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ゼロナナ!  作者: 5月の紫陽花
3/6

第二話 「ゲロ吐きタイガーの部活探し」

どもども!作者の5月の紫陽花です!

前回はゲロまみれでしたね!

今回は、少しクスッとするようなシーンが多いと思います!

ぜひ楽しんでください!

あと、今回も汚い描写があります!

(ブリーフとか!)

「う、うーん」


頭がすごくズキズキする、気分も少し悪い。


「あら、起きたの?大丈夫?」


と俺を心配している声が聞こえる。

重い瞼を開けると、目の前には白い天井が見えた。あと見えるのは、白衣を着た色黒のムキムキマッチョマン。


「もう大丈夫なようね♡まだ吐き気はある?」


「いや、気分が少し悪いですが大丈夫です…」


「そう♡精密検査しても、特に以上はなかったけどいくつか質問してもいいかしら♂」


と他にも白衣マッチョマンに質問され、答えていくうちに記憶が蘇る。


そう、俺は吐いた。入学式に。記念すべき新生活の初日に!


「あなた吐きすぎて、気絶したのよ。吐きながら、痙攣してたわ笑」


「……聞きたくなかったです」


「ワロスね…♂」


誰がワロスだよこの野郎。


「あなたがゲロ吐き気絶脱糞ボーイしてから、2時間よ。まだ間に合うから教室に行きなさい♡」


脱糞してねぇよ!……してないよね?


