①紙面では書かれていない「与党の真の勝敗ライン」
筆者:
25年7月3日の本日、第27回参議院選挙が告示されました。
長めなので3回に分けて書きますが、
第1回目として「紙面では書かれていない真の勝敗ライン」について個人的な解説していこうと思います。
質問者:
衆議院で自公が過半数割れの状況で、今回の参議院選挙は緊迫感がありますよね……。
もしかしたら政権交代に直結するような選挙になるかもしれませんからね……。
筆者:
そんな風に政権交代に希望を持っておられる方がいたら誠に申し訳ないのですが、
簡単に言いますと選挙結果が「自民大敗」となったとしても政治そのものはそんなに変わらないと思います。
質問者:
えっ!? どういうことなんですか!?
筆者:
それは「連立の枠組み」が正式に変わるだけだからです。
大手新聞では、
「自公の過半数割れが焦点」
とあって非改選を合わせると自公で過半数が50なので、
そこが「勝敗ラインだ!」と書いてある参院選関連の記事がほとんどだと思うんです。
質問者:
それが焦点なんじゃないんですか……?
筆者:
改選議員が自公で70議席(丸川氏が辞任して選挙直前は69議席)だったのを考えると50議席はとんでもなく低い目標だとは思いますが、
実際のところの勝敗ラインは全く違うと考えます。
先の国会の予算成立過程を見るに、日本維新の会が予算成立に大きく手を貸しました。
衆議院の優越があるために予算を盾にすれば減税法案を通すことは可能で、絶好のチャンスでした。
予算が成立しなければ「政権担当能力」を担保にしてきた自民党の面目丸潰れですからね。
ところが、「維新は自公に寝返った」ために減税に関する法案は全く成立することなく予算が成立しました。
かねてから維新の会は「第二自民党」だと自ら名乗っていましたが、その本領を今回の国会では発揮したのです。
そのために現在のところ既に「自公維連立政権」なんですね。
都議会議員選挙の様相からギリギリ自公過半数割れになるかな? ぐらいだと思うのですが、そうなったとしても「自公維政権に正式化」するだけだと僕は考えます。
質問者:
なるほど、日本維新の会は「野党のふりをした与党」だと言う事なんですね……。
筆者:
そうです。「自公維の連立」だと考えた際に維新の非改選12議席を足すと、
「自公維で38議席を取れば過半数」が実をいうと「真の勝敗ライン」です。
今回の選挙でいかに大敗しても自公維で37議席以下と言う事はまず考えにくく、
「自公維の与党はまず負けない」と言うのが現実なんです。
しかし、その点を解説してくれる大手メディアは皆無です。
質問者:
でも20議席以上減らしたという事で、石破さんが自主的に辞任するという事は無いんですか?
普通なら改選過半数の64(丸川氏が任期途中で辞めたために東京が1増えている)あたりが「信任」だと思うのですが……。
筆者:
しかし、石破総理大臣と言うのは去年の10月の衆議院選挙で「自公過半数」と言う相当低い目標(42減ってもOK)を掲げておきながらそれを12議席も下回ったのにもかかわらず未だに居座っていますからね。
本来であれば責任を取って即辞任ですが、メンタルブレイクする様子も無いので、面の皮が相当厚いのでしょう。
内閣総理大臣は不信任が通らなければ居座ることが可能ですしね。
質問者:
でも自公で50議席を切ったら流石に自民党内で不満は爆発しませんか?
いわゆる「石破降ろし」と言うのは起きないのでしょうか?
筆者:
衆議院選挙の状況がそのまま当てはまるのであれば、自民党内で多く落選するのは「裏金議員」=「安倍派」=「現在の政権外の人間」と言う可能性が高いです。
そのために実をいうと自民党の数は全体では減っていても、
内部の反石破の人間がゴッソリ減るために、「石破政権は盤石になる」という一見すると分かりにくい内部構造がより強固となります。
仮に、石破総理が体調不良などで急遽退陣になったとしても「石破氏と似たような人」が総理大臣になるだけなので「政治は変わらない」というのが現実だと僕は考えています。
50議席と言う低い目標でも「目標が低すぎる!」と表立って紛糾している議員がいないことが現状の「石破独裁(岸田前首相が陰で支えている)」の様相を象徴していると思います。
◇仮に政権交代が起きた場合
質問者:
お話を聞いていると確かにその可能性が高いような気がしてきました……。
では政権交代の可能性はゼロなのですか?
