②一体どういった基準で投票したらいいの?
筆者:
前回の衆議院選挙の際には個別の政党ごとに解説をするという事をしました。
しかし、コメント欄でズバリ書かれていなかったにしろ、
「自分で決めろと言われても困るんだけど……」
という雰囲気を何となく感じました。
投票先について迷っている方について今回はズバリこういう考えの人はこの党!
ともうハッキリ書いてしまいますね(笑)。
※詳しい各政党の考察については前回衆議院選挙と雑感はあまり変わらないのでそちら をご覧ください。https://ncode.syosetu.com/n0358jq/
質問者:
確かに前回の衆議院選挙の特集は何かフワッとした感じで、結局投票先に困る雰囲気はありましたからね……。
筆者:
まず前提条件のお話としまして、
なるべく①の後半に書いたような「増税シナリオ」にならないために
減税を前面に押し出している政党を採用したいと思います。
◇減税をしなくてはいけない理由
質問者:
初めてご覧になる方のために、減税に拘る理由について説明していただけますか?
筆者:
減税は嬉しいことだけども「日本の財政状況は大丈夫なの?」と不安に思っている方は初見の方では特に多いと思います。
まずギリシャのように財政破綻しないのか? と言うご質問が一番多いと思うのですが、確かに政府純債務/GDPだけで見た場合では世界で一番悪い数値です。
しかし、国際的な国の財政健全状況を示すクレジット・デフォルト・スワップと言う指標では他に対外純資産/GDP、政府債務対外債務比率、経常収支の3つの指標を総合すればG7の中でドイツに次いで2番目に良い財政状況であることが分かります。
このような財政状況ですと自国通貨建ての国債であることもあり財政破綻することはまずあり得ません。
質問者:
次にありそうな質問は、今インフレ状況なのに減税をしては、更にインフレが進むのではないか? ということですが……。
筆者:
まず今インフレで一番幅を利かせているのは米が前年比2倍です。
これは供給力不足から起きたことであり需要が爆発的に増えているわけではありません。
後は食料品も輸入品の原材料価格上昇などが響いています。
こうした原材料価格上昇を起因としたインフレを「コストプッシュインフレ」と言い、
景気の好循環を起因としたディマンドプルインフレとは全く異なります。
これは2024年通年の実質消費支出が+0.5%しか増えていないことからも消費が過熱しているからインフレが起きているわけではなことは明らかです。
実質消費支出が通年で+3%とかになっていたなら問題だと流石に思います。
ただし、減税するにしても「項目」は大事だと思います。
例えばアベノミクスでは法人減税が行われましたがそれに伴う給料上昇・設備投資などのいわゆる「トリクルダウン」は起きませんでした。
また現在は賃上げが成立してもベースとなる控除(最低課税収入、高ければ高いほど減税に等しい)などはほとんど変わっていないために「インフレ増税」と言うのがナチュラルに成立しています。
真の意味で国民の国富の増進のためには、
・物価高に応じて自動的に控除が上昇する仕組み
・結婚世代の低所得労働者の手取りを増やす減税
・生活必需品である食料の供給力を増やすための農家の戸別補償
この3つのタイプの減税は絶対的に必須な政策です。
質問者:
「増税される」ことが潜在的に刷り込まれていると、財布のひもが硬くなってしまったり、人生設計にも影響が出てきそうですよね……。
筆者:
そうなんですよ。社会不安が少子高齢化にも繋がり、若者の自殺者数の増加など深刻な社会問題にも直結します。
減税をする内容や党の他の政策も加味して投票先を決めていただければと思います。
重視する項目が、
1 ある程度の減税実績と現実路線 ⇒ 国民民主党(ただし、緊急事態条項賛成)
2 減税の豪華ラインナップ ⇒ れいわ新撰組(ただし、外国人も優遇)
3 減税と日本人ファースト(日本人最優先) ⇒ 参政党(ただし、党首にスキャンダルあり)
カッコの中のマイナス面も考慮してもうこれで決めて下さい!
質問者:
「野党のふりをした与党」である日本維新の会はリストから消えることは①の段階から分かっていましたが、
もはや立憲民主党すらも選択肢から消えたんですね……。
筆者:
内閣不信任を単独で提出できるのにしない(しかも成立しそうにない時はバンバン出す)立憲民主党は野党として失格です。
旧民主党時代で大失敗したことが「自民党以外は政権担当能力ないよね」と有権者から烙印を押され、「消極的に自民党に投票する人」が増えてしまったことも大きいと思います。
立憲民主党は減税はやはり後ろ向きで「給付付き税額控除」という「事実上の給付」を公約に掲げている点でも自民党と大差はありません。
最後は「厚生年金流用」「106万円の壁の廃止」を含む年金改革案にロクに議論することなく賛成したことです。
貰う側高齢者の方々は少ないと感じ、払う方は多いと感じるおぞましい制度はさっさと廃止し、任意加入の自己積立年金制度にするべきです。
質問者:
立憲民主党さんにはがっかりする点は多いですよね……。
れいわ新撰組さんは結党当時から減税を主張されているような気がしますけど、
今の規模から中々大きくならないのはどうしてなんでしょうか?
