4話 エルフの実力
一部加筆を行いましたので、ご了承ください。
古代魔法を確認した後いつも通りの鍛錬を行った。ちなみにこの鍛錬とは身体を鍛えたり柔軟をすることもだけど、魔力を使って手の上に3属性の魔法を同時に発現させる訓練だ。
これをすると、魔法の制御力と魔力効率を上げられるからバカにできない。
そしていよいよ僕の中で気になっていた古代魔法の転移魔法を試してみることにした。とりあえずあの大きい木の方向に向かって1kmくらい進むイメージてやってみるか......。
「古・転移」シュン
一瞬で湖のほとりまで来た。そこでは女神の様に美しく可愛らしい女性が水浴びをーー
「ウッドストーム!」
「なっ!?」
エルフ族が得意とする、樹木魔法!?よく見たら耳がピンと上へ少し跳ねている。
「古・転移!」シュン
地面からうねってきたツルの嵐をとっさにかわし、右方へ瞬間移動する。その一瞬相手の驚く顔が見えた。
「その魔法!?ていうか、私の身体見たでしょっ?」
「ウッドテンペスト!」
不味い!さっきのウッドストームとは桁が違う!しなやかなツルに相まって、力強い木の根が襲って来る。
仕方がない。いつまでも受け身に回っていたら、エルフの魔力量の多さにジリ貧になる。
「古・ファイヤーボール!」
普通のファイヤーボールと違い青白い炎がウッドテンペストと大きい音を立てて正面衝突した。
「なっ!?私のウッドテンペストが......」
どうやら相殺した様だ。
「くっ、それならーー
「そこまでじゃ!急な魔力反応を感じて来てみれば......ほぅ、人間の小僧?ロレーヌよ、何をしておったのじゃ?」
ロレーヌと言われた少女?の方を見てみる。裸だったのにいつの間にか木のツルを操ってドレスの様にして体に纏っている。
「長!私が水浴びをしていたらこの人間が急に現れたのです!」
こちらをキッとにらめつけているのは気のせいではないだろう。
長と言われた年老いたエルフがこちらを値踏みするように見てくる。このエルフ......かなり強いな。
「ほぅ、人間の小僧のわりには、かなりの魔力量と見た。しかも急に現れた?我が種族の魔力探知能力をして、ここまでの接近を許してしまったとな......。面白い!ロレーヌも不完全燃焼だろう。場所を変えてこの小僧と模擬戦をせい。」
「しかし長!この人間をエルフの里の中枢まで入れてよろしいのですか?」
「今回は例外じゃ......。それにこの小僧の魔力の質に興味があっての。もちろんここはすでにエルフの里、小僧......拒否したら分かっておるな?」
コクン
分からなかったから、とりあえず神妙そうな顔で頷いた。
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