「あと、あなたの教室は、1年2組から1年OD組に変更になったわよ♡」


「へ?OD組?なんですかそれ。」


「行けばわかるわよ♡ちなみにOD組は旧校舎のほうね♡」


正直、2組だろうが、謎のOD組だろうが、行きたくない。

それもそうだ、皆の前でゲロをぶちまけたんだから。

クラスメイトにバカにされるに決まってる…さよなら俺の高校生活…

俺がそう考え、クラスに行くのを躊躇っていると


「行かないなら、私とイイコト…する?♡」


「教室に行きます。」


身の危険を感じ、食い気味にそう伝えると急いで保健室を出た。


保健室を出る時に


「あら素っ気ないのね…けど、タイプかも…///」


という背筋が凍るようなことが聞こえた気がするが、あえて聞こえない振りをする。


白衣マッチョマンの指示に従い、旧校舎のOD組へと向かった。


旧校舎は、ボロボロで至る所に穴や焦げたあとがある。

とても綺麗な校舎とは言えない場所だった。

ギシギシとなる、廊下を通ると1年OD組という札だけ、真新しい教室を見つけた。


バカにされる覚悟を決めて教室に入ると、自分の目を疑った。

何故かと言うと、クラスメイトが1人しかいないためである。

しかもそのたった1人のクラスは、因縁のあのボブ女である。


しかし、何故か顔を真っ赤にしている。トマトボブ女だ。

なぜ、トマトボブ女が、なぜトマトになっているのかはすぐにわかった。

教卓に立っている先生らしき人が、アフロ頭でブリーフしか履いていない変態だったからである。


「ぎゃぁぁぁあああああ!」


慌てて、俺は携帯デバイスを取り出し警察に連絡しようとする。


「ま、まて!お、私はお前の担任のジョン☆健一だ!」


「ふざけてんのか!この変態野郎!」


「このブリーフ1枚の格好以外、私はふざけてなんかない!」


「ふざけてる自覚あるのかよ!」


とツッコミつつ不審者か、本当の教員か見定めていると …いやどう見ても不審者だろ。これ。


「よく見なさい、ポンコツ。ブリーフのおしりの方に教員証が貼られているわ。」


と、顔を赤くして前を見舞いと顔を下に提げているトマトボブ(仮)が言う。


「ふんっ!」


と自信ありげに、不審者はおしりを向ける。

そこは確かに、教員証が貼ってあった。

だが、少し違和感があった。

教員証が、少し茶色なのだ。そして、臭い。


まさか!と思った瞬間、運悪く顔を少し上げたトマトボブ(仮)の目に入り…


「ぎゃぁぁぁあああああああああああああああ!」


「悪いね、大河くんが教室に来ていきなり叫ぶもんだから、驚いてちょっと出ちゃった(ノ≧ڡ≦)☆」


「ふざけんな!この不審者教師ィィィイイイイ!」



~10分後~



「よし、やっと落ち着いてくれたか!君たち!」


「あんたのせいだろうが!」


「ようこそ!1年OD組へ!」


と俺のツッコミをスルーし、新しいブリーフを履いた担任は話を続ける。


「とりあえず大河くんは、後藤ちゃんの隣の席な!と言ってもそこしか、机と椅子ないけどな!あははははは!」


何がそんなに面白いんだよこの不審者が!


俺は、担任に言われた通りにトマ…間違えた、後藤さんの隣に座った。


近くで見ると、結構な美人だった。だが、美人で助けてくれたからといって人を蹴って言い訳がない。


よし、後で秘伝のエクトリームダイナミックドロップキックをお見舞いしてやろう。


「私の名前は、ジョン☆健一!君たちOD組の担任教師だ!とりあえず、君たち2人とも、自己紹介でもしようか!」


と俺に目配せをする。俺から、自己紹介をしろということなのだろう。


「えーと、星塚大河です。趣味は、アニメを見たり音楽を聞くことです。よろしくお願いします。」


パチパチパチとジョン先生だけの拍手が、教室に響く。

「じゃあ、次は後藤黎菜さんいこうか!」


「後藤黎菜です。趣味は…特にありません。よろしく…。」


それだけ言うと、後藤は席に座った。


「よし!自己紹介は、終わったな!何か質問は、あるかー?」


聞きたいことだらけだ、なぜ俺は1年2組からOD組に移ったのか、そもそもOD組となんなのか。

なぜOD組は、こんなにボロい校舎なのか。

その疑問の、2つは後藤が聞いてくれた。


「はい、先生。質問があります。」


「ほい、後藤。なんだー?」


「なぜ私は、1年2組からこのOD組に移動になったのですか?それと、OD組ってなんなんですか?」


どうやら後藤も、いきなりクラスが移動になったようだ。


「うむ、いい質問だ後藤。OD組とは!おバカ組の略だ!お前たちは、入学そうそうバカをしでかしたから急遽変更でこのクラスに編入になった!」


は?おバカ組!?おれが!?


「はい?ジョン先生、俺の聞き間違いですか?今なんって言いまし…」


「だからおバカ組だってば」


はぁぁああああああ!?


「大河くん。君は、入学式にゲロをぶちまけたよね?バカだよね?しかも、君入試の点数最低だからね?」


うっ。耳が痛い。だが、俺はともかく後藤は首席入学生徒だったはずだ。


「先生、このポンコツはともかく私はバカじゃないです。」


「うん、首席入学したくらいだから馬鹿ではないよね。

だけど、大河くんがゲロを吐いた原因は、君にあるんじゃないのかな?」


「うっ…そ、それは、このポンコツが…」


「それに加えて、君は入学まえからこの旧校舎で色々壊したり、穴開けたよね?旧校舎、3ヶ月前まではこんなにボロくなかったのになぁ?」


「うっ…だけど、それをやったのは私だけじゃ…」


もうひとつの疑問も解けた。


旧校舎がこんなにボロボロなのは、後藤が原因らしい。何やったんだよこいつ。


だが、新しい疑問ができた。どうやら後藤は、3ヶ月まえから何らかの理由で、この学校に来てるらしい。


「よし!もう質問は、ないみたいだね!O☆BA☆KA共(笑)」


このブリーフ野郎、後で殴ってやろうか…


「本格的な授業は、明日からになるから今日は部活見学に行くといい。ちなみに、うちの生徒は必ず入部しないといけない取り組みだから、よろしく。まぁ、後藤はもう入部してる部活があるし大河くんが行ける部活も一つだけだろうけどね。」


