第五話 「再会」
はぁい!
作者の5月の紫陽花です!
前回は、恋愛関係?が分かりましたよね!
今回は、新たな出会いがありますよー!
「おう、後藤。もう傷はいいのか?」
と俺は部室でなにかの本を読んでいる後藤に声をかける。
「う、うるさいわねポンコツ!これくらい平気よ!」
と少しびっくりした様子の後藤は、俺から目をそらす。
後藤は、人間とは思えない回復力で2日で病院を退院した。
だが、3日前の異星人が小学生を襲った事件以降、後藤は何かがおかしい。
何故か俺を避けているのだ。
ぺたんことバカにしたのが、原因だろうか…とりあえずちゃんと謝っておこう。
「なぁ、後藤……すまんかった……」
「え……なんのこと?」
「いやさ……ほら、3日前の……」
と言うと何故か後藤は、顔を少し赤くした。
なんでだ?
「後藤?大丈夫か?熱でもあるのか?顔が赤いぞ。」
「ふぇっ!?だ、大丈夫!熱は無いからっ!」
咄嗟に、後藤は顔を隠す。
ほんとに様子が変だ。
大丈夫だろうか。
「そうか、なら大丈夫だけど…」
と少し気まずい雰囲気が流れる。
「おやおや、何をしてるんだイ?後輩諸君ヨ。暇ならこっちを手伝ってくれないカ?」
と成瀬先輩がひょこっとラボから顔を出す。
「どうしたんです?」
とまだ少し顔の赤い後藤は、先輩に聞く。
「いやね、なんかこいつの調子が3日前から変でサ。」
とリビングの机の上に先輩は、タコヤキを出す。
美味しいたこ焼きではなく、ロボットの方のタコヤキだ。
「あ、これは俺に《SSS》を届けてくれたヤツだ。」
「正確には、《SSSシール》ナ。《SSS》であるヘルメットはお前が被ってただロ。」
そうだった。後藤にダサ言って言われたんだっけか。
「成瀬先輩、のどこがおかしいんです?」
と後藤が問う。
後藤の言う通り外見に、傷や凹んだあとはなかった
「ああ、それはナ」
と言いながら、成瀬先輩はタコヤキの電源を入れる。
するとタコヤキの液晶画面に『OUKA』と言う文字がでてきた。
「3日前から、この文字がずっと出続けてるんダ。ちょうど、タイガーが帰って来た時からナ。」
「おうか……かしら?」
と後藤は首を傾げる。
俺にもさっぱり意味が分からない。
「タイガー、なにか心当たりはないカ?」
「うーーーーん……………ないですね……」
『インストール完了。OUKAシステム起動。周囲の人物をスキャン……終了。状況把握。』
「は?」
「え?」
「んなッ!?」
「なんだ、なんだ!?」
そこにいる一同が驚きの声を上げた。
あ、田中先輩いたんだ。気づかなかった。
続けてタコヤキは喋る。
『皆さん、初めまして。私はOUKA。簡単に言うと電子生命体でーす。☆(ゝω・)vキャピ』
「…………」(一同)
『いやですね、なんか手頃な電子機械がないかなーって見てたらあるじゃないですか!しかも、高性能の!これは乗っ取るしかないだろうと思いまして!』
「タイガー、ラボにスタンガンがあるから持ってきて、こいつを強制的にシャットダウンさせるヨ。私の発明を乗っ取った罰をやらないとネ。」
と静かに成瀬先輩は、俺に伝える。
「分かりました。成瀬先輩。」
『ちょっと!待ってよ!麗しいレディに対してそんなことしていいわけ!?』
「あ、性別はあるのね。ポンコロイド。」
『あ!ポンコツとアンドロイドをかけたんですね!上手い!座布団あげましょうか!』
とタコヤキから急に細い手が生えて、ワキワキし始める。
「嫌よ、ポンコロイド。」
『手厳しいですね!後藤さんは!』
「え!?なんで、私の名前を知ってるのよ!」
『皆さんのことをずっと見てたからですよォ…もちろんお風呂だってね!あ!後藤さんはぺたでしたね!どこがとは言いませんが!☆(ゝω・)vキャピ』
「ポンコツ………私の《Eロッド》持ってきて、こいつすり潰すわ。」
と静かに命令をする。
「嫌だね。自分で取りに行けよ。」
「何よ!ポンコツ!さっき成瀬先輩に言われた時は、素直に取り入ったじゃない!」
「そりゃ成瀬先輩に頼まれたらな。」
「むきぃぃぃいいいい!外に出なさい!ポンコツ!勝負よ!」
うげ、実戦勝負となると武器を使い始めた時期が遅い俺が圧倒的に弱いだろう。
「そ、そんな勝負できる広い場所とかないだろ〜?ね?成瀬先輩?」
「ン?グラウンド使えばいいだロ?タコヤキには、人に危害を加えるような装備はないし、しばらくは様子を見とけば大丈夫だロ。しかも今日はせ……」
「聞いたわね!ポンコツ!《SSS》を持ってきなさい!