筆者:
いえ、政権交代の可能性はゼロでは無いです。
なぜなら、内閣総理大臣を決めるのは衆議院の首相指名選挙で最多得票を得た人なので、「参議院選挙の結果が民意!」と言って野党がまとまれば不信任可決まで行くかもしれません。
ただ上記の「見せかけ野党」である日本維新の会が賛同しないといけませんがね。
もしかしたら、「維新の会の人間を首相にするよ(国会議員で共同代表は前原氏)」と言えば自公を一時的にでも裏切る可能性もあります。
そのために「野党連合」みたいな感じでの政権と言うのはあり得ると思います。
ただ、その際でも「残念な現実」と言うのが新しく待ち受けています。
それは政権の枠組みとは別に「増税連合」が誕生する可能性があるのです。
質問者:
えっ……どういうことですか?
筆者:
消費税が5%から10%に増税が決定した際の「自公民三党合意」は与野党を超えた合意でした。
今回も「与野党一致結束して国難を乗り切る」とかなんとか言って「増税イシュー」でまとまって与野党が手を結ぶ可能性と言うのはあり得るのです。
質問者:
それは嫌ですね……。
筆者:
それでも権力を握っている者の状況が変わるので自公だけが政権をずっと握り続けているよりはマシだと思いますけどね。
ただ、「大枠としての政治」というのは今回の選挙で「大きく変わることは無い」ということは念頭に入れた方が良いですよ。
◇それでも選挙に投票に行かなくてはいけない
質問者:
あの……こんなことを事前に知ってしまうと選挙に行きたく無くなる方が増えませんか?
筆者:
僕は夢を膨らませて現実を知って破裂してしまい、永久に投票に行かなくなる事よりも、先に現実を知った上で投票に行く方が良いと思っています。
これらのことが近い将来に現実として起こりえることは過去の様相から推測すると、かなりの高い確率だと思いますからね。
為政者側はこの状況をある意味「狙って」やっているのだと思います。
何せ投票に行か無くなれば組織票がフル活用できますから「一般人は政治に絶望して投票に行かないでね」と暗にメッセージを送っているのです。
これは「史上初の連休の中日が投票日」という投票率を下げる日程に設定しているのもその証左です。
余程、無党派層には投票に行って欲しくないのでしょう。
質問者:
確かに期日前投票活用者は増えているものの、当日投票の方が多いですからね……。
筆者:
現実的には行われないにしても、
選挙前になれば給付や減税が取り沙汰されるのも無党派層を取り込みに必至だからです。
組織票オンリーの戦いの状況になれば口先だけの甘い言葉すら消えて、より密室で、より特権階級のための庶民無視の政治になるでしょう。
特に未婚の若者世代に対して所得の再分配機能は働いていないために、
投票に行かなくては与党は若い層に対して脅威を全く感じず、減税は今後も行われないと思われます。
そのために、「ポピュリズム政治より悪い状況」を阻止するためにも投票に行くべきだと考えます。
質問者:
今の政治も深刻だと思いますけど、投票に行かなくては更に酷くなるだなんて恐ろしいですね……。
筆者:
また、参議院の改選議席は補欠選挙などで多少は変わりますが6年間大きく議席は変わりませんので、自公維にダメージを長期的に与え続ける上でも、彼らが大きく議席を減らすことは必須だと思います。
ここで自公維が減らなければ3年後にまた「与党に緩い勝敗ライン」になってしまいますからね。
次の項目ではどういった投票基準で具体的にどの党に入れるか具体的にお知らせしたいと思います。




