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バカはしんでも治らない(編集中)  作者: すし河原たまご
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オーラのコントロール

再び特訓が始まる。

気合い十分に寮を出るとレナ、ゴウ、サラが集まって立っていた。

アカサはすぐに駆け寄る。


「あれ?今日もウツロの森に行くんじゃないのか?」


「あっ、アカサ。今日は、学校内で特訓するんだって」


アカサの疑問にレナが答える。


いつもはウツロの森へ向かう為、王都の南門が集合場所だった。

しかし、今日は寮の前に3人は集合していた。


─ てっきり、また虚獣(きょじゅう)と戦うもんだと思ってたけど何するんだ?


疑問に思っていると、ドルト先生がこちらへ歩いてくる。


「みんな揃ったな」


「今日は虚獣(きょじゅう)と戦わないんですか?」


「ああ、今日はウツロの森へは行かない。武器を持って校庭に集合だ」


そう言うと、一足先に校庭へ向かった。

アカサ達はとりあえず武器を取りに武器庫へ行く。


武器庫の中には、短剣、片手剣、両手剣、槍、と言った4種類の武器が置いてある。

生徒達はそこから自分に合った武器を選ぶ。

アカサはいつも通り片手剣を手に取った。


─ やっぱ、これが一番使いやすいな。ドルト先生が言うには、居合は刀と呼ばれる武器が良いらしいけど、そんなもの見たことないしな・・・。


英雄のハクが刀の魂創器(ソウル)を使っているが、現物の刀は王都にすらなかった。

英雄ハクといえば刀、刀といえば英雄ハク、と言われている。

ハクがいなければ、刀と言う言葉は広まらなかったくらい希少な武器だった。

アカサが片手剣を持って武器庫を出ようとすると、視界に身の丈以上の長い槍を持ってるサラが目に入った。


─ サラと一緒に特訓をするようになってから気にはなってたけど、何で長い槍なんか使っているんだろう?


