忠告はしておく
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「あら、遅かったじゃない」
自身の爪を手入れしながらエルフの女性が喋る。
彼女は何事にも保守的且つ質素なエルフにしては珍しく髪を赤に染めて服は赤を基調に黒と紫がポイントポイントで入っているドレス調の服を着ていた。
そんな彼女に声をかけられた俺もまたエルフであるのだが、こちらはエルフ然とした髪型や見た目、髪を染める事なく美しい金髪を携え、服装も白を基調に緑と黄色で色取られた衣服を身に纏っている。
そんな俺は女性エルフの言葉を聞き苛立たしげに眉根を寄せる。
「そうは言ってくれるなよ。こっちは先日戻って来た元七賢者を拷問しながら色々と調べていたんだからな。と、言っても既に死んでしまったのだが」
「ふーん、それで何か分かったのかしら?」
簡単に聞いてくれるなという言葉を寸前の所で飲み込む。
今現在調べている死体、七賢者の一人、ボールデ・モートなのだが恐らく敗因は腕を肩から切られた事に気付かず出血性ショックにより意識を手放してしまった事で間違いないであろう。
問題はボールデの脳から観た記憶を映像化したその内容である。
脳から観る映像は、脳という器官は謎の部分も多い為どうしても断片的な内容となってしまうのだが、それでも俺はその映像が未だに真実であるとは到底思えないのである。
それはボールデも同様であり幻術の類と思い込んでしまったが為に、この場合の最善である『即座に逃げ、適切な治療を行う』という事ができず、気が付いた時には既に出血多量で意識を手放してしまった事が、ボールデの脳により観た映像であった。
そして何よりも信じられないのが七賢者であるはずのボールデが手も足も出ず、まるで子供と大人程の力量の差を見せつけられて、まるで芋虫であるかの如く地面を這いずり回りながら負けたという、エルフの風上にも置けぬ負け方をしているのだ。
それもたった一人の獣人の娘にである。
そんな内容等、誰が信じると言うのだ。
最悪力量の差を見せつけられて負けるという事は、難しい事ではあるがのだが理解できるのかもしれないが、たった一人の獣人の娘に負けたなど信じろという方が無理な話である。
「そうだな、分かった事と言えば獣人の小娘一人によりなすすべなくやられたという事くらいだな。その獣人の娘が使っている魔術や武器等も全く持って見当もつかない。いやはや、お手上げだねこりゃ」
「ふーん、嘘吐くくらいならもっとマシな嘘を吐いて貰いたいところですね………殺されたいのですか?」
そして彼女の問いに対して包み隠さず真摯に答えてやるのだが、帰って来たのは研ぎ澄まされた殺意である。
「嘘と思うならそれで良いよ。だけども忠告はしておくよ。既に七賢者の内二人が敗北しているのだからね」
「ふん、わたしをこの馬鹿達と一緒にしないで頂きたいたいわね」
そして彼女は俺の忠告も聞く耳持たずという態度で目の前から蜃気楼のように姿を消す。
その態度に初めこそは苛立ちすら感じていたのだが、よくよく考えてみれば、あのままでは人間共に負けた二人同様に彼女もまた、負けるであろう。
その時の事、主にその後の拷問の事を考えると俺は思わず興奮してしまう。
そんな時、陶器が割れる音が部屋の中に響く。
音の方を見れば人間の奴隷が謝罪しながら割れた陶器をかき集めている姿が目に入ってくる。
そして俺は徐に奴隷へと近づくと、割れた陶器の破片をかき集めている奴隷の手を、陶器の破片ごと踏み抜く。
そして部屋に響く心地よい音色。
「人間ごときが、エルフの所有物を壊しても良いと思っているのか?このグズッ!!グズッ!!そんなっ!事もっ!分からないからっ!人間は劣等種、下等種なんだよこのボケがぁぁぁあっ!!」
そして俺は暴力を振るっても良いという大義名分を得たかの如く奴隷である人間の少女を何度も何度も何度も蹴り倒す。
そして、何度目かの蹴りを入れた所で奴隷は声を上げるどころか動かなくなり、その小さな口からは荒い呼吸音のみが聞こえている。
「ふん、おい誰か。この芋虫を治療室にでも連れていってやれ」
「は………はい、ご主人様」
「オイ待て、なんでお前はこの俺を見て震えているのかな?まさかとは思うけど、芋虫を治療室へと運んでやる程、こんなにも優しい俺をみて恐怖してんじゃないだろうな?」
「め、めめ、滅相もございませんっ!!」
「あ、そう、まあいいや。どうせ芋虫達にどう思われようが関係ないしね」
そして俺は今一度、七賢者である彼女が俺の手に落ちた時の事を想像するのであった。
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