっき言うた高齢化とも関係しとる」


マリコ「どう関係するん?」


サチコ「2024年12月、韓国は超高齢社会に突入したんや」


マリコ「超高齢社会?高齢化率が20%超えるやつ?」


サチコ「よう知っとるやん。せや、高齢化率20%超えや」


マリコ「で、それが引きこもりとどう関係するん?」


サチコ「現役世代の負担が急激に増えるんや。年金も医療費も、全部働いてる人が支えなあかん」


マリコ「重いな」


サチコ「重すぎる。しかも、その働いてる人の中から、引きこもりが増えとる」


マリコ「働く人が減って、支える人が増えて」


サチコ「せや。二重の人口減少や」


マリコ「二重?」


サチコ「出生率の低下で若者が減る、引きこもりで働く人が減る」


マリコ「ダブルパンチやん」


サチコ「韓国の出生率はな、2023年に0.72や」


マリコ「0.72!?1人産んでへんやん」


サチコ「OECD唯一の1.0未満や。世界最低」


マリコ「世界最低...なんでそんなに低いん?」


サチコ「結婚できへんからや。金がない、時間がない、希望がない」


マリコ「ないないづくしやん」


サチコ「で、このまま行くと、韓国の総人口は2019年の5165万人がピークで、2067年には3365万人まで減る」


マリコ「3365万人!?1800万人も減るん?」


サチコ「せや。1972年の水準に戻る」


マリコ「1972年!?私のおばあちゃんが若い頃やん」


サチコ「タイムマシンで過去に戻るみたいな話や」


マリコ「怖いな...でもさ、政府は何してるん?」


サチコ「色々やっとるで。月額最大65万ウォン、日本円で約6万6000円支給する制度も始めた」


マリコ「え、引きこもりにお金あげるん?」


サチコ「あげるっていうか、支援や。職業訓練とかカウンセリングとセットでな」


マリコ「それ、ええやん。私も欲しいわ」


サチコ「あんたは働いとるやろ」


マリコ「働いとるけど、6万6000円は欲しいわ」


サチコ「誰でももらえるわけやないねん!引きこもりの支援策や言うてるやろ」


マリコ「ケチやな」


サチコ「ケチやない。でもな、この支援策にも批判があるんや」


マリコ「何て批判されとるん?」


サチコ「韓国のネットでは、何もしない人に金あげるなって声が多い」


マリコ「厳しいな」


サチコ「税金と物価が上がる一方で、まともに働く人が苦しむばかりだって」


マリコ「それは分かる気がする」


サチコ「手厚く世話しすぎやから引きこもるんやって意見もある」


マリコ「飢え死にしそうになったら働くやろって?」


サチコ「せや。でもな、そういう問題やないんや」


マリコ「どういう問題なん?」


サチコ「構造の問題や。個人の怠けとかやなくて、社会システムが壊れとる」


マリコ「壊れとる?」


サチコ「せや。努力しても報われへん、失敗したら終わり、格差は固定、高齢化は爆速」


マリコ「全部一気に来とるんやな」


サチコ「日本が35年かけて経験したことを、韓国は8年で経験しようとしとる」


マリコ「8年って、小学校入学から中学卒業までの期間やん」


サチコ「せや。その短い間に、社会の形が激変する」


マリコ「対応できひんわな」


サチコ「できるわけない。でもな、もっと恐ろしいんは、これから先や」


マリコ「これから?」


サチコ「2044年、韓国の高齢化率は36.7%になる見込みや」


マリコ「36.7%?」


サチコ「日本を超える。日本は36.5%や」


マリコ「0.2ポイント差で韓国が世界一の高齢国になるんか」


サチコ「せや。世界で最も老いた国や」


マリコ「そんな金メダルいらんやん」


サチコ「せやな、誰も欲しない金メダルや。で、そのとき、今の引きこもり青年はどうなっとると思う?」


マリコ「どうなってるん?」


サチコ「引きこもり中年になっとる」


マリコ「あー、日本の8050問題みたいなやつ?」


サチコ「せや。80代の親が50代の引きこもりの子供を支える」


マリコ「親が80代やったら、もう支えられへんやろ」


サチコ「支えられへん。で、共倒れする」


マリコ「共倒れ...」


サチコ「今、韓国の引きこもり青年は53万8000人や。この人らが20年後、50代になる」


マリコ「その時、親は?」


サチコ「70代から80代や。年金も少ない、医療費もかかる」


マリコ「子供も親も困窮するんか」


サチコ「せや。で、誰が支えるんや」


マリコ「国?」


サチコ「国も金ないで。だって、現役世代が減っとるもん」


マリコ「働く人が減って、支える人が増えて」


サチコ「税収は減って、社会保障費は爆増や」


マリコ「詰んどるやん」


サチコ「詰んどる。このままやとな」


