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【電子書籍配信中】悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜  作者: やきいもほくほく
2章

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46.つまり乙女ゲームの裏の裏の事情を知った感じ?


そうなるとダリルと婚約する前には、とても良い子だった乙女ゲームのトリニティが、ダリルと婚約した瞬間に性格が歪んだのは、ダリルの側にいたマーベルが原因だと考えれないだろうか?

(怖いくらいに説得力があるし、話が繋がるわ……!)

そしてケリーは無意識にトリニティをずっと守ろうとしていた。

しかしトリニティは、天使であるケリーの助言を無視し続けていた。

ケリーと離れた瞬間にトリニティは暴走して破滅への道を駆け上がっていった。


(……えーっと、つまりこの乙女ゲームの裏の裏の事情を知った感じ?)


乙女ゲームではダリルはヒロインと愛を育んだことで、ダリルに巣食うマーベルを追い出したのだろうか。

ゲームではトリニティが断罪されて終わりなので、その後はどうなったかは分からない。

そうなってくるとトリニティは、とても可哀想な子に思えてくる。

元々心優しく天使に愛されていた少女、トリニティはダリルに憑いていた悪魔マーベルによって破滅して、ダリルはヒロインに救われた。

きっとトリニティの絶望はマーベルの餌になったことだろう。

(もう、何なのよッ! 考えたら腹立ってきた)

ケリーの胸に顔を埋めながら考えていた。


「王家が……悪魔に気付けないとは、情けない限りだな」

「仕方ありません。精神を蝕む悪魔に気付ける事は殆どありません。記憶を操作できるとなると相当力が強いと推察出来ます。それに最も嫌なやり方で周囲を巻き込みながら全てを破滅させますからね……女神メーティス様はデュラン殿下の安全を最優先にしたのでしょう」

「……それでも悔しいな。それこそダリルに何かが起こったと思うと」

「絶望は彼らの餌ですから。そうやって負の感情を食らいながら力を高めていくつもりだったのでしょう。そして最後はダリル殿下を……」


リュートは小さく首を横に振った。

どんな酷いことが起こるのか、想像したくはなかった。

 

「悪魔マーベルはメーティス様に気付いていたのでしょうか……? 私でも気付かなかったのに。何故デュラン殿下を周囲からどんどん孤立させていったのでしょう」

「…………それは」

「それにマーベルが去った後……マーベルは一体何処へ? 何か目的があったのでしょうが、再び何かを仕掛けてくる可能性はあります。皆様、気をつけてください」


珍しく歯切れの悪いデュランの言葉が気になるところだが、ダリルがデュランと仲が悪かったり、デュランが孤立していたのはマーベルが仕組んだ事だった。

彼の周囲にいる者達の感情を煽ってデュランの側から離れるように仕向けていたということだろうか。

天使や悪魔が近くに居たとしても、その存在に気付く者は殆ど居ないのだとリュートは言った。

稀に勘のいい人間もいるが、基本的には人間には存在を気付かれずに仕事をするのがマナーだそうだ。


「ケリーナルディが無事で本当に良かった」

「…………」

「我々天使は側にいる人間やその周囲を幸せに導くことが使命ですから……ケリーナルディが無意識にでもトリニティ様を幸せにしようと頑張ったから消えずに済んだのでしょう」

「幸せに……? 消えるって……」


もしかしてケリーはトリニティの前から居なくなった後、消えてしまったのだろうか。

それとも天使としての記憶を無くして、恋人であるリュートとも会えないまま、人間として過ごしたのだろうか。

(前のケリーが少しでも幸せだったらいいな……)

今、ケリーに絶対の信頼を寄せている。

無意識にトリニティを幸せに導いてくれていたという事だろうか。


やはりケリーは只者じゃなかったようだ。

『ダリルとの婚約をやめた方がいい』とケリーが必死に訴えていたのはマーベルが側に居たからなのだろう。

途中から『ダリル殿下と婚約してもいい』と言っていたのはマーベルが消えてリュートが側に居たから……。

(つ、つまり……天使様的には今のダリルと結婚したら幸せになれるということ!?)

そう思ってブンブンと首を振ったのだった。


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