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バカはしんでも治らない(編集中)  作者: すし河原たまご
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前日

アカサが少し遅れて集まるとドルト先生は口を開く。


「1年間の特訓は今日でとりあえず終了だ。よく頑張ったな」


ドルト先生はアカサ達に労いの言葉を述べる。


「お前達は強くなった。明日はしっかりと身体を休め、明後日の模擬戦で存分に力を発揮してほしい思う」


─ 遂にナイト達と戦う。何とか魂創器(ソウル)化も出来るようになった。後は・・・。


ドルト先生の話を聞き終わると、レナ達は寮へ入っていったが、アカサはその場に残った。


「ドルト先生」


「何だ?」


─ この1年間、ナイトの為にできることを考えていた。もちろん全力で挑もうとは思ってる。ただ、勝ち負けだけじゃダメな気がする。ナイトは俺くらい・・・いや、もしかしたら俺以上にシークに救われたのかもしれない。そんなあいつの為に俺ができる事は・・・


「お願いしたいことがあるんですけど・・・」



♢♢♢



次の日。

寮の2階レナの部屋。


レナはベットから起き上がると時計を確認する。

針は9時を刺していた。

1年間ほとんど休みなしで特訓を行っていて、久しぶりにゆっくり眠れたのか、いつもよりも遅く起床した。


レナはベットから立ち上がると、着替えを済ませ、洗面所に行き顔を洗い、髪をいつものツインテールに結んだ。

そして、朝食を食べに1階の食堂へ向かう途中、玄関から外へ出ようとするアカサの姿があった。


「あれ、アカサどっか行くの?」


「レナ。ああ、まぁな」


その様子は少し緊張気味だった。

すると、外からアカサのことを呼ぶドルト先生の声が聞こえてくる。


「アカサ、そろそろ行くぞ」


「は、はい。今行きます!」


返事をすると、アカサはドルト先生と一緒にどこかへ出かけていった。


(行っちゃった・・・)


どこへ行くのかも聞けず、慌ただしく出ていったアカサの背中を眺めるレナ。


(それにしても、アカサはどんどん強くなっていくな・・・このままじゃ、いつまで経っても気持ちを伝えられない・・・)


レナはアカサを支えられるくらい強くなるまでは、好きと言う気持ちを心の奥にしまう事を決めた。

それに、今言ってもきっとアカサの邪魔になる、そう思ってこの感情を押し殺した。


アカサが強くなっていって嬉しいと思う感情と、このままじゃ好きと言う気持ちを伝えられないもどかしい感情が合わさり、複雑な心情になるレナ。


すると、


「後悔しますよ・・・」


後ろから、そう声が聞こえてきた。


振り返ると、ウェーブがかかったロングヘアーのナイスバディな女性が立っていた。


(この人は確か、カルド先生のグループの・・・何回か廊下ですれ違っていたけど、話すのは初めて)


「伝えられるうちに伝えないと・・・気持ちを我慢するのは良くないです」


女性は哀れみの目をレナに向ける。


「何の事?・・・それに、あなたには関係ないでしょ」


レナは睨むように言い返した。


「ふふっ、そうですね。私には関係ないですね。それではまた明日、レナさん」


そう言うと、お淑やかに女性は去っていった。


(急に何なの、全く。後悔とかしないもん・・・!)


不機嫌になったレナは、早歩きで食堂へ向かった。



♢♢♢



レナが食堂へ向かう少し前。


ゴウは1人で朝食を食べていた。


(1年経っても慣れないな。ガラガラの食堂で食事をするのに)


1年前までは100名以上の生徒達が朝、昼、夜と食事をとりに来て賑わっていた食堂も今ではとても静かだ。


そんなことを思いながらご飯を口に運んでいると、お茶碗の中が空っぽになる。

おかわりをしようと席を立つと、何かにぶつかった。


カラン、カランッと食器が床に落ちる音が広い食堂に響く。

2メートル近いゴウは後ろを振り返り下に視線を向けると、目にかかるくらい前髪を伸ばしていて、体格は細く、身長も160無いくらいの男性が尻もちをついていた。


ゴウは謝り食器を拾おうとすると、男はその手を払い自分で拾い始める。

そして、拾い終わり立ち上がると、


「デカブツが・・・」


ボソッとゴウに聞こえないくらいの声でそう言い、足早に去っていった。


(悪いことをしてしまった。誰もいないと思って、後ろを確認をせずに立ち上がってしまった)


ゴウは申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


(あまり会った事は無かったが、カルド先生のチームだよな。明日、戦う前にもう一度謝ろう)


