好きになったら兄妹だって関係ないもんっ!
思い付き短編です。
思っているのと違うかもしれません。
どうぞお楽しみください。
お兄ちゃんが弥華姉ちゃんと付き合う事になった……。
弥華姉ちゃんは子どもの頃からお隣に住んでいる、お淑やかの化身みたいな人……。
美人でスタイル抜群、おまけに優しくて穏やかな性格。
お兄ちゃんには勿体無い!
でも二人は付き合う事になった……。
私の方が好きなのに……!
ずっと前から恋人になりたかったのに……!
……きっとお兄ちゃんも私の気持ちを知ってる……。
だからもう遠慮なんてしない……!
全力で奪い取る……!
絶対に負けないんだから……!
「ねぇ弥華姉ちゃん。今日泊まっていってよー。一緒にお風呂入ろ?」
「ありがとう。でもうち隣だし……」
「だからこそいいんじゃない! お泊まりの着替え、すぐ取りに行けるでしょ?」
「まぁそうだけど……」
「とっておきの入浴剤入れたお風呂に二人で浸かってー、弥華姉ちゃんと一緒の布団で色々お話しながら寝たいなー」
「うーん、楽しそうだけど……」
これはいける!
もう一押しで……!
「やめろ紗由理。弥華困ってるだろ」
むぅ、邪魔が入った。
明らかに警戒した様子で私を見てくるお兄ちゃん。
いつもは鈍いのに、こんなところばっかり勘が鋭い。
でも負けないよ。
弥華姉ちゃんの恋人になるのは私なんだから!
「お兄ちゃんだって弥華姉ちゃんに泊まってもらった方が嬉しいでしょ? 何で泊めるの嫌がるのー? 何か理由があるのかなー?」
「……明日は平日なんだから、弥華に負担をかけないようにって思ってるだけだ」
歯切れの悪いお兄ちゃん。
私がガチで弥華姉ちゃんを好きな事、話す気はないみたい。
ならばそこに付け込むまで!
「じゃあ今度の土曜にお泊まり会ね! 決定!」
「おい! お前勝手に……!」
「いいわよ真路。翌日お休みなら、ちょっと夜更かししてゲームとかしましょ?」
「やったー! 弥華姉ちゃん大好きー!」
「……!」
どさくさ紛れに抱きつく私を睨むお兄ちゃん。
ふふふ、女の子同士の特権!
あー、柔らかい! 良い匂い!
絶対離さない!
たとえお兄ちゃんの彼女だって関係ない!
好きになったら止まれないもんね!
読了ありがとうございます。
タグでネタバレしていくスタイル。
楽しんでもらえたら嬉しいです。