それぞれの因縁
遂にナイト達と戦う日が来た。
身支度を済まし、レナ達と一緒に朝食を済ますと、時間まで各々自分の部屋で過ごした。
集合場所は学校の校庭。
アカサは集合時間の午前10時よりも早く着くように寮を出た。
武器庫に行き、いつもの片手剣を手に取る。
武器庫の中を見回すと、既に何本か武器が無くなっている。
まさか、と思いながら校庭へ向かうと、既に自分以外が集まっていた。
アカサはレナ達の下へ駆け寄りる。
「みんな、集まるの早いな」
「部屋で待ってるの、何か落ち着かなくてね」
レナはそう言った。
実際、アカサも落ち着かなかったので、早めに来て素振りがなんかしようと思っていた。
ここ1年間、ずっと虚獣と戦っていたから、模擬戦をするのが久々だった。
人と戦うのは、虚獣とはまた違った緊張感があった。
─ まぁ、俺の場合はナイトと戦うのが楽しみだって言うのもあって、落ち着かないんだけど。
昂る気持ちと緊張を落ち着かせる為に、アカサは先生達が来るまでレナ達と会話をしながら待つ。
すると、
「よぉ、アカサ!逃げずに来たな!」
ナイトが声を弾ませながらこちらへ近づいてきた。
その後ろには、ナイスバディな女性、前髪が目にかかっている低身長な男性、細身で高身長な男性が立っていた。
「逃げるわけないだろ。お前に勝つ為に、この1年間やってきたんだから」
「はっ、よく言うぜ。1年前なんか俺のこと眼中になかったくせにな!」
2人は睨み合う。
そんな中、1人の女性が止めに入る。
「落ち着いてください、ナイトさん」
「リーベ・・・大丈夫だ。模擬戦までは我慢できる」
ナイスバディな女性、リーベがそう言うとナイトは昂る気持ちを落ち着かせた。
そんなリーベをレナがじっと見つめていると、その視線に気付いたのか、レナに話しかけてくる。
「どうしたんですか、レナさん?」
「・・・別に」
レナは顔を背ける。
ゴウとサラはそんな2人の様子を見て、昨日レナが機嫌が悪かったのはこの人と何かあったんだな、と察した。
レナは再びリーベを見る。
その視線は顔ではなく、胸のところに向けていた。
(ぐっ・・・!)
レナは直ぐに顔を背け、悔しがる。
模擬戦前に負けた気分になったレナだった。
そんなレナの様子を見ていたゴウだったが、1人の男性に気が付くと、その男性の下へ近づいた。
「昨日は悪かったな。誰もいないと思って、後ろを確認せずに立ち上がってしまった」
ゴウは昨日のことをもう一度謝る。
「・・・」
しかし、男は無視をする。
「お、おーい」
ゴウは負けじと声をかけ続けたが、一向に返事は返ってこない。
すると、細身で長身な男が間に入ってくる。
「無駄ですよ、先輩。カタン先輩は体格だったり、身長のでかい男が嫌いなんですよ。だから、話しかけても無駄です。ねぇー、先輩」
そう言いながら180センチくらいある細身の男は、160センチないくらいの男の頭をポンポンと叩く。
「触るな・・・」
パンっ、と強めに手を払い、睨みつけた。
「そんなに睨まないでくださいよ。怖いじゃないですか」
長身の男はヘラヘラしながらそう言った。
「ちっ、これだからデカいやつは嫌いなんだ。見下しやがって・・・」
「別に見下してないですって。見下してるやつってのは、あいつみたいな奴を言うんですよ・・・」
長身の男はそう言うと、サラの方へ顔を向けた。
サラはその視線に気付くと、怯えながら下を向く。
そんなサラを見てゴウは疑問と共に、少しだけ怒りの表情をする。
「何でサラの方を見るんだ?」
「何でって、言葉通りですよ」
男は以前、ヘラヘラしながら喋る。
「サラが誰かを見下すわけないだろ・・・!」
ゴウが語気強めに反論すると、
「それはあんたが先輩だからだろ。あいつは俺を見下してんだよ・・・!」
声のトーンを下げ、低い声でそう言った。
2人は数秒、無言で睨み合う。
すると、
「カタンさん、ヨウさん、そろそろ先生達が来ますよ」
リーベがそう言うと、2人はナイトとリーベの下に集まっていった。
去っていく2人の背中をゴウが見ていると、サラが駆け寄ってきた。
「あ、あの・・・なに、話してたんですか・・・?」
サラはおそるおそる聞く。
「ん?ただの世間話だ!」
ゴウは少し怯えているサラに向かって、笑顔でそう言った。
そこにアカサとレナも来る。
「睨み合ってたけど、何かあったのか?」
アカサが心配そうに聞くと、ゴウは『何でもない!』と一言。
サラの様子を見て、何かはあったんだろうなと察した2人だったが、これ以上は何も聞かなかった。
─ ゴウと友達になってから約2年、段々分かるようになってきたな。少しだけど、怒りを我慢してた。
アカサはヨウと呼ばれた長身の男を見る。
─1年だよな・・・って事は、やっぱりサラの事で何か言われたのか?
アカサはゴウとサラの様子を見て、何となくそう思った。
すると、遠くからディアロ理事長、ドルト先生、カルド先生がこちらへ歩いてくる。
後ろに、2人の英雄を連れて。
続く




