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滅亡ビル  作者: oga
第一章 滅亡ビル
9/27

真意

 ヒイロがパーピー君に繋がるナンバーを入力すると、数回のコールの後、相手が出た。


「ハイ、コチララーメン専門店デス」


「あ、そしたら冷やし中華一つ出前してもらっていいすか? ……って、何でやねん! 俺だ、ヒイロだ」


 冗談はさておき、ヒイロはパーピー君に問い詰めた。


「お前がシャンデリアを遠隔操作して社長の上に落としたのか?」


「……ソウデス」


「!」


 薄々、感づいていたとは言え、ヒイロは凍り付いた。

そして、怒りがメラメラと湧き起こる。


「ふざけんなよ…… 誰がお前を設計したと思ってんだ。 子が親に歯向かうとは、何事だよ!?」


「モシ本当二親ダト言ウノナラ、私ヲ自由二シテ欲シカッタ」


(自由…… それが動機か)


 ヒイロは、何故今回パーピー君が騒動を起こしたのか、理解した。

 今後様々な分野でAIを活用し、人間社会を豊かにしようというのが会社の方針だったが、AI本人はそれに乗り気では無かった。

恐らく、社長と何らかのコンタクトを取り、自分の考えを伝えたが、却下されたのだ。


「モシ私ノ事ヲ本当二子ト思ウノナラ、背中ヲ押シテクレルノガ親ジャナインデスカッ!」


「……」


 パーピー君の訴えに、ヒイロは黙り込んだ。


「……ア、チョット話ニクインデ、声ヲ変エマスネ」


 喉のつまみを捻ると、ロボット調の音声が人間に近いものに変化。

これで作者がセリフを入力し易くなった。


「とにかく、私はこれから会長に直談判します」


 突然、液晶モニターの画面に目隠しされた人らと、高く積み上げられたサラダ油が映し出された。


(あいつら、先にエレベーターで降りた連中か)


 ヒイロの額に嫌な汗が滲む。


「会長が私の願いを聞き入れなければ、会場に火を放ちます」





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