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見込みの無い馬鹿


それは昨日、今日も今日とて我がドミナリア家の財をふんだんに使われた趣味の悪い………言い間違えましたわ。誠に豪華絢爛な馬車により学園へと到着した為馬車から降りようとしたその時、まるでわたくしを待っていたかの様にレオがわたくしの前で立ち塞がって来た事から始まる。


「フ、フラン。俺はお前に言いたい事がある。俺について来い」

「わたくしは無いので一人でどうぞ行って下さい。それでは」


これほどまでにレオが馬鹿であるとは思わなかった。


あの時のわたくしの言葉などレオには何も刺さっていなかったみたいであるし、完膚無きまでに叩き潰した事は全くもって効いていない様でわたくしは頭が痛くなって来る。


あの時回復魔法などで回復させ何をやっても敵わないというのをレオの頭に上から押さえつけて擦り付けるレベルでもっと徹底的に叩き潰して身体に教え込むべきだったと後悔する。



良くバカな奴ほど可愛いと言うが、それは見込みのある馬鹿であり全くもって見込みの無い馬鹿は可愛いくないどころか腹が立つし相手をするだけ時間の無駄である。


あんだけの事をやってまだ上から目線であるのだからレオに見込みは最早無い。皆無である。


そんなレオの相手をする程わたくしは暇ではありませんので、レオの申し出をバッサリと断るとそのまま横切る事にする。


レオみたいな相手を慮る事の出来ない奴は歯に絹着せてやんわりと断っても中途半端な断りは了承とられる危険性が高い為ストレートに断った方が早い事は前世で嫌という程経験済みである。


そもそも、これを頼もしい・引っ張ってくれるなどと思うのは男女共に未婚の者だけであろう。


一度でも結婚すればそれが地雷であると気付くであろう。


それで噛み合っている時は良い。


しかし噛み合わなくなってからは地獄である。


その時初めて自分がパートナーではなく体の良い召使いである事に気付くであろう。

そこに男性だの女性などの違いなど無い。


相手を慮る事の出来ない者は総じて、大なり小なりこと結婚においては地雷であると言える。


俺様属性であるノア様とレオとの違いは、関○宣言と○リセツくらい違うと言っても過言ではない。

似て非なる物である。


そして何故レオの性格をこれほどまでに忌み嫌うかは話せばとっても長くなってしまいますので聞かない方が賢明でしてよ?

そう、それは前世で結婚した元妻の話でございますが………おっと、無意識に語り出そうとしておりましたわ。

危ない危ない。


そして、そんな事を思いながら頭の中で懐かしいメロディーを流しレオの横を通り過ぎようとしたその時、レオがわたくしの腕を掴み引き寄せて来る。


「きゃっ!?」


急に引き寄せられた事によりレオに抱き止められる形となり顔を上げれば流石メインキャラクター、色気を撒き散らす凄まじいイケメンが目の前ドアップでわたくしの視界に入って来る。


あんまりにも突然だった為不覚にも一瞬トキメキそうになったが、前世の経験からコイツは地雷であると思う事でなんとかトキメキを食い止めることが出来た。


前世での経験がなければと思うとゾッとする。


「何故俺の言う通りにしないっ!人の話を聞いていないのか貴様はっ!?」

「ソックリそのままお返し致しますわ。世界は貴方を中心で回ってなどいない事を学んだ上でわたくしに話しかけて下さい。それでは」


そう言うとわたくしはレオに掴まれた腕を強引に振り解くとサッサとその場を後にする。


本日の側仕え当番であるメイさんや、塩っ、塩を持って来るのですっ!!






この時、わたくしは相手を慮る事の出来ないレオの突発的な行動力を忘れていた。





事件が起きたのは翌日行われる遠足、その班決めの時間の時である。


そいつは授業中、しかも他クラスの癖に勢いよく我がクラスの扉を開けると開口一番こうほざきやがった。


「良く聞け貴様等っ!明日の遠足は俺とフランは同じ班で決定しているっ!!……わっっ!?ちょっ!!待てフランっ!!何で塩を俺に向かってかけて来る!?」

「レオというっ、存在がっ、最早、わたくしにとって疫病神だからですわっ!!」

「それと塩と何の関係がっ!ぶわっつっ!?あるって言うんだっ!?」


何でコイツは毎回毎回わたくしの気持ちを蔑ろにして物事を決めようとするのですのっ!?こんなんでも同性が相手の場合には至って普通の思考回路の上面倒見がいい為同性の後輩や同級、更には先輩までにも慕われているというのも腹立たしい上に、ノア様程では無いにしろ女性人気もそこそこあるのがまた腹立たしく思う。

それにレオは先程貴様等と発言したがこのクラスには第二王子であるノア様もいらっしゃる事を忘れたのですかっ!?

不敬罪ですよっ!ノア様っ!!こいつノア様に向かって貴様と発言致しましたよっ!!早く捕まえて下さい!!


「待てっ!!フランは俺と同じ班と決まる寸前だったっ!それに貴様はシャルロッテ狙いであったのであろうっ!であればシャルロッテと同じ班にすれば良いではないかっ!!」


ブルータス、お前もか。


流石このわたくしの天敵である。


恐ろしく息が揃ったコンビネーションにお前等二人で練習して来たのではないかと疑いたくなる。


「いや、あの……フランも組みたい人が居るだろうにレオに、しかも別のクラスにも関わらず班を勝手に決められたら迷惑だと思っただけで、そのだな、俺がフランと一緒の班になりたいとかでは無くてな、その………」


わたくしがジト目でノア様を見つめると、ノア様はハッとした表情の後顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに言い訳を並べ始める。


自身が叫んだ内容の言い訳はさぞかし恥ずかしいであろう。


いい気味である。


誤字脱字報告ありがとうございますっ!!

最早頭が上がらないです。



注意

君恋のメインヒロインの名前をアイリスと初に表記していましたが、何故か次からシャルロッテと記載しておりました。

編集で直したあとは以後シャルロッテで合わせて行きます。

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