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からからからからからからからからから
からからとから回りし続ける。
からからからからと、脱輪した現実が、先に進もうともがいている。
「ところで先輩」
彼女は俺を見上げ。
「楽しんでます?」
にやりと微笑んだ。
からりとした笑みだ。からからからからのなかで唯一彼女だけが心の底から楽しそうにからからからからからからからからからからからからからからからと一人で車輪を手回し続け、回る姿を愛おしそうに眺めている。からからからからからからからからからからからからからからからから、空転が止まらない。