ほとんどの女生徒達は軽く扱いやすい短剣か片手剣を選んでいた。

特にサラは身長が低く、力もあるとは言えない。

普通は持って振ることすら難しい。

アカサは気になってサラに声をかける。


「サラは凄いな。そんな長い槍で戦えて。男の俺ですら扱うの難しいのに」


「子供の頃から使ってたから、もう慣れちゃいました・・・」


少し、照れながら答えた。


「だから、あんな慣れた動きで虚獣(きょじゅう)と戦えてたんだな」


「そうですね・・・その・・・私、[ムクロ]出身ですから・・・先に校庭行ってますね」


サラは微笑みながらも、少し悲しげな表情をしながらそう言うと武器庫を出た。


「サラ・・・」


アカサは心配そうに武器庫から出ていくサラの背中を見つめる。

すると、その様子を後ろで見ていたレナとゴウが肩をポンっと叩く。


「サラなら大丈夫よ」


「ほら、俺たちも行くぞ」


「あ、ああ・・・」


2人に励まされるも、サラの微笑んだ顔が頭から離れない。


─ 後で謝りに行こう。


そう思い、アカサは校庭へ向かった。



校庭に着くと、ドルト先生とサラが向かい合って待っていた。

近づいていくと、何やら話し声が聞こえてくる。


「その体で槍を使うなんて凄いな」


「こ、子供の頃から使ってたので・・・」


先程、アカサがサラと話していたような会話が聞こえてくる。


「子供の頃から使ってたか・・・そういえばサラの出身は確か・・・」


「!!」


出身と言う言葉がドルト先生の口から出た瞬間、3人は勢いよく走って近づく。


「ムク・・・」


「お待たせしました!!ドルト先生!!」


[ムクロ]と言う言葉をかき消すように、アカサは大きな声を出した。


「あ、ああ、別にそんなに待ってはないが」


ドルト先生は驚き困惑している。


「今日は何するんですか、ドルト先生!!」


続けてゴウも大きな声を出す。


「な、何だお前達は、急に大声なんか出して・・・何かあったのかレナ?」


「別に何もないです」


レナは笑顔で答える。


「いや、しかし・・・」


「何もないです。さぁ、特訓をはじめましょう!」


変わらずレナは笑顔でそう答えた。


「そ、そうだな」


その笑顔に何か圧を感じたドルト先生はたじたじになり、話をきりあげた。


その様子を見ていたサラは気を遣われた事に気づき、申し訳ない気持ちになったのか顔を地面に向けていた。



「ゴホンっ!」


ドルト先生は気を取りなおすように咳払いをし、今日やる事を説明し始める。


「今日まで扱えるオーラの量を増やす為に虚獣(きょじゅう)と戦ってきたわけだが、今日からはその増やしたオーラを上手くコントロールする特訓を始めたいと思う」


オーラのコントロールは1年生の時にも学んだが、それはあくまで初歩的な纏い方だった。

E級、D級の虚獣(きょじゅう)までなら、それでも倒すことができたが、C級以上になるとそれだけでは倒すことはもちろん、傷一つすらつけられない。


現にアカサ達が初めてC級のジンと戦った時は、まだ初歩的な纏い方しか出来ておらず、ダメージはゼロに等しかった。

しかし、それをきっかけにアカサ達は無意識のうちにC級の虚獣(きょじゅう)を倒せるよう、その環境に適応しようと、武器や体にオーラを上手く纏わせるようになっていった。

そのおかげか、虚獣(きょじゅう)レオと戦う時にはある程度のコントロールができていた為、レナが致命傷を負うことは無かった。


それでも、まだアカサ達は上手く纏う事が出来ていなかったので特訓は絶対に必要だった。


「まずはいつも通りにオーラを纏わせてくれ」


ドルト先生に言われ、各々武器にオーラを纏わせる。


初めは白いオーラが刃の周りをゆらゆらと漂っていたが、段々と刃と同じ形に形成されながら、刃から1センチくらいはみ出した厚さで武器に纏われていく。


4人ともいつも通りに纏わすが、ドルト先生からするとそれは纏っていないのと同じだった。

ドルト先生は見本を見せる為、持っていた片手剣を鞘から出しオーラを纏わせ始める。


すると、抜いてから一秒もしないうちに


「これが纏うという事だ」


と言って、4人に見せる。

武器の周りには、うっすらと刃に沿うように白いオーラが纏われていた。

アカサ達の目からは、とてもじゃないが虚獣(きょじゅう)を斬れるような見た目はしていなかった。


「これって纏ってるんですか?」


「試してみるか?」


そう言うと、ドルト先生は後ろに倒れていた直径40センチくらいの黒色の長太い棒を起こした。


「まずアカサ、この棒を斬ってみてくれ」


言われるがまま、アカサは思いっきり剣を左下へ向かうよう斜めに振り下ろす。


「はあっ!」


ゴッ!


鈍い音を立て、棒は真っ二つに斬れる事はなく、振り下ろした剣は途中で止まっていた。


「っ!かてぇ!」


アカサは剣を引き抜き手放すと、手を振りながら痛がる。


─ 何だこの棒、堅すぎる!・・・でもこの感触、どっかで感じたことがあるような・・・。 


「次は私だな」


倒れていた新しい棒を立て、ドルト先生は剣を構える。

そして、横に剣を振った。


掛け声すら出さず、息をするかのように振った剣は豆腐を切っているかのように、スッーと長太い黒い棒を

通り過ぎていく。

そして、斬られたはずの上の棒は倒れることなく下の棒に乗っかったままだった。


おおー!、と思わず4人は声を出し驚く。


「これはC級の虚獣(きょじゅう)と同じくらいの堅さの棒だ」


ドルト先生は斬った棒を、トントンと叩く。


─ C級と同じ堅さ・・・そうだ、思い出した・・・!初めてC級のジンを斬った時の感触に似ているんだ。あの時、ありったけのオーラを剣に纏わせて斬ったのに叩いたような感触で手応えが無かったのは上手く纏ってなかったからなのか。


「つまり、この棒を綺麗に真っ二つに斬ることが出来れば、C級の虚獣(きょじゅう)を倒せるくらいの力がつくということだ」


アカサは剣の柄を握り自分が斬った棒を見る。


─ あの棒を真っ二つには出来なかったけど、刃は通った。初めの頃よりは強くなってる。更に、ここからオーラを正しく纏えるようになればもっと強くなれる!


ワクワクが止まらない。そんなアカサの顔を見て、3人も気合いが入る。


(私も頑張らなきゃ!)


(アカサ、負けんぞ!)


(アカサ先輩、凄い・・・私も頑張らなくちゃ!ムクロの人(みんな)の為に・・・!)


しっかり前を向き、覚悟を決めた今のアカサは3人に良い影響を与え始める。


「それじゃあ、始めるぞ!」


ドルト先生の号令のもと、オーラをコントロールする特訓が始まった。


続く






























































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