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サンゴのかがやくひみつ

ころぷくたちは、

ゆっくり、ゆっくり進んでいました。


ころころ。

すいー。

ふわふわ。

ひょこ。

くるくる。


いろんな動きが、

ひとつの流れになっています。


そのとき。


海の色が、

すこしだけ変わりました。


あたたかくて、

やわらかい光。


そこには――

たくさんのサンゴがありました。


赤。

オレンジ。

黄色。

青。

むらさき。


いろんな色が、

ゆらゆらと揺れています。


「……きれい」


ころぷくが、ぽつりと言いました。


みんなも、

しばらく見とれます。


すると――


「おや……めずらしいね」


どこからか、

声が聞こえました。


「だ、だれ……?」


ころぷくが、

ぷくーっとふくらみます。


ゆらり。


大きなサンゴのかげから、

ゆっくりと姿を見せたのは――


年をとった、

静かな雰囲気の生きものでした。


「ここは、サンゴの集まる場所」


「きみたち……旅の途中だね」


ころぷくは、

少しドキドキしながらうなずきます。


「あの……ぼくたち、

サンゴの祝福を見に行きたくて」


その言葉に、

その生きものは、

やさしく目を細めました。


「ほう……祝福を」


「では、知っているかな」


「祝福は――

“ただ行けば見られるものではない”」


みんなは、きょとん。


クマノミが言います。


「え?友だち100匹で見られるんじゃないの?」


その生きものは、

ゆっくり首をふります。


「それは……半分だけ、本当」


ころぷくの胸が、

どきん、と鳴りました。


「半分……?」


サンゴの光が、

ゆらゆら揺れます。


「サンゴはね」


「色が違うからこそ、

あんなにも美しく見える」


ころぷくたちは、

まわりのサンゴを見ます。


たしかに、

どれも違う色、違う形。


「でも」


「もし、同じ色ばかりだったら?」


ヒトデが、ぽつり。


「……さみしいかも」


「そのとおり」


「祝福はね」


その生きものは、

静かに言いました。


「“数”ではなく、

“心”がそろったときに起こる」


ころぷくは、

じっとその言葉を聞きます。


「ちがうまま、

認めあって、

いっしょにいること」


「それが、満ちたとき――」


サンゴたちが、

ふわっと光を強めました。


「祝福は、あらわれる」


みんなは、

しばらく言葉を失いました。


クマノミが、小さく言います。


「じゃあ……」


「100匹いなくてもいいの?」


その生きものは、

やさしく笑いました。


「数は、きっかけにすぎない」


「だいじなのは――」


ころぷくを見て、言います。


「きみたちが、

どうつながっているかだよ」


ころぷくの胸が、

じんわりあたたかくなりました。


(ともだち……って)


(いっしょにいること……なんだ)


そのとき。


サンゴの光が、

ふわっと広がって――


ほんの一瞬だけ。


まるい形が、

見えた気がしました。


「あっ……!」


ころぷくが声をあげます。


でも、それはすぐに消えてしまいました。


その生きものは言います。


「まだ、はじまりだよ」


「でも……きみたちは、もう近い」


ころぷくは、

そっと、うなずきました。


そして――


「ぷくっと……」



みんなで声をそろえます。


「よくできました!」


色が違っても。

形が違っても。


心がつながれば、

それはきっと――



ひとつの、まるになる。


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