娘の事情2
遅くなりました―――――!!!
申し訳ございません!(__)
おかしい・・・・・。あの後、気分がよくなるまで4ヵ月もかかった。その間学校にはほとんど行ってない。あたしは前から学校はサボりがちだったから、お母さんはなんか言いたそうにしてたけど、なんも言ってこなかった。
けど、おかしい。あたしは自分で言うのもなんだけど、結構きれいだ。スタイルもいい。それを維持するために食べる量には気を使っている。
それなのに・・・・。最近お腹が少し出てきた。
あんなに体形維持のために頑張ってるのにありえない!!!
イライラしながらふて寝をしようと布団をかぶった。なぜか最近とてつもなく眠い。それなのに・・・・・。
「夏紀! 起きなさい! 今日という今日は学校に行きなさい!」
今日に限ってお母さんが起こしに来た。布団まではがされた。
いつもはずっと寝てるけど、今はお母さんを無視できるほどの余裕はない。あたしはお母さんに苛立ちをぶつけながら制服を着て、逃げるように家を飛び出した。
家を出た後、他にも行く当てがなかったから、仕方なく久しぶりに学校に行った。
「あ! 夏紀~超久しぶりじゃん!」
教室に入るなり、友達から割と大きな声で手招きされた。なんだかそれだけであたしの中のイライラしてしまう。
あたしは友達を無視して自分の席に座った。
「あれ~? 夏紀今日ご機嫌斜め?」
挨拶を返さないあたしに気になった友達が話しかけてきた。それだけでもあたしのイライラは最高潮に達した。
「おーい。お前ら席に付け。もう予鈴なってるぞ。おっ! なんだ今日は早坂来てたのか。久しぶりだな!」
あまりの苛立ちに任せて教室を出ようと立ち上がろうとしたときに、運悪く河原が入ってきた。自分がしたい行動が出来なくてさらにイライラしていった。
「これはレ点と言って前の字と置き換えて読むという記号だ。だからここの読みは・・・・。」
時間割見てなあったから忘れてた。今日は朝から古典の授業だった・・・。
昔の人が書いた文章なんて、意味が分かんないうえに興味もない。
あたしはぼうっとしながら窓の外を見ていた。
「・・・・・・さか。・・・・はやさか。・・・おい早坂!」
あたしを呼ぶ河原の声にゆっくり顔を向けた。さっきから体がだるすぎて体がゆっくりとしか動かない。
河原はあたしの顔を見た途端驚いたような顔をした。
「おい、早坂。お前すごい顔色だぞ! 保健室行って来い!」
いつもはあたしが保健室に行きたいと言ったらサボるなと言ってくるくせに、なんで今日に限って良いんだ・・・・?
そんなことを思いながらも、体がだるいうえに面倒な授業を聞かなくて済むから先生の言う通り保健室に行った。
「あら早坂さん。今日は学校来てたの・・・・・って! どうしたの! 顔が真っ青よ! とりあえずここに横になりなさい!」
保健室に入るなりみっちゃんが驚いた声を上げた。そんなに悪いのか、あたしの顔は・・・・。
「今日は早退して病院に行きなさい! 診療代は持ってる?」
「え~。病院嫌い・・・・。いきたくない・・・・・・。」
ぐずるあたしにみっちゃんが言った。
「何言っているのよ! いい? 今行かないなら、親御さんに連絡して連れてってもらうからね!」
・・・・それは嫌だ。お母さんに知られたら絶対ややこしいことになる。
あたしは観念して病院に行った。診療代は、いつも遊ぶためにお金を見ち歩いているから心配はなかった。準備がいいんだか悪いんだか・・・・・。
診察したのは、坂口湊っていう若い男の先生だった。結構かっこよかった。
最近の体調を聞かれて、それにこたえてたら最後に小さな白い棒を渡されて、これに尿をかけてほしいと言われた。
面倒臭いなって思ったけど、言うこと聞かなかったら絶対みっちゃんはお母さんに連絡するだろうから、おとなしくしたがった。
「おそらくだけど、ほぼ確実に妊娠していますね。相手はわかりますか?」
あの白い棒を看護婦さんにわたしてから10分ぐらい待たされた後に名前を呼ばれ、そう言われた。
妊娠て赤ちゃんができったってことだよね。ということは親は絶対彼だ!
「勿論! あたしは一途だから浮気はしないんだ!」
「そうか。なら良かったです。ではその彼と今後のことをよく話し合ってください。」
坂口先生は投げやりにそう言った。ったく。医者なんだからもっと患者に愛想よくしろっつうの!
内心そう毒づきながら、病院を出て彼に電話した。
「もしもし。なっちゃん?」
「ねぇねぇ聞いて? あたし妊娠したよ!」
数コールで出た彼にそう言った。きっと彼も喜んでくれるはず! 皓ママプロポーズされちゃったりして!
そう思って疑わなかった。けど、彼は、
「は? まじかよ。最悪。」
そう言って電話を切ってしまった。それから何度もかけなおしても、彼は出てくれなかった。
え? なんで切るの? 喜んでくれないの?
あたしの頭の中は?(クエスチョンマーク)でいっぱいになった。だって本当に喜んでくれるはずだって思ってたから・・・・。
もう1度彼と話したいと思って、彼が通っていると言っていた大学に行った。けれど、大学から出てくる人に聞いても、誰も彼のことを知っている人はいなかった。その後、彼から教えてもらった住所にクークル先生を頼りに向かった。けれどもそこは何もない空き地だった。
足の力が抜け、その場にへたり込んでしまった。
あたしは愛されてなんかいなかったんだ。ずっと騙されてたんだ・・・・・。
それからしばらくの間、呆然とそこから動けなかった。
あたしはあの後、ふらふらと家に帰った。玄関を開けると、お母さんは文字通り飛んできた。
「・・・・・・・お母さん・・・・。私・・・妊娠した・・・・。」
医者に言われた結果だけを伝えた。
その時のお母さんの顔は、多分一生忘れないと思う・・・・・・。
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