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1話 公爵家の地下には

処女作です。結構勢いで書いていますが、作品を良くするために今後修正を加えていきます。


 僕は昔から魔王倒す勇者......を暗躍して支えるような人物の物語が好きだった。持っている力を隠しつつも、裏では全てを支配している......そんな人に憧れて僕も幼いころから力をつけようと日々鍛練していた。



 幸い僕は幼少の頃から頭の回転が早く、魔法という可能性の塊に早くから気付いていた。王都にある屋敷には魔導書が多くあったし困ることはなかった。



 そんな中、魔力を毎日総量ギリギリまで使い切ることで、魔力量を増加させられることに気がついたのは6歳の頃だった。



 魔力を使い切る生活を2年程続けているとあることに気づいた。



「ねぇマーサ屋敷の地下に行っていい?」

 


 屋敷の地下って宝物庫と謎の小部屋があるんだけど、小部屋のあたりから少し魔力の反応を感じるんだよね......



「リヒト坊っちゃま、地下はあまり近づかないようにと旦那様がおしゃっていたはずですよ」



 公爵家には、貴族の上から2番目という立場から使用人やメイドが多く仕えている。マーサはうちの屋敷のメイド長でかなり貫禄がある。



「それとオリビア様が、貴族の令嬢たちと近くお茶会を開くらしいので参加してくださいね」



 8歳にもなると社交界に顔出しする事が増えてきてたんだよね......



 公爵家長男として仕方ないけど、そろそろ暗躍するための仲間が欲しくなってきた。



 そういう意味でお茶会は有能な仲間探しに利用できるんだよね。でも相手も貴族だからこちら側に取り入れにくいし、内通者だった場合デメリットも大きいからお茶会はあくまでも警戒する相手を探すくらいかな。



「母上が開くならもちろん参加させてもらうよ」



 マーサは完璧な所作で一礼すると去っていった。



 ちなみにオリビア母上は僕の実母で、父上の側室として嫁いだ。母上は20代後半なのに見た目は10代の若々しさでいつもやさしい。綺麗なブロンドヘアで僕も母上と同じブロンドヘアであることが嬉しい。



 僕は長男とはいえ側室の息子だから、父上は実母が本妻の弟に家を継がせようと考えているのかもしれない。



 ということで地下は夜にこっそり侵入することに決めた。だって父上に相談してもややこしくなりそうだし.......。



「やっぱり地下の警備は甘いな......これじゃ屋敷に侵入されたら簡単に入れちゃうよ」



 もっとも探知魔法などを幾十にもかけられた屋敷に侵入する事がもっとも難しいんだけどね。それに公爵家の私兵が夜中も警戒しているしね。



「フッ、チョロいぜ」ヒュン



 サァ......血の気が引く音がした。確か侵入者用に矢のトラップとかがこの宝物庫に施されてたんだった。探知魔法貼っといて良かった〜〜。



 でもこの状況って暗躍してるっぽくていいね。もっとも自分の屋敷の宝物庫に侵入しているだけなんだけど......。



 宝物庫に入り、さらに歩くと奥に小部屋が見えてきた。



「やっぱりここだ。みんなはこの魔力の流れに気がつかないのか」



 近づけば分かる、微かだけどこの異様な魔力の流れに。



 昔何回かこの部屋の前に来た時はこんな魔力感じなかったから、鍛練の効果があったのかな。ちなみにこの小部屋は謎の術式が描かれていてここ何百年開ける事ができていないらしい。



 試しに魔力を込めながらそっと小部屋のドアに触れてみる。そうギィっと



「ぎぃ!?」


お読みいただきありがとうございます。

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