サラVSヨウ(6)
馬車は集落を出ると西に進み、雑草などを刈った後が少し残っているある程度整備された集落専用の道を通り、王都へ続く綺麗に整備された道へ出るため走り出した。
産まれてから10年。
木造の家が並び、木造の壁で囲まれた集落で育ってきたサラにとって、広々と広がる草原の景色はとても神秘的だった。
『どうですかお嬢。初めての外の世界は』
『うん・・・なんていうか、すごい広いね・・・!』
サラはウェインが座ってる御者台に荷台から身を乗り出し、キラキラした瞳をしながら、ゆっくりと口を開いてそう言った。
その後もサラはウェイン、そしてウェインの隣に座っている集落ではサラの父親の次に年長者の兄貴的な男性オットと楽しく喋りながら、初めて見る外の景色を目に焼き付けるように眺めた。
そして、30分くらいが経ち、王都へ続く綺麗に整備された道が見えてきた。
集落専用の道と変わらず地面は土だが、とても広く綺麗に整備されており、馬車が同時に4台通っても平気なくらい広々していた。
すると、オットはサラへお願いをする。
『お嬢。こっからは残念ですが、あまり馬車から顔を出さないようにしてください』
『何で・・・?』
『その、えっと・・・とにかく!なるべく顔は出さないようにお願いしますね!これはお嬢の為ですから・・・!』
『・・・わかった』
サラは父親に言われた通りウェインの言うことを聞き、少しだけ不満そうに御者代から荷台に引っ込んだ。
ウェインはサラが引っ込んだのを確認すると、荷台と御者台を遮るようにカーテンをし、荷台は後ろも横も前もカーテンで遮られるような形になった。
そして、馬車は広々した道へ出ると、ゆっくり王都へ進んだ。
その道中、外の景色が遮られた荷台にいるサラの耳には、たまに他の馬車が横を通り過ぎる音が聞こえてくる。
10年生きてきてムクロに住む人たち以外のシロビトを見たことがなかったサラは、『同じシロビトだしそんなに変わらないよね?』と思いながらも好奇心が上回り、周りをキョロキョロする。
すると、ウェインが閉めた荷台と御者台を遮るカーテンに隙間が空いているのが見えた。
サラは片目を閉じ、開いている片目でその隙間を覗きこみ、正面から来る馬車に目線を向けた。
御者台には御者のおじさんが、そして荷台には武器を持った若い男性が3人座っていた。
(武器持ってる・・・それに、この先はウツロの森しかない・・・それじゃあ、あれが冒険者?)
サラは隙間からその馬車を食い入るように見る。
すると、御者のおじさんがウェインとオットの方をチラッと見た。
そして、何かに気がつくと慌ただしく横を通り過ぎていく。
(急にどうしたんだろう?御者のおじさんは怯えたような顔をしてたし・・・冒険者さん?達は、ウェインとオットさんの事を睨んでた・・・?)
サラは隙間から覗く目をウェインに向ける。
しかし、ウェインの表情はいつもと変わらず、元気そうな顔をしていた。
(外の世界ではよくあることなのかな・・・でも、何だろう・・・あのおじさんや冒険者さん達の目、なんか嫌だったな・・・)
少し心がモヤモヤしたサラは覗くのをやめて、片目で覗いてて疲れた目を休ませる為、荷台に寝転がり目を閉じた。
続く




