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ゼロナナ!  作者: 5月の紫陽花
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三話 「Sクリスタル」

あーい!作者の5月の紫陽花です!

前回は、ブリーフ回でしたね!

汚いシーンを期待していた人たちすみません!

今回はありません!

残念でした!

俺が、トイレから出てハンカチで手を拭いていると


「おい、タイガー。右腕につけているそれは、なんダ?」


と体と同じくらいのダンボールを持った成瀬先輩が声をかけてくる。


「あぁ、これですか?4、5年くらい前に貰ったお守りです。」


「ふーん、よく見せてくれるカ?」


とダンボールを机の上に置いた先輩が尋ねてくる。

後藤は俺と成瀬先輩の会話を、むくれながら聞いていた。


「いいですよ、少し待ってくださいね。」


と言い、俺は腕からブレスレットを外して成瀬先輩に手渡した。


「ふむふむ……綺麗な石だな……お、おい待て。これは、Sクリスタルじゃないか!!」


とまじまじとブレスレットに付けられた石を見ていた先輩が驚く。


「え、え、Sクリスタルですって!?」


後藤も先輩の声を聞いて驚いたようで、座っている椅子から素早く立ち上がり、先輩の近くに来る。

2人とも、目を大きく見開いてブレスレットを凝視している。


「Sクリスタル?なんですか?それ?」


「Sクリスタルってのはナ、地球に来る異星人が乗ってる宇宙艦のエネルギー源などに使われているクリスタルなんダ。宇宙艦のエネルギーを補える程の、莫大な力を持ってル。地球では採取することが出来ない、特別な鉱物なんだヨ。」


なるほど、つまりは凄い力を持った石ころを俺は、お守りにしてたのか…とんでもねぇや


「成瀬先輩……爆発とかしたりしないですよね?」


「しねーヨ!」


良かった、爆発しないのか…


「多分ナ(ボソッ)」


「多分ん"!?」


「あのねポンコツ、Sクリスタルを使っている異星人でさえ詳しいことはまだ分からないの。例えば、どのようにして作られたのかとかね。噂だと、野球ボールくらいの大きさのSクリスタルがあれば、星を動かすことだってできるそうよ。」