ゴウは茶碗を持ちおかわりをしに行く。


すると、レナが早歩きで食堂に入ってきた。


「おっ、レナ!どうしたんだそんな勢いよく入ってきて」


レナはゴウを無視して食事を頼む。


「レ、レナ?」


「何!!」


「い、いえ、何でもないです!お食事、お運びします!」


不機嫌なレナにビビり、思わず敬語で話してしまうゴウ。

食事を運ぶと、ビビりながらレナと一緒にご飯を食べ始めた。



♢♢♢



レナが食堂へ向かった直後。


サラはレナの部屋の扉をノックし名前を呼ぶ。

しかし返事が無かったので食堂にいると思い、1階に下りようと階段へ向かう。


すると、階段の前に細身で長身の男性が立っていた。

まるで、誰かを待っているかのように。


男はサラに気付くと、前髪をかきあげる。


「久しぶりだな」


男はサラを待っていたようだ。


「え、えっと・・・」


「まぁ、覚えてるはずないよな。お前はいつも2年の奴らと一緒にいたからなー」


下を向き、もじもじしているサラに男は煽るような口調でそう言った。


「ふん、そうやっていつも下ばっか見て、もじもじしやがって・・・まぁ、いい。俺はお前とまた戦える日を待ってた。明日、覚悟しとけよ」


男はそう言うと、階段を上がっていった。

サラはその男の背中を見つめる。


(覚えてる・・・私の模擬戦相手だった人・・・)


サラが唯一、覚えていた同学年の生徒だった。


(・・・久しぶりにあの目を向けられた・・・先輩達に会いたい・・・)


サラの身体は少し震えている。

サラは震えている身体を抑えながら食堂へ向かった。


食堂に入ると、そこには不機嫌なレナと怯えているゴウがいた。


「おお、サラ!」


サラを見た瞬間、安堵した表情になるゴウ。


「何か、あったんですか・・・?」


不機嫌なレナを見て、耳打ちでゴウにそう言った。


「分からないんだ。すでにこうだった」


2人はこそこそ話し合う。

すると、


「あーもう、イライラする!」


と、急に大きな声を出した。


「ど、どうしたレナ!?」


ゴウはビクッとし、大きな声に反応してしまう。


「あの女、私の気持ちも知らないで!」


「と、とりあえず落ち着けレナ!」


ゴウは怯えながらも落ち着かせようとする。


「何より1番ムカつくのは、あの胸よ!これ見よがしに

揺らしながら去っていったわ!」


「レ、レナも立派だぞー」


ゴウは小声でそう言う。


「どこ見てんのよ、この変態!」


「理不尽!」


レナはゴウのほっぺをビンタした。


「はぁ、はぁ、ふぅー・・・スッキリした」


レナはイライラしていたことを口に出し終わると、落ち着きを取り戻した。


「レナ先輩、大丈夫ですか・・・?」


「サラ、ごめんね。びっくりした?」


「いえ・・・面白かったです・・・!」


無邪気な笑顔でそう言った。


「ゴウもごめんね。つい勢いで・・・」


「がっはっはっ!問題ない!」


レナが反省しながら謝ると、ゴウは豪快に笑ってあっさりと許した。


(やっぱり、先輩達といると心が落ち着く・・・それに、先輩達は私にあの眼を向けてこない)


身体の震えはいつの間になくなっていた。


その後、3人は一緒に朝食を食べ始める。


「そういえば、アカサ先輩は・・・?」


「アカサならドルト先生とどこか行ったよ。なんか緊張してたみたいだったけど・・・」


(・・・アカサ先輩、どこ行ったんだろう・・・?)



♢♢♢



その日の夜。


アカサは疲れた様子でベランダに出る。


─ ふぅー、今日は緊張したな。


用事は午前中のうちに終わり寮へ帰ってきたアカサは、昼食をレナ達と済ませると、明日のナイト達の戦いに備え早めに解散し、その後は自分の部屋で各々過ごした。


─ 城に行くのは今日で2回目だったけど、慣れるものじゃないな・・・でも、リア様に許可はもらった。これで、本当に準備万端・・・明日は全力でいく。待ってろよ、ナイト!


アカサは空を見上げ、そう強く意気込んだ。



♢♢♢



同時刻。


(やっと、あいつと戦える)


ナイトの髪がゆらゆらと風で揺れる。


(あいつに勝って、シークの夢だった英雄に俺はなる。

それが俺の恩返しだ。待ってろよ、アカサ!)


奇跡的に同じタイミングで、アカサとナイトは空を見上げた。


それぞれが様々な思いを持ち、眠りにつく。


アカサ達とナイト達の戦いが明日始まる。


続く
























































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