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バカはしんでも治らない(編集中)  作者: すし河原たまご
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サラVSヨウ(2)

王都から西に行くと山があり、その山を超えると大きな火山がそびえ立っている灼熱地帯がある。

山は火山エリアを囲むようにそびえ立ち、火山エリアの反対側の山の麓には[ソード]と言う大きな街がある。


そこは、3年生だったラインハイト達がディアロ理事長と共に1年間滞在していた街でもあり、火山エリアの探索や山を超えて来る虚獣(きょじゅう)を討伐する為、多くの冒険者が滞在している街でもあった。


そんな街にヨウは生まれた。


父親は冒険者で、小さい頃から何の疑問もなく自分も冒険者になると思って過ごしていた。

子供の頃から同年代の子達よりも身長が高く、腕っぷしもあって、街で行われた子供達による模擬戦の大会で1位を獲得するなど同年代では敵なしだった。


この世界では19歳で大人と認められて仕事に就くことができる。

しかし、冒険者や騎士は例外だった。

冒険者や騎士になる為の年齢制限はなく、出された実力試験をクリアすれば例え子供でも直ぐになれた。

勿論、ヨウも小さい頃からその実力試験に合格する為、特訓に励んでいた。


そんなある日。

ヨウは王都に冒険者や騎士を育成する学校ができたことを父親から聞かされる。


元から戦うのが好きな性格だったヨウは退屈していた。

近い歳の人達では互角に戦える人はおらず、大人に模擬戦をお願いして挑むも、明らかに手加減されているのが分かっていて全く熱くなれなかった。


そんな時、『学校に入ればお前を熱くさせてくれる奴に会えるかもしれない』

そう父親に言われたヨウは期待に胸を膨らませ、16歳になる年、街を出て王都へ向かった。


そして入学式を終え、早速、ヨウは自分を熱くしてくれる人物に出会う。


入学式前の先生との模擬戦で、その年では2番目に強いと判断されたヨウは自然と口角が上がった。


(俺より強いやつ・・・どいつだ!)


黒板の前で先生がこの世界の歴史を簡単に説明している中、話を聞かずにヨウは顔をキョロキョロさせ、そいつを探した。

そんなことをしているうちにいつの間にか授業は終わり、待ちに待った模擬戦の時間が訪れる。


初めの模擬戦は実力が同じ人と戦う。

入学前に行われた先生との模擬戦時の順位で決まり、ヨウの順位は2位。

つまり、1位の人と戦うのは確定していた。

ヨウは片手剣を持ち、昂る気持ちを抑えながら順番を待つ。

1組、2組と模擬戦が終わっていく中、遂に自分の番が回ってきた。


『次はヨウ!』


先生に呼ばれ、前へ出る。


『そして、サラ!』


先生がその名前を呼んだ。

ヨウは前へ出てくる人へ目線を向けた。


(コイツが・・・?)


ヨウは目を疑った。

周りの生徒も、驚きの表情をしている。


前へ出てきたのは、身の丈よりもある長い槍を持った髪の長い小柄な女の子。

みんなに見つめられ、恥ずかしそうに前へ出ていくがその表情は自信に満ち溢れていた。


2人共が定位置につき、武器を構える。


まだ、入学して初日。

ほとんどの生徒が武器と体にオーラを纏うという事をできない状態だったが、ソードの街に生まれ育ったヨウは1年生の時に学ぶはずの初歩的なオーラの纏い方が既に出来ていた。


そして、それはもちろんサラも。


(コイツもオーラを・・・!面白れぇ!)


久しぶりに近しい歳の人と本気の戦いができるかもしれないこの状況。

ヨウはまだか、まだかと先生の開始の合図を待つ。


そして、その時は直ぐにきた。


2人の準備ができたのを確認した先生は距離をとると、『始め!』と声を出し、開始の合図をした。


ヨウは開始と共に直ぐに攻撃を仕掛ける。

地面を蹴り、勢いよく近づく。

すると、


『ぐっ!』


ヨウの足元へ、サラの鋭い足払いが直撃した。


(もう、当たる距離なのか・・・!)


槍を持つ相手との模擬戦が初めてだったヨウは、距離感を掴めずにいた。

動きが止まったヨウにサラは槍を鋭く速く払い、近づかせないように何度も攻撃を繰り出した。


(くそっ、近づけねぇ・・・!)


上段、中段、下段と次々と槍がヨウを襲う。

今までリーチの差で負けることがなかったヨウは、初めて遠い間合いから一方的に攻撃を受けた。

攻撃に転じる隙はなく、ガードするので手一杯。

そんな状況にも関わらず、ヨウの口角は上がっていた。


(ははっ、いいねぇ!これだよ、俺が求めてたのは!)


自分を熱くしてくれる存在に出会う為、学校に入ったヨウ。

入学早々、求めてた以上の相手と出会い、戦ったヨウは嬉しそうな表情でボコボコにされ、初めて同年代の人に完敗した。


続く




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