筆者:
これは国民民主党と対象的なところではあるんですけど、
れいわ新撰組はラインナップが理想的な割に、「減税への実現性が乏しい」ところが最大の弱点だと思います(後は外国人を優遇しそうなところ)。
貨幣観はキッチリとしており、財政法4条についても問題視している点は良いのですが、普通の街頭に聞きに来ている方はそこが重要なところとは思っていないでしょう。
それに対して国民民主党は「最低賃金に応じた所得税の壁引き上げ」「暫定税率の非合理性」など「実現性を感じる減税」を並べてくれているわけです。
国民民主党は103万円の所得税の壁を僅かながらも動かし、
特定扶養控除(主に学生が該当)の年収要件は103万円から150万円まで引き上げることになりました。
「減税実績」と言う意味では頭一つ抜きんでていると言えます。
これまで野党が提案した実質的な減税(控除の引き上げ)が受け入れられたことはありませんでしたからね。
質問者:
ただ国民民主党さんは「山尾ショック」と言う言葉があるように、公認問題や不倫問題で他のマイナス点もありそうですよね……。
筆者:
あと国民民主党は憲法改正に関して緊急時に行政権を強化し国民の権利を大きく制限する「緊急事態条項(最近は緊急政令や国会機能維持条項とも呼ばれる)」を前面推進していますからね。
これらをどう評価するかだと思います。
質問者:
参政党さんの「日本人ファースト」については差別的だと批判もあるようなんですけどそれについてはどう思われますか?
筆者:
僕はこの点を最も参政党で評価していますが、逆に批判している方にお聞きしたいです。
「誰に対しても本当の意味で平等に接していますか?」とね。
例えば他人より家族や自分を大事にしたり優先したりしないんでしょうか?
それの延長線上として、外国人より日本人を大事にしたい。
まず日本人の方を助けて、それで余裕が出てから外国人を助ける。
これはある意味当然の感覚なのではないかと思います。
別に全外国人を排斥したいわけでは無く、きちんとしたルールに見直して、それに基づいて線引きし、過剰に外国人を入れないようにするというだけですからね。
この点に大きく共感できるのであれば参政党に投票することを勧めたいです。
(ただ内部でいざこざがあって前回の参院選挙で出馬した3人は離党していますが……)
◇自民党に投票してきた方へ
質問者:
よく言われるのは自民党に「政権担当能力がある」と言う事でこれまで投票されていた方は多いと思うのですが……。
筆者:
おっしゃりたいことはよく分かります。
「政権担当能力」に関してどうしても他の党を支持できないというのであれば自民党に投票することを止めることは出来ません。
野党が頼りない又は信頼できないことも事実ですからね。
ただ自民党は首相や幹事長が「消費税を守り抜く」と断言しています。
消費税は「第二法人税」の性質はあるのですが、法人と比べて給料の控除(税の減額)が無い要素があります。
そのために消費税は「賃下げ税制」とも言え、賃金比率が高い企業は赤字でも徴収される可能性があります。
特に中小企業では社会保険料と並んで滞納が多く重い負担があります。
消費税の無い国が取引相手ならば価格で有利又は利益を上増せることからトランプ大統領からは「非関税障壁」の一つとして数えられています。
これらの要因のために「大企業優遇」の側面が強く、消費税が増税されればされるほど中小企業が淘汰されて自然に大企業寡占状態となり、更に商品価格は高騰するでしょう。
また、石破首相は公約を守らないことに関して何ら躊躇はありません。
総裁選から僅かな期間の間に公約を反故にしたり信頼できる人物では無いと言えます。
それを許容・促進したいことを念頭に入れてもなお自民党に投票したいと思うのであれば止めることはしません。
質問者:
筆者さんは自主性を重んじますよね……。
筆者:
だって○○党に投票しろ! するな! と強制されるのは僕は非常に不快に思います。
僕が嫌だと思う事は他人にも強要したくありません。
信念がある投票理由であるならば上記の党以外であっても投票行動を尊重しますしね。
「投票したい政党が無い」人向けの基準だと思ってもう一度見直していただければと思います。
永遠と書きましたがあくまでも「意見の一つ」として「参考」にしていただければと思います。
ともかく僕は「日本国民全体で日本の未来を真剣に考えたい」その一心で発信をしているという事です。
質問者:
その最善のプランと言うのが上の党と言う事なんですね?
筆者:
あらゆる意味で「理想的な政党」と言うのはありません。
ある程度妥協して「自分に一番近い政党」にとにかく投票して下さればと思います。