私と勝負よ!」
と後藤が、先輩の声を遮る。
どうやら、一刻も早くやりたいようだ。
俺は成瀬先輩に、救いを求める。
「成瀬先輩〜(泣)」
「いいじゃんか、タイガー元はと言えばお前が蒔いた種だゾ。
それに《SSS》の練習もできるいい機会じゃないか、。後藤に指導して貰うんだナ。2人の戦闘データは、田中と取っておくからナ!」
がっくし……
俺は諦めて、《SSS》を取りに行くことにした。
「いい?成瀬先輩の合図で、模擬戦開始よ!」
と成瀬が俺から50mほど離れた場所から言う。
俺は、頷き了承する。
「いくゾー!模擬戦開始!」
と成瀬先輩が模擬戦開始の合図をした。
後藤は、素早く後ろに引きエンチャントをし始めた。
俺の《SSS》の間合いが分からないからというのもあるからだろうが、エンチャントする際は声を出し詠唱する必要があるため、俺にエンチャントの内容がバレないようにする目的もあるのだろう。
実際、声は聞こえず。何かのエンチャントをかけていることしか分からない。
さすがだ、場馴れしている。
「よし、いくぞ。《SSS》起動!」
俺がそう言うと、頭に乗った《SSS》が起動する音が聞こえた。
俺は、あらかじめ《SSSシール》を貼った鉄の板を宙に浮かせ、成瀬先輩のアドバイスを思い出す。
『いいカ?《SSS》は、イメージが大切ダ。』
『イメージ……ですか?』
『そうダ、前に飛べ。とか、そういう雑なイメージだと精度も悪くなル。だが、実際に飛ぶルートを線を引く用にイメージすればその通りに飛ぶが、思考が複雑化すル。』
『うーーん……難しいですね、それに加えて相手の出方も見ないと行けないし……あれ?この武器ってもしかして、とてつもなく扱うの難しくないですか?』
『だナ☆』
『………』
そうだ、大切なのはイメージだ。
俺は鉄の板が、後藤の方に円を書くように飛ぶイメージをする。
すると、イメージ通りに鉄の板は飛んでいく。
「甘いわね!」
と後藤は、俺の方に突っ込んでくる。
移動速度をあげるエンチャントでもしているのか、ものの2秒ほどで、俺との距離を詰める。
俺は急いで、鉄板に俺の元に戻るイメージを送る。
『ガキィィン!』
突っ込んで来た後藤が振り下ろした《Eロッド》と鉄板がぶつかり合う。
「やるじゃない!」
「そっちだって!」
後藤は、再び素早く後ろに飛ぶ。
俺が、何するか分からないからヒットアンドアウェイ戦法を取るつもりらしい。
《Eロッド》に効果時間といった弱点があるように、《SSS》にも弱点がある。
例えば、《SSSシール》は1枚しか貼れず、1しか操れないこと。何故2つや、3つ操れないか成瀬先輩に聞くと
『脳が焼き切れてもいいならいいゾ(^▽^)』
とのことだった。
なので俺はこの鉄板1つで戦わないといけない。
大切なのは集中と、イメージだ。
俺は自分の胸にそういいきかせて、感覚を研ぎ澄ませていく。
『凄いですね……おふたりとも…つよいです。』
とタコヤキの中に入った《OUKA》が私に話しかけてくる。
「だロ?タイガーに至っては、あの武器を使い始めて数日しか経ってないのにあそこまで扱えてル。きっとセンスがいいんだろうナ。」
実際、 タイガーは私が開発した武器の中で恐らく1番難しいであろう《SSS》をかなり扱えるようになっていた。
これなら、いいデータが取れそうだ。
「おイ!田中、映像しっかり取れてるよナ?」
と私は後ろでカメラ役を頼んだ同期に振り向き問いかける。
「おう!2人ともバッチリ映ってるぞ!おい……成瀬。なんか様子がおかしくないか?」
「ン?」
私は模擬戦をしている、2人に目線を移す。
確かにおかしい。
タイガーが少しづつ後藤を押し始めていたのだ。
後藤は、うちのくそ顧問にスカウトされるくらい優秀で強い。
戦いの経験だってタイガーよりも、遥かにある。
私は、何か嫌な予感がした。
「おーイ!後藤!タイガー!データ取れたから、模擬戦終わりナー!」
「はーい!えっ、ちょっとポンコツ!?」
私が模擬戦終了を伝えたのに、タイガーはまだ攻撃を続けている。
「おイ!タイガー!終わりダ!」
「………」
どうやら聞こえてないらしい。
どうするか迷ったそのとき、《SSS》をモニタリングしていたデバイスから警告音が鳴る。
急いでデバイスを見るとそこには、《SSS》に埋め込んだクリスタルとタイガーのシンクロ率が以前よりも、大幅に超えていることが記されていた。
「きゃっ!」
攻撃を凌いでいた、後藤が転んだ。
そんなことお構い無しに、鉄板は後藤に突撃する。
「まずいッ!」
私は、後藤の元に行こうと思ったそのとき
『ガギィィィイン!』
という甲高い音と共に、大きく砂ぼこりが起こり、突撃していた鉄板が粉々に砕け散る。
そして、いつの間にか後藤のを庇うように仁王立ちしている人がいたが、砂ぼこりのせいでよく見えない。
「おう!新人か!ちょいと集中し過ぎだな!」
と聞きなれた声が聞こえた。
声の方を見ると大柄の男性が、タイガーの頭から《SSS》を取り外していた。
そしてその男性は
「おい!優芽!何も粉砕する必要はなかったろ!」
「力加減が難しいのー!」
と砂ぼこりの中にいる女性が答える。
とても懐かしい雰囲気だ。
2人が、私に気づいた。
「「ただいまー!」」
そして私は、大好きな二人の先輩達の元に駆け寄った。
あい!
今回出た『OUKA』の文字を入れている時に、これってエウレカセブンみたいやなって思いました!
そんな作者です!
次回は、成瀬、田中の先輩つまり3年生のお話です!
お楽しみに!
次回の投稿は、20日の15時です!