ヒェッ…なんだよそのイカれパワー。

チートじゃんか。


「なぁ、タイガー!これは、どこの誰から貰ったんダ?」


「えーと……あれ……誰からだっけ……」


「おいおい、忘れたのかヨ!」


「すみません、なんか思い出せなくて…」


「まぁ、いいゾ。…………なぁタイガーこれ、少し借りててもいいカ?閃いたことがあってナ。」


と成瀬先輩は、少し考えた後に聞いてきた。


「いいですけど、何するんですか?」


「お前も、入部することだし異星人に対抗するため、武器が必要なんだヨ。だから、このSクリスタルを組み込んだお前専用の武器を作ってやるヨ。

後藤の《Eロッド》みたいやつナ!今朝見ただロ?」


どうやら、今朝のピッコ〇さんの時に使っていた白い物干し竿のようなもののことだろう。


「後藤、お前の仲間になることだしEロッドのこと教えてやんナ。私は、ちょっとラボに籠ってタイガーの武器を作って来るからヨ。」


どうやら成瀬先輩は、ゼロナナのメカニックらしい。


「分かりました先輩!」


「あ、そうそウ。」


と俺に机の上にあった、ダンボールを渡してきた。


「これお前のな、大切に使うんだゾ。」


中身を見てみると、ビニールに包まれた新品の黒い制服が入っていた。

俺の制服だ。

かっこいい…早く着たいくらいだ。


「ポンコツの制服ね、ポンコツのことだろうから、早く着たいんでしょ?更衣室があるから、着替えてきてそこで着替えて来て。その後に私の武器の話をするわ。」


「お前、俺の頭の中でも覗いたのか?よく分かったな。」


「私も貰ったとき、早く着たくてたまらなかったからよ。いいから着替えて来て。」


と少し後藤は恥ずかしそうに言ったあと、奥のキッチンらしきところに行った。


なんだよ、意外と可愛いところあるんだなと思いながら俺は更衣室に入り着替えることにした。




「ポンコツの癖に、なかなか似合ってるわね。」


と着替えた俺を見て後藤は呟く。


「そりゃどーも」


と俺は少し恥ずかしい思いを隠しつつ答える。


「じゃあ、説明するから座って。」


と俺は促されるままイスに座り後藤の武器の解説を受けた。


どうやら、《Eロッド》の本当の名前は《エンチャントロッド》といい、名前の通り生き物の状態や、物質の性質を奪い付与することが出来るというものらしい。


だが、ルールが3つほどあり、そのひとつが、物質同士や生物同士でないと付与できないというもの。


つまり、物質である鉄の固いという性質を人間といった生物に付与することは出来ないが、紙といった物質なら鉄の固いという性質を付与できる。 ということだ。


それと、効果時間は5分。同じ付与は10分経たないと付与できないとの事。


最後のひとつは、《Eロッド》自体に3つまでなら付与する効果はストックすることができるらしい。


簡単に言うと、対象の性質を奪いその性質を、別の対象に付与できるってことだ。


「分かったかしら?」


「まぁ大体は、大丈夫。だけど一つだけ聞きたいことが…」


その続きは言えなかった。

なぜなら


『ウゥー!!』


という低いサイレンが部室に響き、机の上にあったランプが点灯し始めたからである。


「おい!後藤!なんだよこれ!」


「出動命令よ!どこかに迷惑な、異星人が現れたってこと!」


「マジかよ、どうするんだ?」


「何馬鹿なこと言ってんの、私たちが助けに行くの!」


そうだった、おれは仮入部と言えどこのゼロナナの部員だ。


「小学校だ!北の高高橋小学校にいるぞ!」


横に長いタブレットを持った人が、異星人のいる場所を教えてくれる。


「了解!ありがとうございま…」


え?誰だこのひと。


俺と同じくらいの身長で……普通の人だ……悲しいくらいこれといった特徴がない。


「あ、田中先輩。いたんですね。」


「最初から居たよ!酷いなぁ……誰も声掛けてくれないから泣きそうだったよ……」


「ポンコツ、この普通過ぎて逆に存在感が薄い先輩は、田中たかし先輩よ。ゼロナナの部活を全体的にサポートしてくれる、オペレーターよ。」


「よろしく……」


こころなしか、先輩は泣きそうに見える。

なんか……可哀想だ。


「タイガー!もう出るんだロ?これ持ってけ!」


と言うと、ラボからひょこっと体を出した成瀬先輩が何かを投げた。

それをキャッチして見てみるとそれは、工事現場とかに使われる黄色い安全ヘルメットだ。

だがヘルメットの横に《SSS》と言う文字が書かれている。


「持っていっときナ!後で必ず必要になるからヨ!」


「はい!ありがとうございます!」


俺はそう伝えると、早速ヘルメットを被った。

それを見た後藤は


「信じられないくらいダサいわね。」


うるせぇ、そんくらい分かってるわ。




