出店
誤字、脱字報告ありがとうございますっ!!
ちなみに右から、身長百七十と女性にしては高身長にルルはその身長も相まって軍服が似合っている。
そして艶のある長い黒髪をポニーテールに頭の上で縛り顔も美形とクールビューティーの着こなし具合であるのだが、よくよく見ると金具のボタンに猫の押し印が施されていたり、ベルト部分に猫のキーホルダーが付けられていたりと分からない部分で隠し切れない可愛い物好きがあふれ出てしまっている。
ちなみに本人はこれで上手に隠しているつもりなのだがそこがまた可愛いとわたくしは思っている。
次に右から二番目にアリシアなのだが、もはやどっちが原型か分からなくなるほど軍服擬きを改造をしている。
しかし元の雰囲気は壊していない為軍服をモチーフにしたふわふわドレス(ゴスロリ風)と言われれば納得してしまうような服装である。
そして何故か眼帯もしており、更にフリルの付いた黒い日傘に赤いリボンでツインテールに黒のアームカバーを付けているその姿をみて、あぁ特効薬のない思春期にかかってしまう病気になってしまったのですわね、と将来黒歴史にならないよう祈ってしまうのは仕方のない事であろう。
むしろこの改造をアンナがよく許したなと思う───
「アリシアさん、武闘大会が終わりましたら説教です。なんの事についてかはご自分が一番分かっていますよね?」
「ふっ、鬼が我が聖なる力を扱う一族の末裔であるわたくしに対して何か言いよるわ………痛たたたたっ!!頭が割れるぅっ!?」
「このまま頭を握りつぶして差し上げましょうか?なんたってたって私は鬼みたいですしね」
───などという事も無く、アンナのチェックを通さず着てきたようである。
その勇気だけは褒めても良いだろう。
次いでアリシアの隣にいるのがベラなのだがこちらは多少改造はしてはいるものの他者と比べて一番まともであると言える。
しかしその改造の仕方が、どこか躊躇っているような雰囲気を感じる内容となっておりまだ自分を表現する方法が分からないという初心さが垣間見えその部分が見守ってあげたくなってしまう。
そして最後にカミーラであるのだが、このカミーラに至ってはお色気がとめどなくあふれ出てきており前世の部分が喜び叫んでおりますわ。
その大きな胸を見せびらかすように胸元を開け放ち、腰やウェストを強調し砂時計型の肢体を前面に押し出している作りとなっている。
さらにそこへカミーラの元々色気が半端ない美貌や雰囲気も相まってありがとうございますと土下座をしそうになる所であった。
そしてダメ押しに泣き黒子と胸の谷間の黒子もその半端ない色気をさらに強調させているので並みの男性であれば間違いなく耐えられないであろう。
まぁ、それでもわたくしの本気を出した色気には少し届かないのですが。
「それでは健闘を祈りますわ」
「はいっ!!フランお嬢様っ!!」
◆
さて、(有)死亡フラグ製造会社の社員と社長達から逃げ出す事に成功し、ブラックローズの奴隷娘達に会う事が出来たわたくしは残された自由な時間を使いこの武闘大会を存分に楽しんでやる事にする。
因みに今日はメイ、ウル、アンナと側仕えも全員いる為普段の労いも込めて四人で遊び倒してみせますわ。
と、いうよりこの様にまるで歳相応の様に遊ぶというのが今世では初めてである為今からもうその事を想像するだけで楽しくて仕方ない。
まぁ女性として女の子達と遊ぶというのは前世でも経験は無いのだが、それも込みで楽しみである。
「それではこの屋台をまず食べ尽くしてやりますわよっ!メイっ!ウルっ!アンナっ!!」
「フランお嬢様、あの焼きそばという物を食べましょうっ!」
「はいっ!はいっ!私はあのチョコバナナを欲しておりますっ!」
「全く、フランお嬢様もメイもウルも子供じゃないんですから。あ、私は綿菓子を買わせて頂きますので寄ってもらっても良いですか?」
「メイもウルもアンナもブラックローズが出している出店の商品ばかりではないですか。わたくしはこの肉串を頂きますわっ!!」
そして当然我がブラックローズも活動経費を稼ぐために、更にブラックローズが作る物を広める場としても複数の店舗をジュレミアを使いねじ込んでもらっている。
それにしても全く、ここまで来てブラックローズの出している出店の物を欲するなんて、毎日食べているでしょうに。
むっ、この肉硬くて嚙み切れないですわね。
ムグムグむぐむぐムグムグむぐむぐムグムグむぐむぐムグムグむぐむぐムグムグむぐむぐムグムグむぐむぐ。
嚙み切れないですわねっ!!全くっ!このっ!何くそっ!
「だってお嬢様、ブラックローズの出店で販売している食べ物の方が圧倒的に美味しいですもん、ムグムグ」
「失礼ですがフランお嬢様、そもそもチョコとバナナのゴールデンコンビに勝てる物などありません。むぐむぐ」
「ブラックローズで作られる食べ物を食べてしまったらもう他の物は食べれなくなってしまいますね。そんな料理を私達は朝昼晩と毎日食べておりますので。そもそもソースにマヨネーズ、味噌に醤油、フワッフワの白パンに柔らかな熟成肉、そしてうどんに蕎麦、ラーメンなどなど、知ってしまったらもう知らなかったあの頃の食生活には戻れませんね」
それらの食品も宣伝も兼ねて出店を出しているのですし、メイ、ウル、アンナの言わんとしている事も分かる。
しかし、しかしである。
「全く、貴女達は祭りという物の真髄をまだ理解していないみたいですわね。仕方ありませんわ。祭りのプロプレイヤーであるわたくしが教えてあげましょう」




