くるくるたこさん
ころぷくたちは、
砂の海をぬけて、
岩の多い場所へやってきました。
ごつごつ。
かげがゆらゆら。
少しだけ、
くらい場所です。
そのとき――
「わわわわっ!」
どこからか、
あわてた声が聞こえました。
ころぷくは、びっくりして
ぷくーっとふくらみます。
「な、なに……!?」
声のほうを見ると――
岩のあいだで、
なにかが、くるくる、くるくる……
からまっていました。
「た、たすけてぇ〜!」
それは――
タコでした。
でも、そのタコは、
自分の足に、自分の足が絡まって、
ぐるぐるになっていたのです。
クマノミが言います。
「えっ、タコって
もっとスイスイ動くよね!?」
ヒトデも首をかしげます。
「なんだか……たいへんそう」
ころぷくは、
そーっと近づきました。
「だ、だいじょうぶ……?」
タコは、
くるくるしながら答えます。
「ぜ、ぜんぜんだいじょうぶじゃない〜!」
「またやっちゃったぁ〜!」
ころぷくたちは、
みんなで少しずつ、
絡まった足をほどいていきました。
ひっぱって、ゆるめて、
そーっと、そーっと。
やっとのことで――
するん。
タコの足が、
きれいに広がりました。
「はぁ〜……たすかったぁ……」
タコは、
ぺたんとその場に座りこみます。
ころぷくは、やさしく聞きました。
「どうして……絡まっちゃうの?」
タコは、ちょっとだけ下を向いて言いました。
「ぼく……タコなのに、
あんまり器用じゃなくて……」
「みんなみたいに、
うまく動けないんだ」
クマノミが言います。
「えー!タコなのに!?」
タコは、しょんぼり。
ころぷくは、
少し考えてから言いました。
「でも……」
「ほどけたら、
ちゃんと足、きれいに広がったよ」
ヒトデも、うなずきます。
「ぼくも、ゆっくりだけど進める」
チンアナゴも、ひょこっと出てきて言います。
「ぼくも……すぐ隠れちゃうけど、
また出てこれる」
クマノミは、にこっと笑います。
「ぼくは、ここから離れられないけど、
この場所が好き!」
タコは、
みんなの顔を見て――
ちょっとだけ、笑いました。
「……ぼくでも、いいのかな」
ころぷくは、
ふわっと近づいて言います。
「うん」
「くるくるしちゃっても、
ほどけたらいいし」
その言葉に、
タコの目が、少しだけ輝きました。
「……いっしょに行っても、いい?」
ころぷくは、
いつものように、やさしく言います。
「ぷくっと……」
みんなで声をそろえます。
「よくできました!」
そのとき。
タコの足が、
ちょっとだけ――
また、くるっ。
「あっ」
みんなが見つめる中で、
タコは少し考えてから――
くすっと笑いました。
「……また、ほどけばいいよね」
ころぷくたちも、
いっしょに笑いました。
くるくるでも、いい。
まっすぐじゃなくても、いい。
そのままで、
ちゃんと、まるでした。