「準備は、いいわね?それじゃあ倉庫に行くわよ。」


そういうと、後藤は部室から出て横のシャッターで閉ざされた小屋に向かう。

部屋の中は暗く、少しカビの匂いがする。


「いい?迷惑な異星人から、1人でも多く救うために私たちは、素早く現場につかないといけない。ポンコツ、何に乗って行くと思う?」


「車とかバイクか?」


俺の言葉を聞いた後藤は、大きくため息を付いたあと


「やっぱり、ポンコツね。免許証も持ってないのに、どうやって運転するのよ。答えは、これよ。」


といい、部屋のライトをつけ後藤が俺にみせたのは……サーフィンのボードだった。


「後藤、お前俺をバカにしてる?」


「してないわよ!このサーフィンボードはね、特別なのよ。」


そういうと、部屋に置いてあるボードをひとつ持つと電源らしきボタンを押して宙に放り投げる。

すると、驚くことに床に落ちることなく地面の少し上で浮いているのだ。


「これはね、反重力式サーフィンボード《乗るんデス2号》よ」


「…………やっぱりバカにしてるだろ。」


「うっさいわね!この名前は私もおかしいと思ってるわよ!私が前に乗るから、あんたは後ろに乗りなさい!」


「え?けど、乗るったってスペースが…」


そう、スペースがないのだ。乗れるには乗れるが、後藤と密着状態になるのは、必至だろう。


「あんたはまだこれ、乗りこなせないでしょ!?仕方ないでしょ!いいから乗る!」


「お、おう。」


俺は言われるまま、乗る。


「もっとくっついて!あの腰を、手でしっかり抑えてて!じゃないと私もバランス取れないし、あんたが落とされるんだからね!」


「あーもう!わかったよ!」


と俺は吹っ切れ、言われた通りにする。

正直、かなり恥ずかしい。それは後藤も同じようだった。


「……………行くわよ」


「……………おう」


気まずい雰囲気のまま、俺の初仕事は始まった。




「すげええええぇぇ!」


《乗るんです2号》は、車の2倍くらいのスピードで現場に向かっていた。結構な速度が出ているのに、全く事故が起きない理由は、車の車道の上空を進んでいるからである。


5分くらいだろうか、あまり時間が経たないうちに学校に着いた。


後藤は、ボードに括りつけていた《Eロッド》を取り出しながら周りを警戒している。

すると奥から、1人の女性がこちらに来る。

多分この学校の先生だろう。


「2階の3組の教室に、生徒たちと犯人が!お願いします!急いで、助けてっ!あの子たちに何かあったら私…私…」


と先生はかなり取り乱しているらしい。

後藤は、先生をなだめた後に他の生徒たちと安全な場所に行くように告げると


「行くわよ、ポンコツ。気合い入れなさい。」


と先程までとは明らかに違う雰囲気を纏っていた。気迫というよりも、殺気に近い気がした。

俺は、自分の気を引き締め後藤と共に校舎に入った。




犯人がいるであろう2階まで来ると、後藤は


「ポンコツ、あんたはここに残りなさい。」


という。誰が、ここまで来て引き返せるかっていうねん。


「いや、俺も行く。」


「武器もないくせに、調子に乗るな。」


「何かの役に経つはずだろ。俺も行く。」


「いいから残って!」


後藤は、真剣な眼差し出続けて言う


「あんたに死なれたら、胸がスッキリしないから」


どうやら、武器も持たない俺が行って死にでもするのが嫌なようだ。

そりゃそうだよな。


「分かった。だけど、お前は元から胸はスッキリしてるぞ」


『ガン!』





《Eロッド》で殴るとか正気かよあいつ。

ちょっとした、ジョークを言っただけじゃんか。


後藤は、顔を真っ赤にして俺を殴ったあと犯人にバレないように教室の前まで行き、犯人を捕らえるために《Eロッド》で何かエンチャントしようとした時


『ガラガラガラ』


と教室の扉が開いて、異星人が現れた。

異星人の見た目は、太いシャーペンの芯だった。

比喩とかではなく、本当に太いシャーペンの芯に足と大きな手が生えていたのだ。


「いっっ……大河……動くなよっ…」


シャーペン星人は、大きな手で後藤を鷲掴みにして、教室へと引きずり込んだ。


俺が、後藤を助けようとして動こうとすると


[おい!動くな、タイガー!]


どこからか、成瀬先輩の声が聞こえる。

声のする方を見ると、そこには鉄の丸いボールのロボットが宙を浮いていた。


どうでしたか〜?第三話!

黎菜の胸が、崖ということが分かりましたね!

胸が大きいことを期待していた人たちすみません!

ちなみに、成瀬先輩は人並みサイズですよ!

次回のゼロナナ!はいよいよ大河が戦いますよ!

お楽しみに!

次回の投稿は16日17時の予定です!

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