はぁ?部活くらい自分で選べるだろ、何言ってんだこのブリーフ。


「後藤、大河と一緒に校舎を回って部活見学をサポートしてやってくれ。」


「………はい、わかりました」


と口では言っているが、すごく嫌そうな顔を後藤はしていた。



俺は後藤に連れられて、部室がある場所まで来た。

とても日当たりが良く、ここで昼寝をしたらとても気持ちいいだろう。


「ここが、部室棟よ。私はここにいるから、自分の気になる部室を覗いて来て。多分、先生が言ってたようにどの部活にも入れないだろうから(笑)その時は、私の所まで戻ってきて、いいわね?」


「はぁ!?俺だって、部活選ぶ権利があるだろ。バカにすんなよトマトボブ」


「ちょっと!今、私のことトマトボブっていった!?それってどういう意味よ!」


という後藤の声を聞かなかったようにして部室巡りを始めた。


初めに目に付いた部活は、バスケ部だ。

バスケは、前から好きだった。

一緒にやってくれる人はいなかったけど…


「すみませーん…新入生の者なんですけど…」


「お!新入生か!いらっしゃ…あっ…えーと、ごめんなバスケ部はもう満員でダメなんだ、ごめんよ?」


と言われた。だが何故か目を合わせようとしない。

なんでだろう。


「分かりました。失礼します…」


と言い残し、俺は次の部室に行った。


次に気になった部活は、剣道部だ。

子供の頃から、剣士に憧れていた。

チャンバラごっこなどよくしたものだ。

これも、一緒にやってくれる人はいなかったけど…


「すみませーん、見学に来たものなのですが…」


「新入生の人ですね!はーい!少し待っててねー」


といって扉が開くと、そこには見知らぬ先輩と見知った顔の人がいた。


「あっ、千春さ…」


「ぎゃぁぁぁあああああ!ゲロ吐きバケモノッ!うちの部にくるなぁあああああああ!」


と絶叫。バスケ部が、入れてくれなかった原因はこれか…


「え!?この子が、噂のゲロ吐きタイガー!?」


なんだよ、その噂。

ゲロ吐きがなかったらかっこよかったな。


「そうですよっ!入学式で、吐いたやつです!」


すると部室が、次々と開き


「おい!噂のゲロ吐きタイガーがいるらしいぞ!」


「まじ!?あの子かな?」


と噂のゲロ吐きタイガーを一目見ようと、人が集まり始める。

これは、やばい。逃げよう。


俺は、これ以上見世物にならないために後藤の元に戻ることにした。



「ふっ(笑)やっぱり、どの部活にも入れなかったのねポンコツ。いっそ哀れね。」


誰のせいだと思ってんだ、このくそガキが…


「じゃあ、行きましょうか。」


「行くってどこにだよ。」


「ゲロ吐きタイガーのあなたが、入ることが出来る唯一の部活よ。」


「ちょ!後藤!聞こえてたのかよ!?」


後藤は、さっきの仕返しと言わんばかりに俺の言葉をスルーして歩き始めた。



「ここよ。」


と言って後藤が、指を指したのは四角で至る所に苔や汚れが付いた一軒家くらいの大きさの建物だった。

入口の横にかけられた木の札には、豪快な書き方で『ゼロナナ』と書かれていた。


ゼロナナ部ということだろうか?聞いた事もない部活だ。


「入って」


と後藤が言う、ドアの先は真っ暗だ。

だが、言葉に促されるまま入ると。


「やぁ!君が噂の新入生かナ!?」


「ぎゃぁぁぁあああああ!」


と急に少女が現れたものだから、俺は飛び上がって驚いてしまった。

急に現れた少女は、背丈がかなり小さく後藤と同じ黒い制服の上に、ダボダボの白衣を纏っている。


「ぷっ…情けないわね、ポンコツ」


てめぇ…バカにしやがって…


「先輩、また電気を消して研究してたんですか」


ええええぇ!?この人、先輩なのか!?


とても、そうは見えない。

俺は、後藤の妹か何かと思っていた。


「おゥ!後藤、新入部員を連れてくるとはなかなかやるナ!」


「えへ…///」


なんだこいつ、いくら先輩と言えど俺と態度違いすぎね?