マリコ「でもさ、サチコ」


サチコ「なんや」


マリコ「希望はないん?何か対策とか」


サチコ「対策は色々考えられとる。でも、簡単やない」


マリコ「どんな対策?」


サチコ「まず、経済構造の改革や。財閥依存から脱却して、中小企業の競争力を強化する」


マリコ「中小企業の給料上げるってこと?」


サチコ「せや。同一労働同一賃金を徹底して、格差を縮める」


マリコ「それ、できるん?」


サチコ「簡単やない。財閥と戦わなあかんから」


マリコ「そもそも戦えるんけ?」


サチコ「分からへん。でも、やらな未来ない」


マリコ「ほかには?」


サチコ「教育改革や。受験戦争を緩和して、失敗を許容する文化を作る」


マリコ「失敗してもええよって?」


サチコ「せや。一度失敗しても、やり直せる社会にする」


マリコ「それ、めっちゃ大事やと思う」


サチコ「あと、引きこもり支援の拡充や。早期発見、早期介入で、引きこもりが長期化する前に手を打つ」


マリコ「ニートカンパニーってのもあるんやろ?」


サチコ「よう知っとるな。NEET Lifersっていう団体が、疑似就業体験プログラムをやっとる」


マリコ「疑似就業?」


サチコ「会社ごっこみたいなもんや。ニートの人が集まって、会社の真似事をする」


マリコ「会社ごっこ!?子供の遊びみたいやな」


サチコ「遊びやないねん。社会復帰のリハビリや」


マリコ「ああ、なるほど。いきなり本物の会社は怖いから、練習するんやな」


サチコ「せや。で、少しずつ自信をつけて、本当の仕事に就く」


マリコ「ええやん、それ」


サチコ「ええやろ。でもな、これだけやと足りへん」


マリコ「何が足りへんの?」


サチコ「根本的な価値観の変革や」


マリコ「価値観?」


サチコ「せや。名門大学、大企業、高収入だけが成功やないって、社会全体が認めなあかん」


マリコ「それ、難しないん?」


サチコ「めちゃくちゃ難しい。何十年もかけて作られた価値観を変えるんやから」


マリコ「何十年...私が生まれる前からの価値観か」


サチコ「せや。でも、変えなあかん。このままやと、韓国社会は持たへん」


マリコ「持たへんって、どうなるん?」


サチコ「一番悪いシナリオやと、2030年代には引きこもり率が8%から10%に上がる」


マリコ「10%!?10人に1人やん」


サチコ「せや。経済的コストは10兆ウォン、約1兆円規模になる」


マリコ「1兆円!?私の年収の.何倍..計算できへんわ」


サチコ「計算せんでええわ。で、2040年代には、引きこもり中年が大量発生して、8050問題が全国規模で顕在化する」


マリコ「全国規模...」


サチコ「社会保障制度が崩壊の危機に陥って、世代間対立が激化する」


マリコ「若者と老人が争うん?」


サチコ「争うっていうか、対立が深まる。俺らが支えてるのに、なんで俺らは支えてもらえへんのやって」


マリコ「不公平やもんな」


サチコ「で、優秀な若者は海外に逃げる」


マリコ「脱出か」


サチコ「せや。アメリカ、カナダ、日本とかに移住する」


マリコ「国に残るんは、逃げられへん人だけ」


サチコ「そういうことや。これが最悪のシナリオや」


マリコ「最悪すぎるやん」


サチコ「でもな、楽観的なシナリオもあるで」


マリコ「どんなん?」


サチコ「今から本気で改革に取り組めば、引きこもり率を3%から4%に抑えられる可能性がある」


マリコ「3%から4%?今5.2%やろ?下がるんや」


サチコ「下がるっていうか、これ以上上がらへんようにするんや」


マリコ「それでも希望あるやん」


サチコ「あるけど、簡単やない。財閥主導の経済、受験戦争、年功序列、全部変えなあかん」


マリコ「全部!?」


サチコ「全部や。社会の根っこから変えなあかん」


マリコ「それ、何年かかるん?」


サチコ「20年から30年や」


マリコ「長いな...」


サチコ「長いけど、やるしかない。やらんかったら、韓国社会は本当に終わる」


マリコ「終わるって...」


サチコ「人口減少、高齢化、引きこもり、全部が重なって、社会が維持できへんくなる」


マリコ「でもさ、サチコ」


サチコ「なんや」


マリコ「韓国だけの問題ちゃうやろ」


サチコ「鋭いな。せやねん、日本も似た問題抱えとる」


マリコ「日本も引きこもり100万人超えとるもんな」


サチコ「せや。中国も寝そべり族って言われる若者がおる」


マリコ「寝そべり族!?寝転んでるん?」


サチコ「比喩や。競争から降りて、最低限の生活だけする若者のことや」(★藍埜注:第92話「中国の若者がヤバい!?~寝そべる!腐る!絶望の国のハッピーライフ!?~」で詳しくやってます!)


