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プロローグ -誰も知らない独白-
私は、馬鹿なのかもしれない。
たった1人の人間のために全てを変えてしまうのだから。
だけど、私はそんなことも知らずに助けを乞うばかりだった、その時はこの人を死なせてはいけない。絶対に死なせてたまるかという気持ちが強かったから。
あぁ、この世界はなんて残酷なんだろう。
私がそう思った時、世界はまるで嘲笑うかのように雪が降り始める。
あぁ、なんて美しいんだろう。なんて、残酷で美しい世界なのだろう。
私の頬を冷たい涙がなぞる。
「また君に会えるといいな…」
私が、そう言うのと同時に辺りは光に包まれた。