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転生悪役令嬢は闇の秘密結社を作る  作者: Crosis


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五粒で銀貨五枚でした

「それでは、頂きましょうか」


そう言うとフランお嬢様は山葡萄の蔦で出来た手提げ籠の中から三種類の瓶を取り出す。


ちなみになぜあの籠の蔦が山葡萄であると分かったかというと、あの籠は私がお嬢様の我儘により作らされた籠だからである。


どうせ直ぐに壊して捨てられるであろうと思っていたし、そうなるであろうと信じて疑わなかった為まさか大事に使われている事に驚きを隠せない。


そしてそれ以上に何故だか知らないのだが嬉しさが湧き水の如く胸の内から湧き溢れてくる。


「色で分かると思いますが、これがイチゴジャム、これがママレード、そしてこの瓶に入っているのがチョコレートソースですわ」


しかしそんな私の嬉しさや驚きなどフランお嬢様が出した瓶の中身により物の見事に吹き飛んでいった。


ちょ、チョコレートソースですってっ!?そそそそそ、それはまさかっ!?今巷で流行っている超高級菓子であるチョコレートのソースなのではないですかぁっ!?


私も実家への仕送りをしながら少しずつ貯めていった貯金を奮発して一度だけ買ったことがある、あのチョコレートでできたソース………。


私が買った時は五粒で銀貨五枚でした。


食べるまでは愚かにも高過ぎる、ぼったくりではないかという思いも致しましたが、しかし一度チョコレートなる物を口に入れた瞬間銀貨五枚以上の価値があると思わされる程の幸せが口いっぱいに広がって行ったあの衝撃を今でも鮮明に思い出せる程にとんでもなく美味しかった、あのチョコレートで出来たソース………ですって………っ!?。


美味しくない訳がない。


一体あの瓶一つでどれ程の値段がすると言うのか。


それを、それをっ、それをっ!あぁあぁああぁぁっ!!


「フランお嬢様ありがとうございますっ!!ではかけさせて頂きますっ」

「私はイチゴジャム」

「じゃあ私はママレード」

「なら私はチョコレートソースですね。フランお嬢様はどれをかけますか?」


アンナが躊躇いもなくスプーンで救ってっ、あぁ、あんなにドバドバとっ!?スプーン一杯で銀貨一枚は絶対しますわよそれっ!うぅうぅっ、温かいアップルパイの上に乗った氷菓、そしてその溶け始めた氷菓の上に惜しげも無くチョコレートソースを……ぜ、絶対美味しい奴じゃないですかぁぁああぁっ!!!!


「そうですわねぇ、私はまずこのバニラアイスとアップルパイを三等分に致しまして、それぞれにそれぞれのソースを掛けさせて頂きますわ。そして時に二種類、時に三種類のソースを混ぜたりしながら食べましてよ」

「て、天才じゃないですかっ、フランお嬢様っ!知ってましたけどっ!あぁぁ、でも私はバニラアイス全面にチョコレートソースを……、なんたる不覚っ!!」

「アンナに同じく……悔やまれる、過去の短慮なソースの采配っ!!」

「くっ、次は失敗しませんっ!!」


さ、三種類を同時に楽しむ………食べたい食べてみたい食べたい食べてみたいぃぃいいっ!!その発想は神の領域でしてよ、フランお嬢様っ!!そしてただただ指を咥えて眺める事しか出来ない此処は何処ですかっ!?地獄ですかっ!?


「あなた達、たかだかソースでそこまで落ち込まなくても。ですが、そうですわね」


そんな悔しがるフランお嬢様の奴隷達をみてフランお嬢様は怒るでもなく微笑ましい表情で見つめているのだが、次にはニヒルな笑みを浮かべて「ふふふふ」と不敵な笑みを浮かべる。


「ほら、お皿をこちらに持って来なさいな。バニラアイスが足りなければ足せば良いだけでしてよ」


フランお嬢様はそう言うと各々嬉々として差し出して来た皿へバニラアイスという氷菓を二つずつ乗せていく。


そしてアンナ達三人はフランお嬢様を各々褒め称えながら惜しげも無く三種類のソースを使って行くではないか。


一体あの皿一皿の料理の価値が幾らするのか想像するだけでも恐ろしい。


しかしそれに見合う程の美味しさである事はフランお嬢様やアンナ達のあの表情を見ればバカでも分かるというものである。


それほどまでに幸せそうな表情を皆していた。


私以外。


も、もう私奴隷でも良いっ!!あれが食べられるのならば私は奴隷になるっ!


そう決意するのにそう時間はかからなかった。


そしていざ垣根から飛び出そうとしたその時、私は何者かによって肩を掴まれ静止させられる。


「フランお嬢様の、このドミナリア邸で唯一心安らぐ時間を壊すような行為はいくらメイド長と言えども褒められた行為では御座いませんな」

「誰ですか一体っ!?私は今人生の大きな決断をですね……え………?セバスさん………?」


私の決意を無下にしようとすると不届き者が誰であるか、私の方に置かれた手の持ち主へと視線を向けると、そこには執事であるセバスさんがそこにはいた。


「姿が見えませんからまさかと思って探してみたら案の定、しかしお嬢様の大切な時間を壊す寸前だったとは流石の私も焦りましたよ、全く」

「フランお嬢様の大切な時間……?」

「そう、フランお嬢様にとってとても大切な大切な時間でございます」



最近LUNA SEAばっかりライブ映像を漁って聴いてます^^


昔のライブ映像を観た後再結成後のライブ映像観て、って感じで聴いてます^^

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