表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生悪役令嬢は闇の秘密結社を作る  作者: Crosis


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/288

王国の狙い

あーんもうっアンナ大好きよっ!!真に受けて調子に乗ってしまいますわよ、まったくもうっ!抱きついちゃいますっ!!


「お、お嬢様っ、苦しいですっ」

「アンナがあんまりにも可愛い事を言うのが悪いのですわっ!」


そう、もしセバスが裏切ったとしても私にはこんなにも頼もしく信頼出来る奴隷(仲間)達がいるのですから。





「珍しい顔だな。もうここには来ないと思っていたよ」

「お久しぶりですね、ダンさん。ここ最近の天気はどうですか?」

「どうもこうも実家の方が雨ばかり降りやがって作物が腐り始めて来てるって親父が愚痴ってたくらい雨が続いているみたいだぜ」

「そうですか。でもその雨は作物全てが腐り落ちる前に近いうちに止むみたいですので安心ですね」

「そうか?俺はこの雨が止むなんて話は聞いた事ないんだが、お前さんが言うなら間違いねぇな」

「えぇ、最も信頼のおける方が仰っておりましたので」

「なら俺もそろそろ実家まで手伝いついでに里帰りしようかね」

「それがよろしいかと。それではまた、お元気で」

「お前もなセバス」


顔見知りである闇の売人に話しかけ、情報を共有する。


『天気』は麻薬、『実家』は王国、『雨』は売り上げが潤っている事、『作物』は人々、『腐る』は麻薬中毒者が増え続けているさま、『雨が止む』は何らかの理由で稼げなくなる、『里帰り』は逃亡を意味する。


この事からも麻薬は魔族国経由ではなく王国経由で帝国に入って来ておりその量は相当のようである。


しかし、王国の気候ではシケは育たない為魔族国又は別の国から仕入れているのは間違いないであろう。


ちなみにお互い有益な情報を提供した為チップは無しである。


立場が対等にも関わらずチップを払う奴は裏の世界では食われて終わるか一生下っ端である。


「あぁ、そうだ」


そしてセバスは王都にいる知人の場所へ向かおうとしたその時、先程の売人が何かを思い出したかのように語りかけてくる。


そして私はそれを目で続きを催促する。


「実家の親父が病気で倒れたらしくてな、今は兄が農作業しているみたいなんだ」

「それは大変でしょうに。頑張って下さいね」


そして私は最後にくれた情報に対して金貨を売人へ渡すのであった。





売人の情報が正しければ、魔族国の麻薬組織のトップが謀反を起こされ代替わりしたと言う事になる。


恐らく謀反を起こし勝ったは良いが組織は疲弊してしまったのであろう。


麻薬組織は今間違いなく資金不足である為何とかして組織を立て直すだけの資金が欲しい。


そして王国もまた麻薬が必要であり利害が一致してしまったのであろう。


王国の見据える先は帝国との戦争であり、その前の地盤固めとして帝国を麻薬でボロボロにした上で宣戦布告するという流れである。


そして私は王国の狙いを教えてくれた男性を闇魔術を使い影の中へと引きずり込む。


「何でだよっ!?俺はちゃんと言っただろっ!!おいふざけんなっ!!ふざけんじゃねぇぞぉおぉがぼぼぼ………」


そして男性は、まるで水に中に引きずり込まれたかのようにもがいた後二度とその影から出てくる事は無かった。


「自分が生きる為なら人の人生を壊しても何とも思わないような人間が何故助かるなどというあり得ない事を思うのでしょうか?」


男性が消え去った後に私は、引きずり込んだ影に向かって語り掛ける。


今現在私がいる場所は王都騎士団本部、その団長室であり先程影に喰われた男は騎士団団長である。


この騎士団団長から情報を聞き出すのは一種の賭けであったのだがこの団長は昼間っから酒を飲んでいたらしく比較的簡単に欲しい情報を手に入れる事が出来た。


流石にこれ以上深入りすれば国が相手になって来る為私一人でどうにか出来る範疇を超えている。


ここら辺が潮時と判断して団長室を後にしようとしたその時、背後から強烈な殺気が襲って来る。


「今のを避けましたか」

「あれ程の殺気を飛ばしていては避けて下さいと言っているようなものでしょう」

「一応、避けれない様に攻撃したつもりなんですがね」


しかし、腐っても王国騎士団。


只では帰してくれないみたいである。


そこに立つは王国騎士団一番隊隊長、アレックス・ボールドウィン。


彼は次期団長候補である為その強さは折り紙付きである。


「それで、団長はどうしました?一応腐っても我が騎士団団長でしてね」

「腐っていると理解しているのでしたら今回の件は見逃してはくれませんかね?」

「ここが王都である以上団長は王国の法でもって裁かれるべきである。それにたった一人の侵入を許し団長を殺害された上に取り逃がしたなどとあっては騎士団の面目が丸つぶれではないですか」


コツコツと革靴を鳴らし、語りながら近づいてくるアレックス。


身体は細身なのだが動作一つで鍛え抜かれている事が窺える。


余分な脂肪だけでなく余分な筋肉も付かないよう日々鍛錬しているのであろう。


そんな彼が自身の赤い髪と同じ色である赤い瞳に殺意を隠す事もせず私に向けて来る。


騎士団団長の場合純粋な技術で勝った訳ではなく酔っていたという事と私を侮り見下していたからこそ勝てたに過ぎない。



誤字、脱字報告ありがとうございますっ!!


また、ここまで読んで下さった皆様、ありがとうございます!!


^^

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