気持ち悪いとすら思っていた
その、あまりにも酷いとしか言いようのない光景を目にして私は抑えていた感情を爆発したその瞬間、一瞬だけであるが確かに殺気を感じ、背中に生えた翼を使い右に避ける。
しかし、我らが神の使徒、その中でもかなりの寵愛を頂いているという自負、そして神の寵愛すら頂いていない羽虫如きにどうこう出来るはずがないと、知らぬ間に私の中には驕っていた部分があったのだろう。
その事に気付いた時には私の左腕が吹き飛んでいた。
そして、想像を絶する怒りは逆に私の心を冷静にしてくれた。
そもそも羽虫如きを殺すのに感情をむき出しにして叫びながら殺す様な事はしない。
ならば逃げられない様に確実に殺すだけの事である。
◆
いつか来るだろうと思っていたのだが、あまりにも早すぎる聖教国の宣戦布告に少し驚きはするものの、初めから戦争をする事を前提に動いていたのであろうとう事が伺える。
その事からわたくし達や他国が聖教国の言葉を万が一受け入れようとも何かしらある事ない事喚き散らして戦争へと持っていたであろう。
そもそもいつかは聖教国との戦争は近いうちに起こると想定していた為、聖教国同様に事前に準備をしていたわたくし達には何ら問題は無い。
ただ問題なのは、急な展開によりまだわたくしの気持ちに整理がついていないという事ぐらいであろう。
わたくしは今から家族の縁を切る、その事を他でもない家族に告げなければならない。
家族の縁を切る事は前から決めていた為、その事を今更覆す事はしないのだが、実の家族へ縁切りを告げるという事がここまでキツく辛い事であると言う事は想定外であった。
確かにわたくしの家族は貴族至上主義でありわたくしとは価値観が余りにも違い過ぎていた。
その事を気持ち悪いとすら思っていた。
しかし、わたくしに注がれていた愛情が本物であるという事に関しては疑いようもない事実なのだ。
住み慣れたドミナリア邸、そして見慣れた扉の向こうには朝食を食べる為に家族が集まっている。
その扉の向こう側へ向かう一歩が出ない。
そんな時、そっとアンナやウル、メイ、そして新しくわたくしの奴隷となったシェリー、ボーガン、アリアが寄り添ってくれる。
それだけでわたくしは一歩踏み出す勇気が湧いて来て、目の前の扉を開き中へと入って行く。
これはわたくしの家族を救う為、仕方のない事なのである。
戸惑う必要等無いのだ。
「し、失礼致しますわ………へ?」
家族を守る。
その事を胸に抱き中へと入ると、そこに朝食など無く、真剣な表情の家族の姿がそこにあった。
「おはようございます、フランさん。まずはいつもの席に座って頂けないかしら」
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すみません、今日も少なめです。
最近夏バテ気味で常にしんど眠いです(*'▽')ボーとしてしまいます
皆さまも熱中症には気を付けましょう(*'▽')
それはそうと世界のあそび対戦51を買いたいのですが、私の周りには誰一人として買っている方がおらず、その為未だに買おうか迷っております(*'▽')オンラインですとボコられて終わりでしょうし
 