「君が今朝異星人に襲われてた、ゲロ吐きタイガー君だネ?」


その異名、もう先輩達の学年にも届いているのね…(泣)

というか、なんで襲われたの知ってるんだ?


「色々質問したいことがあるようだネ?まぁまぁ、座りたまえヨ。」


先輩がそう言い電気を付ける。


部屋が明るくなり見えた部室は、大きなリビングがありその奥に、キッチンらしきところ。右側にはラボと書かれた札が下げられたドア。左側にはいつくものドアがあった。

リビングの雑に並べられたイスに、案内される。

俺が、座ると机を挟んだ向かい側に先輩と高梨は座った。


「ようこそ!対宇宙人地球防衛部07番隊通称ゼロナナへ!」


と先輩は言う。


はい?宇宙人ちきゅーぼうえい?

ちょっと何言ってるか分からなかった。


「ちょっと何言ってるか分からないって顔をしてるね?後藤、説明してあげナ」


「はい!ポンコツ、あんた異星人が地球に、溢れるほどいるのはもちろん知ってるわよね?」


「おう。」


「今日の校長先生の話にもあったでしょ、いい異星人もいれば悪い異星人もいる。その、悪い異星人を取り締まることが、この部活の目的よ。」


なるほど、悪い異星人を捕らえるための部活ってことか。


「この部の最終的な目標は、ゲートを閉じることダ。そうすればもう異星人らこなくなり、地球は本当の平和になるからナ。」


なるほど…確かにゲートを閉じたら、異星人は来れないな。


「後藤は、うちのクソ顧問にスカウトされてうちの部で3ヶ月前から活動してもらってル。そのクソ顧問は、今出張中ダ。」


なるほど、だから3ヶ月前から学校に来ていたのか。

ん…待てよ…?


「今朝の、ピッコ〇さんを後藤が落ち着かせたのって…」


「ゼロナナの部活動の一貫ってわけダ。」


「わかったかしら、ポンコツ。」


なるほど…活動自体はしっかりしてるし、目的もちゃんとしてる。

ヒーローっぽい仕事をするみたいだし、かっこよくて楽しそうだ。


そして何より、ゲロを吐き散らかした俺を1度も嫌がることなく接してくれた。

心は決まった。


「俺を、このゼロナナに入れてください。」


「思い切りがいいナ。そういうのいいと思うゼ。それじゃ、この仮入部届を、書いてくれヨ。」


といい、先輩は仮入部届を渡してくれた。

自分の名前を手早く書き、先輩に手渡した。


「よし、ばっちりダ。私は、成瀬なみダ。気軽に成瀬先輩って呼んでくれヨ。」


「はい!よろしくお願いします、成瀬先輩!」


と成瀬先輩と握手を交わす。


「…………むぅ」


と何故だか、後藤はむくれていた。


「よし、それじゃぁ色々と渡すものがあるから待ってなヨ。」


「あの…すみません、成瀬先輩…」


「ン?なんダ?」


「トイレってどこにありますか…?」


俺は、新生活で緊張してなかなか言えなかったことを言った。


「はははハ!トイレは、部屋の隅を右に曲がったとこダ!」


と気さくに教えてくれた、ほんとにいい先輩だ。


「じゃぁ、トイレ使わせてもらいますね。」


「おウ!」


俺は、早速トイレに向かった。




「おい、後藤なんであいつなんだヨ。運動神経も、ずば抜けていいわけじゃなさそうだし、脅かしたらすっ飛んでったゾ?」


「あのポンコツ、私が蹴ったあとに受身をとったんです。」


「エ?不意に横からけったのに、受け身を取ったのカ?普通は何が起きたか、分からずに受け身なんか取れないだロ?」


「けど、あいつは受身を取ったんです。」


「なるほどナ。そいつは面白そうダ…」



このときの俺は、まだ知らなかった。

この部に仮入部したことをきっかけにとんでもない事件に巻き込まれていくことを…

第2話いかがだったでしょうか!

笑えましたか?

笑えましたよね?

笑って貰えたなら幸いです。

次の投稿は、12月15日17時の予定です!

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