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足が少ないヒトデとの出会い

ころぷくは、

砂の上をころころ転がりながら、

ゆっくり海を進んでいました。


すいー、すいー。

波はおだやかで、

砂はやわらかく、

今日はちょっとだけ遠くまで行ってみようかな、

そんな気分でした。


そのとき。


砂のくぼみの向こうで、

なにかが、もぞ……っと動きました。


ころぷくは、

びっくりして、思わず

ぷくーっとふくらみます。


(だ、だれだろう……)


そっと近づいてみると、

そこにいたのは――

ヒトデでした。


でも、よく見ると、

そのヒトデは

足が、少しだけ足りません。


五本あるはずの足が、

三本しかなかったのです。


ヒトデは、

砂の上でじっとしていました。

動こうとしても、

うまく進めないようでした。


ころぷくは、

胸が、きゅっとしました。


(ケガ……してるのかな)

(でも……ぼく、近づいてだいじょうぶかな)


ころぷくは臆病です。

自分のトゲも、毒も、

こわいから。


でも。


ヒトデの目が、

ころぷくを見て、

ちょっとだけ、ほっとしたように見えました。


「……あの……」


ころぷくは、

勇気をしぼって声を出します。


「だ、だいじょうぶ……ですか?」


ヒトデは、

少し驚いた顔をしてから、

ゆっくり答えました。


「うん……だいじょうぶ。

ちょっと、足が少ないだけ」


その言い方が、

とても静かで、

とても自然で。


ころぷくは、

ぷくーっとふくらみかけた心が、

すーっとしぼむのを感じました。


「ぼく……進むの、ゆっくりでさ」

「みんなについていけないことも、あるんだ」


ヒトデは、

砂をきゅっとつかみながら、

そう言いました。


ころぷくは、

しばらく考えてから、

小さく笑いました。


「ぼくも……です」


「コロコロ転がっちゃって、

思ったところに行けなかったり、

こわくて、止まっちゃったり」


ヒトデは、

くすっと笑いました。


「じゃあ、似てるね」


その言葉に、

ころぷくの胸が、

あたたかくなりました。


(ちがってても……いいのかも)


ころぷくは、

ヒトデのとなりに、

そっと座ります。


「いっしょに……

ゆっくり行きませんか?」


ヒトデは、

少し考えてから、

うなずきました。


「うん。ありがとう」


こうして、

ころぷくは

はじめての友だちに出会ったのです。


砂の上には、

ちがう形のふたつの影。



でも、どちらも、

ちゃんと、まるでした。



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