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メイドのロレーヌ

一部加筆を行いました。

 古代魔法を使える事で僕がドロシーの関係者だと疑われた時もそうだが、本当にジスレリアさんは勘が鋭い。ロレーヌは僕が暗躍する際の仲間としては最適すぎる。


 

 魔法関連としてもそうだが、エルフ族は基本的に人間と比べて知力、体力ともに優れていてハイスペックだ。器用だから何でもそつなくこなす事ができる。しかし寿命が長いゆえに繁殖数が人間に比べて少ないという事実もあるが、単機戦力としては途轍もなく強い。



「淑女に対して長く見つめるという失礼な行為をしてしまい申し訳ないです。ですがロレーヌの事が気になったのも事実です。彼女の魔法はとても洗練されていました。」


「あら!」


「これから僕と(暗躍するための)パートナーとして一緒に屋敷に来て貰いたいくらいです。正直彼女は僕にとって(これから暗躍するための陰として)理想的なパートナーで手放したくないです」


「まぁ!とても嬉しいです!」



 うん......嘘は言っていないから。周りからしたら口説いているように聞こえるだろう。これは本当に私欲なんだけど、ロレーヌに表では僕のメイドを、裏では僕が動きづらいことを代わりに頼みたい。貴族は基本的にメイドや執事を侍らすものである。それが上級貴族ともなると数も多くなっていくし、洗練された者たちになっていく。それは技能だけでなく、見た目さえ仕えさせる上で重要なファクターであるということだ。



 メイドや執事を侍らすということは、公爵家長男の僕も例外ではない。僕はまだ8歳で専用のメイドや執事は持っていない。父にまぁまぁ優秀そうな専属メイド達が当てがわれかけたけども、丁重に断った。僕のこれからの活動を考えると信用でき、かつ技量に優れた者でなければならないからだ。それにあくまで周りのメイドは少数精鋭でまとめたい。



「フハハ、本人が良いのならワシから言うことは無いのじゃ。昔からロレーヌはちと純粋なところがあったが、両親は昔に亡くなっておって独り身でな。それにロレーヌにとっても良い経験になるはずじゃ。ちなみに他の淑女たちも小僧の模擬戦を見て目を輝かせておったぞ。小僧も女タラシじゃのう」


「これからはリヒト様のお側に控えさせていただきます!」



 ロレーヌがニコリとそう言ってくれたけど最初と態度違いすぎない!?エルフ族は実力社会だから模擬戦で認められたってことか?でも僕が負けたんだけどね......。



「うむ。ロレーヌはエルフ族では30歳とまだまだヒヨッコじゃが実力は同年代でも優れておるのじゃ。最初は覗かれたと騒いでおったのに......まさか人間の、しかも小僧をロレーヌが認めるとは思わなかったのじゃ。ロレーヌは小僧のお付きのメイドであるという体が、一番しっくりくるのぅ」


「長!勘違いしていた話はもう良いじゃないですか!ふふ、これからよろしくお願いいたします。私のことはロレーヌとお呼びください!」


「よろしくね。ジスレリアさんも言ったけど、ロレーヌは僕の専属のメイドとして雇う形をとらせてもらうね。その方がこれからずっと一緒にいられて(今後行動を取りやすくて)いいからね」


「ふふ、かしこまりましたリヒト様。私も一緒にいられて嬉しく思います」


 ロレーヌの順応がものすごく早い。エルフが器用なのは知ってるけど、まさかメイド立ち回りも即座にできるの?



 それにしても30歳か......ジスレリアさんが1000歳を超えているから、本当にヒヨッコなんだろうけどエルフってあんまり見た目で年齢が判断できないんだよね。みんな美男美女で美形だしね。それにロレーヌも見た目は20歳前後くらいで見目麗しいしね。



 そんな事を考えていると1人の若そうな美形の男エルフがやって来てーー


「ジスレリア様!ロレーヌがその人間の子供に唆されているって本当ですか!?貴様許さんぞ!」


 

お読みいただきありがとうございます。

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