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親子の絆  作者: リサ
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母の過去3

 退院するとき、子供は家に連れて帰って育てた。望んだことではないとはいえ、自分が産んだ子供は責任をもって自分で育てたいと思ったからだ。名前も決めた。湊だ。

 けれど、子育てをするうちに、自分の考えの甘さをまざまざと見せつけられた。



 まずは夜泣き。個人差があるらしくて湊は軽い方らしい。けど・・・・・すっっっっごくしんどい。もう夜寝れない。寝不足だ・・・・・。後はミルクにオムツ等々もう心が折れそうになった。

 赤ちゃんのお世話って、目が離せないしお金と体力を地味に使う・・・・・。


 今は隊長のことも考えて、自宅療養ということで学校に入ってない。けれど、この状態じゃこの先学校にはとても行けない・・・・。うちはそこまで裕福じゃない。それに私はまだ義務教育を受けなければならない。お母さんたちも仕事は止められない。



(こんな環境で湊を育てられない・・・・。養子に出すしかない。)



 次第に私はそう考えるようになった。


 数日悩んだ後、私は両親にそのことを話した。お母さんたちもいつか私がそう切り出すだろうと予測していたみたいだ。

 それから、湊を預ける乳児院を探した。



 けれど、どこがいい乳児院なのかがまったく見当もつかなかった。

不思議なことに望まずに生んでしまったとしても、湊には不幸になってほしいとは思わなかった。これが母性と言うものかもししれない。


 それでもなかなか見つからなかった。転校先の学校もそろそろ休むことが出来なくなってきていた。

 半ば焦りながら湊を抱いてネットとにらめっこする日が続いた。そんな中、気になるところを見つけた。それは、『ゆりかご』だ。


 詳しく見てみると、乳児を匿名で預けることが出来るようだった。それに預けられた乳児は、それぞれの児童院に預けるそうだ。他にもいろいろ説明が書いてあった。

 それらを読み終えた私は、湊をそこに預けようと決めた。両親にも話して納得してもらった。私たちの浅知恵で見つけた所(児童院)に預けたとしても、そこが湊にとっていい環境とは限らない。それなら、本職の人に任せた方がいい。そう思った。

 他人任せにはなってしまうけれど、その方が湊にとっていいのではないかと思ったのだ。



 湊の預け先は遠いところにあったから、新幹線で乗り継いで向かった。

湊を預ける時、湊の名前を書いた紙と湊あての手紙。そしてどうかよろしくという施設の人に当てた手紙を持たせた。それから将来、何かの足しになればとわずかだけどお金を包んだ。

 そうして私は、息子を手放した・・・・・。


 最後まで読んでいただきありがとうございます!

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