③政治に関心を持ち「人狼」を探せ
◇衆参選挙の違い
筆者:
最後の項目では選挙の注意点や選挙に行く意義について語っていこうと思います。
小選挙区は氏名を書くことが出来て分かりやすいですが(それでも敬称はつけると無効票の可能性あり、参議院の比例代表においては衆議院と異なる性質を持ちます。
参議院の比例代表は候補者氏名又は政党名を書くことができるという点です。
最も注意する点は「候補者氏名と政党名、両方を書いたらダメ」であるということです(無効票になる可能性は低いが、疑問票又は按分票になるため反映されにくい)。
質問者:
どうして衆議院は政党名だけなのに参議院は氏名も認められているんでしょうか?
筆者:
これは選挙制度の違いです。
衆議院が関東地区、近畿地区と言ったように各地区に別れている上に、選挙区との並立制度(いわゆる落ちても復活するゾンビ議員が生まれる要因)になっています。
それに対して参議院は全国ブロック1つで選挙区との関係性は無い制度になっています。そのために優先順位をつけることは難しく、名前での投票数で優先順位が付くことになるのです。
そのために名前を書くことによって「この人を当選させたい」と言う人に1票入れることが可能になるのです(つまりその人の当選の優先度が上がる上に、その人が所属している党の1票にもなる)。
ただし、選挙に行く際に分かると思うのですが、ズラーッと名前がとんでもない数並んでおり決めることが難しいです。
選べない方のために政党名でも有効票となるのです。
◇選挙区で投票したい候補者がいない場合
質問者:
なるほど、そう言った性質があるんですね。
参政党さんは参院選挙の全ての選挙区で候補者を立てていますけど、
国民民主党やれいわ新撰組は必ずしも候補者が出ている選挙区ばかりでは無いですよね?
「自分の選挙区に入れたい党がない!」場合はどうしたら良いんでしょうか?
筆者:
中には入れたい政党の候補者がみなさんの選挙区に出馬していても「こいつだけは生理的にムリ!」と言う方の可能性もあり得ると思います。
その際には当選回数が少ない(又は0回)方に投票するのが良いでしょうね。
基本的には当選回数が多いほど「既得権益者」ですからね。
当選回数が多い人たちがこの国を破壊した張本人か、破壊したのを見過ごしてきたのです。
特に参院選挙なんて1期6年ですから当選3回もあれば「確固とした既得権益者」と言っていいでしょう。
◇「人狼ゲーム」だと思った方が良い
質問者:
なるほど……。
あと、投票して仮にその方が当選した後に党を移ったり、公約違反をすることが多くて政治に期待が持てないと思われている方も多いと思うのですが……
筆者:
政治家と言うのは僕たち一般庶民とは全く異なり、
「嘘を吐くのに躊躇が無い生き物」だと思っておいた方が良いですよ(笑)。
僕なんて嘘を吐くと顔に出まくるので全く向いていません(笑)。
質問者:
一般的には政治家の方って「偉い人」と言うイメージがありますけど、すかさず自分の懐が潤う事ばかりしているイメージもありますよね……。
筆者:
本来政治家は国民のために働く「公僕」としてあるべきなんですけどね。
最近思ったのは政治家と言うのは「人狼ゲーム」に近い性質かなと思っていまして、
「国民のために働く人」か「人の皮を被った狼」かどうかを選挙後の行動で判断するんです。
今回の衆議院の「自公過半数割れは」政治や政策的な側面では変わりませんでしたが「人狼を判定」するという視点では大きく意義がありましたよ。
日本維新の会が予算で賛成し、まともな減税政策を成立させず「人狼」であることが確定しましたからね。
質問者:
石破さんなんて、24年12月5日の予算委員会で「総裁選の政策通りやることない」と一瞬で公約違反を重ねていきましたからね……。
筆者:
特に自民党の公約は「嘘の陳列棚」や「利権品評会」と思ったほうが良いでしょうね。
そもそも今の投票制度自体に「最良の人を選ぶ」と言うことは出来ないと思った方が良いですよ。
第二次大戦を主導したイギリスの元首相のチャーチルは、
「民主主義は許容できる最悪の政治制度である。
それにもかかわらず、これに優る政治制度を人類は発見していない」
と言う言葉を残しているぐらいですから、「その選挙区で最悪の人間を選ばない」程度のことしかできないわけです。
質問者:
スイスみたいに国民投票で色々と決めることができるわけでも無いですしね……。
筆者:
スイスの国民投票も頻繁に国民投票を行っていることから「選挙疲れ」を起こしており、国民投票も50%を割る傾向にあるようなので(スイス国民の政治満足度が高いのが幸いだが)、それが良いかどうかも分かりませんけどね。
選挙で躍進しただの勝っただの言われても、何の政策で投票したのか? どんな実績を評価したのか、若しくは消極的に最も得票しただけなのか? 分かりにくい側面が大きいです。
今、日本国には政治とカネの問題、外交・防衛、経済、食料自給率、資源・エネルギー、外国人問題など個別で見ても難解な問題を多く抱えているので、それぞれの政策でどの党が良いのか? について同じタイミングで投票した方が良いと思うんですけどそう言う案すら無いですからね。
◇それでも知識をつけた上で投票に行くしかない
質問者:
そんな風に言われちゃうとまた投票に行きたくなくなる人って増えそうなんですけど……。
筆者:
これは①でも書きましたけど、一時のムードや雰囲気で盛り上がって「現実」を突き付けられて政治参画が全く行われなくなることが最悪の状況です。
それよりも、事前に知っておいて「心のシートベルト」をしっかりと締めてから「現実」に備えた方が良いです。
2025年は男子普通選挙が始まった1925年からちょうど100年、男女普通選挙から80年と、人生換算で見るとほとんどの方の1生分になっていますが、日本史全体で見ると極めて短いです。
選挙権は「当たり前の権利」では無く、自由民権運動など先人たちの努力でもって勝ち得た「貴重な政治参画の権利」だということを認識した方が良いのです。
質問者:
確かに民主主義もその前は制限選挙でしたし、その前は一部の権力者が独占していましたからね……。
筆者:
また、1度の選挙で大きく変わることは期待しない方が良いので、
「長期的にモチベーションを維持」することが一番大事です。
そうなるとすぐさま政治が変わらないために「現状の苦境を乗り切る手段」や「一歩引いて俯瞰した感覚で物事を見ること」も重要になってくるのではないかと思います。
質問者:
ちょっと政治家の方があまりにも酷すぎて、ある意味「愉しむ」感覚も必要だと言われていましたよね……。
筆者:
日本は食料や住む場所で極端に困窮はしていませんが、ある意味では非常に過酷なので「乗り切り方」みたいなのも大事だと思います。
そう言った生き方みたいなのも政治経済とともに伝えていければと思いますね。
最後に、一言。とにかく期日前投票でも良いので投票に行きましょう!
今後も参議院選挙中は投票に行きたくなるようなコンテンツや
投票を阻害するような要因を排除する内容を発信したいと思いますので、
何か書いて欲しいことがあれば是非ともご提案ください。