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プロローグ

海の底には、

ころころ、まるい世界がありました。


砂の上をコロコロ転がり、

波にゆられて、すいーっと流れていく。

そこに暮らすいきものたちは、

みんなちがう形、ちがう色、ちがう動き。


その中に、

ちいさなハリセンボンがいました。


名前は ころぷく。


ころぷくは、やさしくて、純粋で、

でも少しだけ臆病でした。

だって、自分にはトゲがあって、

毒もあるから。

「もし、だれかを傷つけてしまったら……」

そう思うと、ぷくーっとふくらんで、

じっと考えこんでしまうのです。


ころぷくは、

遠くからみんなを眺めるのが好きでした。

元気に泳ぐ魚たち、

砂から顔を出す生きもの、

ゆらゆら漂うクラゲ。


――いいなぁ。


そんなある日、

海のすみっこで、ころぷくは

ひとつの噂を耳にします。


「友だちを百匹つくったいきものだけが、

特別なサンゴ礁で

“サンゴの祝福”を見られるんだって」


洞窟の奥、

ひらけた場所にあるサンゴ礁。

祝福を受けたサンゴは、

光と色をあつめて、

大きな花丸になる――。


ころぷくの胸が、

ちいさく、でも確かに、

ぷくっとふくらみました。


「……見てみたいな」


それは、

勇気よりも先に生まれた、

とても純粋な気持ちでした。


こうして、

ちょっぴり臆病なころぷくの

やさしい冒険が、

静かに、はじまったのです。


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