表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【電子書籍配信中】悪役令嬢、モブ目指します!〜最短ルートを突き進もうとした結果、溺愛が止まりません〜  作者: やきいもほくほく
1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/71

15.きっと運命には逆らえない

しかし健闘虚しく、婚約者を作るどころか出会いの場に行く事自体許されないという意味の分からない出来事が起こる。

反発するとマークとイザベラの顔色は悪くなるばかりだ。

困惑する両親の顔を見ていると、何も言えなくなってしまう。

マークとイザベラがトリニティを溺愛しているのと同じで、トリニティも両親が大好きだからだ。

それにケリーは真顔で「……お嬢様、きっと運命には逆らえないんです」と、不吉な事まで言い出す始末だ。

(私の知らないところで何が起こっているの!?)

ケリーに髪の毛を梳いてもらいながら難しい顔をして打開策を考えていた。


「今日は初めての顔合わせの日ですね~」

「ーーーッ!?」

「どのドレスにします?」

「だっ、誰との顔合わせ!? 伯爵家!? 子爵家ッ!?」


必死な形相でブンッとケリーの方を振り返る。

すると豊満なお胸に顔が埋まった。

ケリーはキョトンとした後に、笑顔になると平然と顔を鏡へと戻して作業を続けた。

前々から思っていたがケリーは此方に対して、なかなかに遠慮がない。


「もう! お嬢様ってば何言ってるんですか。新しく出来る弟君の事ですよ……! 確か二つ下でダリル殿下と同じ歳の!」

「…………!」

「ずっと前から旦那様と奥様が言っていたじゃないですかぁ!」


ふと、蘇る記憶……ダリルと同じ攻略対象者であるトリニティの弟のコンラッド・フローレス。

ダリルとトリニティの婚約が決まった後、両親がフローレス侯爵家の養子に取ったコンラッド。

ダリルの婚約者となってどんどんと豹変したトリニティの性格は徐々に歪んでいく。

そして今まで両親の愛情を独り占めしていたトリニティはコンラッドの事が気に入らずに嫌がらせを繰り返していた。

勿論、周囲にはバレないように。

そのお陰がコンラッドは姉嫌い、女嫌いになるのだ。

そして基本的に人嫌いなコンラッドはいつも独りぼっち。

そんな凍った心を溶かしていくのがヒロインなのだが……。


(ァアアァァッ~! まだ婚約者の問題も片付いていないのに何で弟がやって来るのよ!!)


けれど両親に金持ちの所に嫁に行くからと宣言しているので、その選択は間違えていない。

しかし一つの問題が浮かび上がるのだが、果たしてコンラッドと仲良くすべきか否か、だ。

以前のように地味な嫌がらせをするつもりは全くないが、問題はコンラッドと仲良くなることで将来金持ちライフに役立つかどうかだ。

しかしダリルと同じ攻略対象者である彼とは距離を置くべきなのだろうか。

(……ここに来てコンラッド、悩むわ)

こんな悩める時こそ、頼りになる巨乳侍女のケリーである。


「……ねぇ、ケリー」

「はい、何でしょう?」

「わたくし、弟と仲良くした方がいいのかしら?」

「…………っ!」

「それとも無理をせずに暫くは距離を置くべきかしら……」


そのトリニティ言葉に瞳にはウルウルと涙を浮かべたケリーは口元を押さえた。

(お嬢様はきっと、急に出来る弟に対してどう接していいのか分からずに戸惑っていらっしゃるんだわ……! ここは私がどうにかしてあげないと!!)

ケリーは鼻息荒くトリニティの肩を持った。


「大丈夫ですよ、お嬢様!」

「え……?」

「お嬢様のお気持ちはお察しします……! けれど、ここは快く新しく出来る弟を受け入れてみるのは如何でしょうか?」

「ケリーは、どうしてそう思うの?」


真剣な顔でケリーに問いかける。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