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バカはしんでも治らない(編集中)  作者: すし河原たまご
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ラインハイト

それから、アカサ達は魂創器(ソウル)化を目指して特訓を行った。

虚獣(きょじゅう)と戦いオーラの量を増やしたり、魂からのコントロールを出来るように、ひたすら。


そして、月日はあっという間に過ぎていった。



♢♢♢



[ランス暦 1018年3月]


「ガオオーーッ!」


ウツロの森にC級の虚獣(きょじゅう)、獣型レオの雄叫びが響く。

その雄叫びに怯むことなく、4人はレオに突っ込んでいった。

4人は鋭い爪、尖った牙、4メートル近い体での体当たりなどの攻撃を避け、的確にダメージを与えていく。


すると、怒ったのかレオの姿が豹変する。

前脚が倍以上膨れ上がり、爪も牙も太く鋭くなる。

そして、凄まじい咆哮をあげた。

その咆哮は遠くにある木の葉が揺れるほどだったが、4人は近くにいるにも関わらず、飛ばされることなく耐えていた。


咆哮が終わると、4人は再びレオに向かって攻撃を仕掛ける。

レオは堪らず、大きく跳んで4人と距離をとった。

そして、レオは前脚首を縦と横にクイッ、クイッと曲げ【十爪牙(じゅうそうが)】を放つ。

縦と横に放った3本の飛ぶ斬撃は合わさり、十の形をして4人に迫ってくる。


すると、1人の男が白く光った剣を振りかざし、一気に振りおろすと、白い斬撃が【十爪牙】目掛けて飛んでいく。


白い斬撃は【十爪牙】を砕き、レオまで飛んでいった。

レオは飛んできた斬撃に怯み、隙だらけになったところを他の3人が攻撃すると、レオは煙のように消え、地面に魂石(こんせき)を落とした。


「ふぅー、C級も安定して倒せるようになってきたね!」


レナはツインテールをなびかせる。


「そうだな!」


ゴウは持っていた両手剣を肩に担ぎ、そう言った。


「・・・」


「どうしたサラ?」


「アカサ先輩、すごいなぁって・・・」


サラは身の丈よりも長い槍を持ちながら、アカサの方を見ていた。

すると、アカサはその視線に気付いたのか、小走りでサラに駆け寄ってくる。


「何か言ってた?」


「サラがすごいってさ」


「何が?」


魂創器(ソウル)化の事だろ。結局、魂創器(ソウル)化できたのはアカサだけだからな」


皇帝ストラーフが成約を破棄して、クロビトとの争いが起こるんじゃないかとなってから、約1年が経った。

あれから特訓をしているうちに、アカサは魂創器(ソウル)化を出来るようになっていた。


「ゴウ達もあと少しなんだろ」


「その、あと少しが難しいんだ」


魂創器(ソウル)化させるには速くオーラを武器に纏わせ、刃の内側にオーラを侵食させる必要がある。

その為には、オーラを生成してる魂からのコントロールが必要だった。


1年前、初めてC級の虚獣(きょじゅう)を倒した時に無意識だか一瞬だけ魂創器(ソウル)化する事が出来たアカサ。

ようやく、1ヶ月前くらいに意識的に出来るようになっていた。

今は基本的な技を使えるように特訓をしている。


「今日はもういいだろう。王都へ戻るぞ」


離れて見ていたドルト先生がこちらへ歩きながらそう言うと、アカサ達はC級の魂石(こんせき)を3つ持って王都へ帰った。


王都へ着き、学校内へ戻ると1年ぶりにラインハイト達、3年生の姿があった。


「久しぶりだね、アカサ君!」


元気な声を出し、アカサに近づいてきた。


「ラインハイト先輩!約1年ぶりですね。どこ行ってたんですか?」


「ちょっと、火山エリアの方にね!」


王都から西の方に行き山を越えると、灼熱の火山があるエリアに着く。

そこにはC級以上の虚獣(きょじゅう)しかおらず、火山に近づくにつれ、B級、A級とどんどんランクが上がっていく。

火山の奥には、原初から存在する虚獣(きょじゅう)が眠ってると言われているが、誰も見た事はないので噂程度でしかなかった。


話を聞くと、ラインハイト達は1年間火山エリア近くの街に滞在し、ひたすらC級、B級と戦っていたらしい。

ラインハイトは苦笑いしながらアカサに教える。


─ 相当きつかったんだな・・・いつもニコニコしていて優しそうなおじさんに見えるけど、流石ドルト先生の師匠、見た目とは裏腹に相当スパルタだったんだな。


ドルト先生と話しているディアロ理事長の方へ視線を向けると、こちらに気付きニコッと笑った。

ラインハイトの話を聞いた後だとその笑顔がまた怖く、アカサは思わず苦笑いしてしまう。


「それよりもアカサ君、だいぶ強くなったね。雰囲気が1年前とは見違えるようだ」


「そうですね。色々あったんで・・・」


─ そう、この1年間いろいろあった・・・でも、そのおかげで俺は強くなった。


「1年前は何となくだけどふらふらしているように見えた。でも、今の君はしっかり歩いているように見える。心に余裕が見えるんだ」


─ 何でか分からないけど、この人の言葉はすごく心地がいい。


「いい仲間がいるようだね!」


─ 初めはシークに似ているからと思ってたけど違う・・・この人の人柄、人間性がそうさせているんだ。きっと俺だけじゃない、他の人もラインハイト先輩の言葉に心地よさを感じているはず。この人はシークの言う、英雄の心を既に持っているんだ。


アカサがラインハイトの光に見入っていると、ドルト先生が声を出しアカサ達を呼ぶ。

レナ達は既に向かっていた。

アカサはラインハイトに挨拶を済ませると直ぐに向かった。


ラインハイトはその背中を見つめる。


(僕達3年生はディアロ理事長から卒業の資格をもらった。明日からは騎士団や冒険者として活動をする。この状況だ、明後日の模擬戦の結果次第ではアカサ君達も直ぐに冒険者として活動するかもしれない・・・足先に待ってるよ、未来の英雄達!)


ラインハイトは長い髪をなびかせ後ろを振り返り、笑みを浮かべながら学校を去っていった。


続く























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