マリコ「あー、頑張らへん人たちか」


サチコ「頑張っても報われへんから、頑張るのやめたんや」


マリコ「なんか、悲しいな」


サチコ「悲しいけど、それが現実や。で、韓国はその中でも一番速いスピードで変化しとる」


マリコ「圧縮された絶望か」


サチコ「ええ言葉やな。まさにそれや」


マリコ「でもな、私一つ思ったことあるわ」


サチコ「何?」


マリコ「韓国の若者、頑張りすぎちゃうん?」


サチコ「どういうこと?」


マリコ「だって、週65時間も勉強して、名門大学入って、それでも就職できへんやろ」


サチコ「せやな」


マリコ「それ、努力の方向が間違っとるんちゃう?」


サチコ「ほお、ええこと言うやん」


マリコ「みんなが同じ方向に走ってるから、渋滞起きとるんちゃうかって」


サチコ「確かに。みんなが名門大学目指して、みんなが大企業目指して、道が詰まっとる」


マリコ「ほな、別の道作ったらええがな」


サチコ「別の道?」


マリコ「中小企業でも幸せになれる、地方でも幸せになれる、大学行かんでも幸せになれる」


サチコ「それが価値観の変革や」


マリコ「あ、さっき言うてたやつか」


サチコ「せや。マリコが言うてることと、専門家が言うてることが一緒や」


マリコ「私、専門家レベルやん」


サチコ「調子乗んな。でも、確かにその通りや」


マリコ「私、韓国行って、若者に言うたろか」


サチコ「何て言うねん」


マリコ「幸せの形は一つやないでって」


サチコ「ええこと言うやん」


マリコ「お金なくても、名門大学出てへんでも、大企業おらんでも、幸せになれるって」


サチコ「...マリコ、今日はどうしたん?冴えとるやないか」


マリコ「どうもしてへんで。ただ、韓国の若者が可哀想やなって思ってん」


サチコ「可哀想か」


マリコ「だって、生まれた時から競争させられて、失敗したら終わりって言われて」


サチコ「せやな」


マリコ「自殺考える人が75%もおって」


サチコ「辛いやろな」


マリコ「私やったら、耐えられへんと思う」


サチコ「...せやな」


マリコ「でもさ、サチコ」


サチコ「なんや」


マリコ「この問題、解決できると思う?」


サチコ「正直、分からん」


マリコ「分からんのか」


サチコ「社会の構造を変えるのは、めちゃくちゃ時間かかるし、抵抗も大きい」


マリコ「抵抗?」


サチコ「財閥とか、既得権益を持ってる人たちが反対するやろ」


マリコ「変わりたくないってこと?」


サチコ「せや。変わったら、自分たちの利益が減るかもしれへんから」


マリコ「自分のことしか考えてへんやん」


サチコ「そういう人もおる。でもな、変わらなあかんって思ってる人もおる」


マリコ「どっちが多いん?」


サチコ「分からん。でも、これから10年が勝負や」


マリコ「10年?」


サチコ「せや。2030年代半ばまでに、どれだけ改革できるかで、韓国の未来が決まる」


マリコ「タイムリミットあるんやな」


サチコ「ある。時間との戦いや」


マリコ「なんか、映画みたいやな」


サチコ「映画やったらハッピーエンドやけど、現実はどうなるか分からん」


マリコ「ハッピーエンドになってほしいな」


サチコ「私もや」


マリコ「でもさ、サチコ」


サチコ「なんや」


マリコ「私ら、何かできることない?」


サチコ「私らって、日本人がか?」


マリコ「うん。隣の国やし」


サチコ「そうやな...まず、他人事やないって認識することや」


マリコ「他人事やない?」


サチコ「日本も似た問題抱えとるからな。韓国の今は、日本の近未来かもしれへん」


マリコ「あー、日本も高齢化進んどるもんな」


サチコ「せや。だから、韓国がどう対応するか見て、学ぶことができる」


マリコ「反面教師ってこと?」


サチコ「反面教師っていうか、先行事例や」


マリコ「なるほどな」


サチコ「あと、偏見を持たへんことや」


マリコ「偏見?」


サチコ「引きこもりは怠け者やとか、自己責任やとか、そういう偏見」


マリコ「確かに、そういう見方する人おるな」


サチコ「でも、実際は社会構造の問題やってことを理解せなあかん」


マリコ「個人のせいやなくて、社会のせい」


