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思っていた時も御座いました。





ここ最近は運気がわたくしへと傾いて来ている。


そんな事を少しばかり思ってもバチは当たらないであろう。


むしろわたくしの運気が高まっているという事こそがわたくしが神のクソ野郎の策を物ともせず押し返せている何よりもの証拠と言えよう。


そもそも未だわたくしの想像以上に戦力を増して行くブラックローズ達とわたくしに対して打てる策など何か一つでも思い付くのならばいつでも実行してよろしくてよ。


万が一実行したとしても直ぐ様その策をぶち壊しかつ死亡フラグを根本から折って差し上げましょう。


そして何よりあの武闘大会の時、わたくし達が出店を堪能している裏でレオが自分の手で死亡フラグを一つ消し去ってくれていたので最早滑稽としか言いようがないしレオだからこそ勝手に自爆したという不幸が蜜の味過ぎて甘美過ぎる。


そもそもあの武闘大会、わたくしも個人戦を参戦してレオが優勝すると言う死亡フラグを自らの手で折ってやろうと思ったのだが神クソ野郎の裏の裏の裏をかいてやったのである。


誰が馬鹿正直にあんな餌ぶら下げた檻に入るとお思いですか。


あぁ、神のクソ野郎がお思いでしたわね。失礼。


そもそもレオが優勝するにはまずレオルートに入り、レオのステータスが上がるように常日頃から行動しなければいけないのである。


正に脳筋バカルートとでも言えよう。


そしてレオが武闘大会で優勝する事によりレオファンがレオファンになる所以の至高のルートもといイベント画像を手に入れる事が出来るのである。


そしてわたくしはその至高のレオルート(笑)をクリアし、その余りにも俺様な行動に一気にドン引きした事を今でも鮮明に思い出せる。


しかもこのルートでしか手に入らないイベント画像が、ヒロインのお腹が大きくなった画像である。そういう事である。


しかしながらわたくしも昔は恥ずかしながらもツンデレというキャラクターを可愛いと思った時もございました。


結婚してからは可愛さのかけらも感じ得ないどころか随所?でイラっとさせられるのだから人は変わるものである。


むしろツンデレのツンの部分が元嫁のヒステリックに怒鳴り散らす場面を彷彿とさせ………話が長引きそうですので戻しますわ。


そう、言うなれば今のわたくしは波に乗っていると言っても過言では無いと思っておりますの。


───そう思っていた時もございました。


わたくしはあの神のクソ野郎が上げてから地面に叩きつける性格最悪なクソ野郎である事を忘れ無防備にも放課後の教室で眠ってしまっておりました。


ええ


ここまでは良いでしょう。


学園生活、流石に放課後は少ないかもしれませんがそれでも自分の席で眠る事など良くある事であろう。


わたくしは最近の波に乗った運気と、昨日の優勝おめでとうパーティーで若干の寝不足もあり思わず放課後教室で眠ってしまっていたようである。


ここまでも良いとしよう。


問題は、何故目を覚ますと目の前に頬杖をついて慈しむ様にわたくしを見つめ、わたくしの頭を優しく撫でているノア様がいらっしゃるのかという事である。


しかも頭の撫で方が、なかなか懐いてくれない野良猫を撫でるかのような手付きでわたくしが目覚めてもなお撫で続けているでは無いか。


あんまりな出来事に身体は硬直して声を上げる事も身体を動かす事も出来ない。


そしてこんな時に限って側使えは、 武闘大会三人共側仕えとして周った穴埋めとして振替休日という訳で休日にしてしまっているのであるから救えない。


だがしかし彼女達に振替休日を与えた事には後悔はしていない。


悔やむはわたくしの危機管理能力の低さである。


「起きた?」


そしてわたくしと目が合ったノア様は優しいボイスで、わたくしにだけ聞こえる声で囁いて来る。


そして未だノア様の右手掌はわたくしの頭の上である。


あぁあっ!わたくしの女性の部分が喜び叫んでおりますわっ!


この甘いマスクと甘いボイスに騙されてはいけませんっ!コイツはわたくしを約百五十回も殺す男なのである。


それも様々な方法でもってである。


しかしながらわたくしを殺す絶好のチャンスを棒に振りましたわね。


「お、乙女の寝顔を盗み見るなどというその行為、セクハラで訴えましてよ……っ!」

「どうぞ。でもそれだとセクハラで訴えられる前にフランを堪能させて貰うとするよ」


こ、コイツわたくしが狼狽えているのを分かってる上で返事をして来てますわね。


そもそも、そもそもである。


これはヒロインに起こるはずのノア様イベントではないのか?


それを今回何故ヒロインではなくてわたくしがイベント回収をしているのか。


そう考えている間に逃げれば良いのだが、ノア様に見つめられてるわたくしはまるで蛇に睨まれたカエルの如き動けないでいる。


その余りに綺麗な瞳に吸い込まれてしまいそうで………。



「今フランが一人で何かをその小さな背中で背負っている事は理解してる。しかし、だからと言ってそれが何なのか答えなくても良い。そのかわり、俺を頼ってくれても───」

「結構ですわ」

誤字脱字報告ありがとうございます!!



今回は難産でした。^^

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