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転生悪役令嬢は闇の秘密結社を作る  作者: Crosis


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本当の意味で理解する

「人間の気持ちや価値観などその時の感情や体験、様々な要因で簡単に変わってしまうという事ですわ。即ちそれはわたくしにとって信頼できないと同義でしてよ」

「俺のこのお前の力になりたいと言う気持ちは変わらないとお前に誓ってもか?」


今確かに抱いているこの気持ちは、フランの助けになりたいというこの思いは嘘偽りではないと神に誓える。


「そうですわね、以前のレオ様でしたらわたくしがドミナリア家、又は女性ってだけで見下していたのだけれども最近は価値観や考え方がお変わりになられたのかその様な態度は少なくなっているとわたくしは思います。この様につい最近価値観や考え方が変わり始めたレオ様の言葉を一体どれほど信用して良いのでしょうか?しかし先程も申した通りそれが人間というものですわ。その件に関しましては自分の価値観を変えるには難しい年頃にも関わらずレオも様々な経験をして成長している証でもあるので素直に尊敬出来る箇所であるとわたくしは思っております。しかしながらだからこそわたくしは側に奴隷を置いているのですわ」


しかしフランはその思いでは足りないと、人間は変わる生き物であると語る。


故に今は信用できても未来は分からないと。


そしてそのフランの言葉を聞き俺は言い返す事が出来なかった。


むしろフランのその言葉に納得してしまう。


少し前までの俺は、その考えが自分本位の自己中心的な考えであり男尊女卑的な考えであったという事に気付かず、それが当たり前であると何も疑わず、疑おうともしなかったし、むしろ俺の考えこそが絶対的に正しいとさえ思っていたのである。


しかしここ数か月で過去の自分が思っていた『絶対的に正しい』という価値観はものの見事に打ち砕かれ、今ではむしろその考えとは真逆に近い考えをもって行動している俺がいる。


その事実こそがフランのいう言葉そのものでありまさに生き証人ではないか。


そう考えた時、俺は果たしてフランの事を助ける資格が無いのではないのか?というある種の不安を抱いてしまう。


そんな事を思っているとフランにより頭を急に、まるで拗ねた子供をあやすかのように撫でられてしまう。


それは余りにも突然のことであり、またまさかあのフランに撫でられるとは思ってすらいなかった為抵抗する事も無くフランによりされるがまま撫でられ続けるも思考が追い付くのに数秒間も有してしまった。


「おいコラっ!やめろ!子供じゃねぇんだから頭を撫でるんじゃねぇっ!」

「ふふ、少し言い過ぎましたわ。ですがほっぺにご飯粒をつけている様では、まだまだ子供ですわね」


その事実に嬉しいのか恥ずかしいのか分からずぶっきら棒にフランの手を払いのけるもその事を残念だと思ってしまう自分がいるわけで。


そしてフランはまるで聖母の様な微笑みを俺へ向け、余りの美しさに時が止まってしまった様な感覚に陥ってしまう。


それにより出来た隙にフランは俺の頬についていたライスを摘むとそのままそれを口にして、今度は悪戯が成功した様な表情をする。


「それではわたくし達はそろそろ教室へ戻らせて頂きますわね」

「あ、あぁ……」


俺はそれだけの言葉を何とか絞り出し返事を返すのが限界であった。


そして俺は理解する。


これが恋であると。


その事を理解した、理解してしまった瞬間俺の顔が真っ赤になるのが鏡を見なくても分かる。


きっと今俺の顔は熟れたリンゴの様に真っ赤になっている事であろう。


今までフランの前だけ何故か偶に使い物にならなくなるノアの気持ちが今なら分かると同時に、先程フランが言った『好きな人の前では知能が低下する』という意味が分かる気がする。


きっと俺もまたこれから先フランを前にするとポンコツとなってしまう事があるのであろう。


流石にポンコツと化したノアを何度も見ている俺はそれを反面教師に今からそれをどうすれば悟られないのか考える必要があるようだ。


それと同時に今までシャルロッテが俺へ言い続けた言葉の意味を本当の意味で理解すると同時に腹をくくり決意を決めるのであった。





現在は放課後、とても学園の一室とは思えない高級な造りに歴史的価値がありそうな絵画や骨董品が置かれたサロンにはレオを中心として不穏な空気が漂っていた。


その空気を他の者が感じ取ると、ここでレオに目をつけられたら面倒くさいと瞬時に判断した後、各々気配を消し口を噤見ながらこれから何が起こるのかと期待と不安が入り混じった緊張感も漂い出す。


「なぁ、ノア」

「何?レオ。珍しく真剣な顔でどうした?」

「まず初めに言っておく。俺は謝らないからな」

「だからどうしたって言うんだよ?急にそんな事を言われても何が何だか分からね───「フランを好きになった」───………は?」


その瞬間確かに時が止まった。


なんなら空間も歪んだ。


「は?」

「だから、俺はフランの事を異性として好きになったと先程言ったのだが?」


そして今日この日よりフランとシャルロッテどっちが異性として魅力的かという内容の口論からどちらがフランに相応しいかという口論に変わるのであった。


本日も誤字脱字報告ありがとうございましたっ!^ ^すこ

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