サチコ「両方や。個人の要因もあるけど、社会の要因の方が大きい」


マリコ「なるほどなー」


サチコ「で、最後に、希望を語り続けることや」


マリコ「希望?」


サチコ「せや。どんなに厳しい状況でも、希望は捨てたらあかん」


マリコ「でも、韓国の若者、希望持てへんって言うてたやん」


サチコ「持てへんからこそ、持たせなあかんねん」


マリコ「どうやって?」


サチコ「成功事例を見せることや。引きこもりから社会復帰した人の話とか、別の生き方で幸せになった人の話とか」


マリコ「ロールモデルか」


サチコ「せや。この道しかないって思い込んでる人に、別の道もあるって見せる」


マリコ「私も誰かのロールモデルになれるかな」


サチコ「あんたは...どうやろな」


マリコ「なれへんのかい!」


サチコ「いや、なれるかもしれへんけど」


マリコ「どんなロールモデル?」


サチコ「名門大学出てへんでも、大企業おらんでも、漫才で生きていけるっていう」


マリコ「それ、ロールモデルなん?」


サチコ「ある意味ではな」


マリコ「ほな、私、韓国の若者に言うたるわ」


サチコ「何て?」


マリコ「私を見てください、大学も出てへん、英語も喋られへん、たいしたスペックも何もない、でも生きてますって」


サチコ「それ、励ましになるんか?」


マリコ「なるやろ!希望の星や!」


サチコ「星...かなぁ」


マリコ「星や!マリコ・ザ・ホープスター!」


サチコ「名前つけんな」


マリコ「でもさ、ほんまに私みたいなんでも生きていけるって分かったら、ちょっとは楽になるんちゃう?」


サチコ「...まあ、そうかもしれへんな」


マリコ「せやろ。完璧やなくてええ、失敗してもええ、とりあえず生きてたらええって」


サチコ「それ、大事なことやと思う」


マリコ「私、意外と深いこと言うやろ」


サチコ「たまにはな」


マリコ「たまにはって何や!いつも言うてるわ!」


サチコ「冗談や。でもな、マリコが言うてること、ほんまに大事やと思う」


マリコ「ほんまに?」


サチコ「ほんまや。生きてるだけで価値があるって、もっと社会が認めなあかん」


マリコ「そうやんな」


サチコ「競争に勝つことだけが価値やないって」


マリコ「せや、存在してるだけで価値があるねん」


サチコ「...ええこと言うやん」


マリコ「私、今日冴えてるやろ」


サチコ「おう、珍しく冴えてる」


マリコ「ほな、私、韓国引きこもり問題評論家になるわ」


サチコ「また出た」


マリコ「マリコ・コリアン・ソーシャル・ウィズドローアル・アナリスト!」


サチコ「長い!しかも英語無理やり入れとるやんか」


マリコ「かっこええやろ」


サチコ「かっこよくない。それに、あんた韓国語喋られへんやろ」


マリコ「喋られへんけど、心で通じ合うねん」


サチコ「心で通じ合えるんやったら、言葉いらんやんか」


マリコ「言葉より大事なもんがあるねん」


サチコ「何?」


マリコ「共感や」


サチコ「...まあ、それは合うてるな」


マリコ「せやろ。私、韓国の若者の気持ち、分かる気がするもん」


サチコ「どこが分かるねん」


マリコ「頑張っても報われへん感じとか、将来不安とか」


サチコ「あんた、将来のこと考えたことあるん?」


マリコ「ないけど、考えたら不安やと思う」


サチコ「考えてへんのかい」


マリコ「考えたら怖いから考えへんようにしてるねん」


サチコ「それ、逃避やんか」


マリコ「逃避も時には必要や」


サチコ「韓国の若者は逃避してる場合やないけどな」


マリコ「せやな...現実、厳しすぎるもんな」


サチコ「厳しい。でも、向き合わなあかん」


マリコ「向き合うん、怖いやろな」


サチコ「怖いやろ。でも、向き合わへんかったら、何も変わらへん」


マリコ「そっか...」


サチコ「韓国の若者も、社会も、今、岐路に立っとる」


マリコ「岐路か」


サチコ「せや。このまま沈むか、立ち上がるか」


マリコ「立ち上がってほしいな」


サチコ「私もや」


二人「どうも、サチコ・マリコでしたー!」


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