再開
弾丸は丸みを帯びたロボットの後頭部に命中した。
「……ッテーナ、ナニスンネヤ!」
「え、関西べ……」
グルン、と体を180℃回転させ、ロボットは手にしたマシンガンのトリガーを引く。
チナツのデコに弾丸がめり込む。
「ぐはっ」
チナツがやられた。
ヒイロの心拍数が上がる。
(くっそ……)
天井裏の点検口から上半身を出し、グタリ、ともたれるチナツ。
「モウヒトリモ、インネヤロ。 ナンカオモシロイボケ、カマシテミイ」
関西弁のロボットの無茶ぶり。
恐らく、滑ったら命はない。
(ふ、ふざけんなっ。 お笑いとかわかんねっつの! ……くそ)
チナツは銃を手にしたまま、動かない。
ヒイロは手を伸ばした。
(あれで反撃しねーと)
「サン、ニー、イチ……」
その時、ドン、という銃声。
ロボットの首に、弾丸が命中した。
「チナツ!」
銃を撃ったのは、チナツ。
人間でいう所の頚椎を破壊されたロボットはそのまま動かなくなった。
「チナツ、お前、どーやって……」
「ゾンビ化っす。 体をゾンビ化させて弾丸を無効化させる技何スけど…… 間に合ったのはラッキーす」
(なんだそりゃ!)
チナツ曰く、サバゲーではゾンビ行為と言って、かなりメジャーな戦法とのことだが、悪臭がするため、使いすぎると嫌われるとのことである。
地面に降り立つと、ヒイロは動かなくなったロボットに近づいた。
「ちょっと、銃貸してくれ」
「……何するんすか?」
ヒイロは、ロボットの背中にある蓋に銃口を当てて、弾丸を発射した。
パネルが吹き飛び、テンキーと液晶モニタがあらわになる。
「コイツを操作すれば、パーピー君とコンタクトが取れるハズだ」